難聴によるすれ違い 訪問介護士@オーストラリア

高齢の方は耳が遠く、補聴器を付けている方も少なくありません。
耳が遠い方との会話は、意外と大変で、特に英語だと発音が悪いせいかわかってもらえないことが多くて、困ることがあります。でも、難聴だとわかっているから、身振り手振りや書いてコミュニケーションをとろうとしたり、お互い分かり合おうと努力するので、結構大丈夫なんですよね。
ところが、難聴だとわからないと、これが意外と大きな問題になることを家庭内で気づかされました。
というのも、夫が生活に支障がない程度の軽度の難聴らしいということがわかったのです(夫は剣道愛好家で週に何度も剣道の練習をしているので、剣道難聴のようです)。

夫は挨拶をしないのが一番嫌な人。私も挨拶は大事だと考えているので、子育てでも子どもたちには挨拶はするよう常々言ってきましたし、どんなに喧嘩していても、夫婦関係が悪い時でも、「おはよう」と言われれば、「おはようございます」とちゃんと返していました。もちろん、言い方や声の大きさに問題があったことは自覚しているし反省をしています。でも、言わなかったことはないんです、本当に。
でも、つい最近、夫が挨拶をしても無視をされているとずっと長年思っていることを知ったのです。子どもも挨拶をしないと。えーーー!?です。
最近、あれ?聞こえてない?ということが何度かあり、今朝、それが確信に変わりました。「おはよう」と言われて、結構な大きさの声で「おはよう」と言ったのに、また「おはよう」と言われて、なんかモヤモヤして、「もしかして1回目聞こえなかったからまたおはようって言ったの?」と聞いたら、そうだと言うんですよ。
実はこれまでも、こういうこと(おはよう、おはよう、おはよう。と何度も言われる)は何度もあって、私側からすれば、部活で声出ししているのに、先輩から「声が小さい!もう一度!!!」と言われているような感覚で、結構ムッとしながら「おはよう」と言っていたんですよね。夫側も、「おはようって言ったのに、無視しやがって、このやろう」とイライラしながら、もう一度「おはよう」と言っていたわけです。これをここ数年続けていたわけです。原因は「難聴で聞こえていなかった」ということだったのに、原因を知らないでお互いでストレスやイライラをため込んでいたわけです。怖いですね…。よくよく聞けば、子どもも挨拶をしても挨拶もしてこない、なんて子だ、と思われていたわけです、可哀想に…。私が見る限り、反抗期も、自ら挨拶をすることはなくても、父親から「ただいま」「おはよう」と言われれば、ぼそぼそっと小さな声でちゃんと挨拶していたんですよ。でも当人には聞こえいなかった…=言ってない、になっていたわけです。

私からは、私もなるべく聞こえるように声の大きさや近くに行って挨拶するなどの努力はするけれど、貴方も相手に対して「挨拶をしない」と決めつけるのではなく(それはちゃんと言っているのにとこっちもちょっと嫌な気持ちになると説明)、聞こえていない時どれくらいの距離や声で聞こえないのかを把握するためにも、これからは「おはよう」と1回言って聞こえていなかったら、「おはよう」ともう一度言ってくるのではなく、「今言った?」とか、確認する言い方にしてほしい。と伝えました。

アラフィフの私たち。少しずつ今まで通りにはいかなくなってくる人生の後半。何事もお互い確認し合ったり、伝え合ったりして分かり合おうとすること、そして相手をこうだと決めつけないこと、お互い労わりの気持ちを持つことの大事さを再認識した出来事でした。

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