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9月相場について。中編(9/24 FOMC後)

■2021/9/24

株は下だよ。

債券市場の参加者「ディレイド・テーパータントラムが来た!」と大騒ぎしています。ディレイド(delayed)とは「遅れてきた」という意味。10年債利回り…見てごらん?

悔しいけど株の市場参加者より債券の市場参加者のほうがずっと洗練されているし、普通に正しいです。そういうものなんです、悪いけど。

自分よか正しい連中がいる……それなら、それでいいじゃないですか? そいつのトレードを真似しまくればいいだけ(笑)

「債券の投資家のほうが巧いんだから、株やっている我々は債券の方みてトレードしろよ!」…というだけの話。



S&P500指数が50日移動平均線(4437)を下に切ったとき、一度は4437を目指して戻ろうとする動きが出ます。昨日、それを少し上回る水準で引けている。今日以降、さらに上昇し安全圏に逃げ切ることが必要。それが出来なければまた反落→200日移動平均線を目指す展開ですね。


相場の上昇、下落に一喜一憂するのではなくて、経済の基礎的要件にもっと気を配った方がいい。

たとえばナイキ(NKE)。良く経営された優良企業だけど……決算は悪かった。なぜ? サプライチェーンがメチャクチャになっているから。

コンテナ船がロサンゼルス沖でボトルネックを生じていてクリスマス商戦に向けて商品の到着が遅延している。これはナイキだけの問題じゃない。

企業業績は圧迫を受けている。EPS成長には急ブレーキがかかっている。長期金利は上昇している。米国債はデフォルトするかも。

それで……あなたはいいわけ?


米国10年債利回りに注目して。利回りが「ぽーん、ぽーん、ぽーん!」と三段跳びみたく上昇したら……株は急落します。

利回りの価格の「逆」ですから「ぽーん、ぽーん、ぽーん!」と利回りが急騰しているということは……債券価格は「どすん、どすん、どすん」と急落していることを意味します。

先日のFOMC以降、長期債は「どすん、どすん、どすん」と急落しています。

株式市場のスケールより債券市場のスケールのほうが大きいんです。主は債券、従は株式。その主従関係をまちがえないで!


「10年債利回りが〇〇の水準を超えたら……株が暴落する」というような「水準」の問題じゃないです。

むしろ「どのくらいギクシャクした動きになっているか?」に注目して!


なぜなら機関投資家はポートフォリオ全体としてのリスク調整をしているから。ひとつの資産が大きな動きをすれば、全体としてリスク調整する必要が出ます。株式がぐわんぐわんに動いたら…それが債券のストラテジーにも影響するし債券がぐわんぐわんに動いたら…それは株式のストラテジーに影響します。

いま債券市場ではテーパータントラムがまさしく起こっている最中です。
だからみんな息を呑んで債券の動向を見守っている。

「レバナス」に代表されるレバレッジ商品は「借りたお金で相場を張る」博打に他ならないので、金利が上昇しているということは賭場の「てら銭」が高騰しているのと同じ。つまり参加者は不利になる。


僕がいま言っている事は自分の相場観を述べているのではなくて、「投資の一般教養」に近い、極めて常識的な知識を教えているだけ。僕のオリジナルじゃないし、ビジネススクールなどで教えている基礎的な事です。



今回の9月相場についてのじっちゃまツイートをまとめています。
活用してください。

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