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ボードゲーム考察:今後の市場と新規参入について

こんにちは

Sunnyです。



10月の終わり頃に起きた、ボードゲーム界隈での出来事を振り返りつつ、今後のボードゲーム市場について考えていきます

読む時間ない人は6のまとめ読んでください。



1、有名企業・団体・個人による参入

これは前から言われておりますが、ボードゲーム業界じゃない企業や団体や個人がボードゲーム業界へ参入するという、全体の流れが加速しています。

特にこれを感じたのが、ここ2ヶ月くらい。

例えばサッポロビール

ビール会社ならではの、ビールづくりを基にしたゲーム。

魅力がストレートですし、メッセージがわかりやすいですよね。

しかも、可愛いアートワークでミニマルにまとめられているのが好きです。


例えば、カヤック

アプリとかサービスで、面白いことをし続けているカヤックが参入しました。

麻雀系の役を揃えるゲームで、シンプルなアートワークが魅力的です。

ちなみに、カヤックはゲーム作りのプロトタイプをしやすくするアプリも発表しています。(色々問題あるみたいですが)


例えば、avex

これはavexが出した推しメンで争うカードゲーム。

説明書見て、普通にちゃんとしたゲームだ、、、、って思いました(失礼)


例えば、中田敦彦

中田敦彦が作った、ラブレターのようなゲーム。

ルールはほぼラブレター。そこに追加して、脱落が少なくなっている感じです。

とりあえず買いました。



とパッと書けるだけでも、こんだけ、知ってる企業や団体や個人がボードゲーム業界に参入しています。



2、市場の現状

上に書いたように大きく流れがきているのは目に見えています。

となると今後の市場はどうなるのか考えます。


上のような状況で、同人ボードゲーム製作者の考え方って2つあると思うんですよね。

A:新規顧客が入って盛り上がってきてる!

B:同人を圧迫している!

ポジティブな側面か、ネガティブな側面かという違いだと思いますが。


現状は、僕はAだと思っています。

なぜなら、上にあげたゲームのターゲットって、おそらくその企業や団体や個人のファン層がメインだと思うから。

プラスして、ライトユーザーがメインだと思うから。

つまり、今までボードゲームをやっていなかった勢が入ってきて、簡単に遊べるゲームを買っていくと。だから、本当に新規顧客が増えていると思っています。

となると、多種多様な同人ボードゲーム、それこそコンポーネントがユニークだったり、設定や世界観が一般企業では出せなかったり、みたいな作品も多い現状。

ターゲットがかぶることはないのかな?と思っています。

もしくはかぶってないというか、範囲が狭い。

だから、現状は、盛り上がっていて、緊迫した状況(競争が激化するなど)ではないのかなと思っています。


これについては、Youtuberのラファエルが似たようなことを言っていて

(他の動画でも言ってるけど)

「YouTube自体がまだ成長段階なので、プロの芸人が来てもパイの取り合いにならない」(youtubeにプロが入ってくる現状に対して)

この現状にとても似ているんだろうなと思います。




3、注意点

ただ、ここで押さえときたいのが彼ら(有名な企業や団体や個人)の特徴。

彼らは元々の資本や技術力やファンがあります。

企業の原則として、新規参入するには、ある程度の見込み(売上とか宣伝とか)があって入ってくるわけで、

となると、販売価格やゲームのクオリティ(パッケージ・システム含む)は、市場競争力のある製品を出してきます。

資本や技術力を使って。

しかも、中には中田敦彦のような「利益度外視」で、入ってくる人もいるわけで。

(これができるのは、結局元の資本力が高いからなんですけども)


となると、今までの既存顧客にも影響がもちろんあります。

同人のクオリティにも差があるのは承知のうえですが、それよりも安定したクオリティでゲームが断続的に出ていると

既存顧客の目が肥えていく=標準化する

というのは止められないだろうなと思います。

ただでさえ、昨今の同人ボードゲームが増えている中、既存顧客の目がシビアになってきている状況で、それが続けば、間違いなくその動きについていけない同人ボードゲームは淘汰されていくだろうなと思います。

クオリティの担保というのが、同人の課題なのかなと思います。

しかも、何がまずいって、同人の資本力はそんなにないので、クオリティの担保を行うために「工数をかける」「コンポーネント豪華にする」などを行うことも厳しい。

仮にかけたとしても、単価を抑えられず、販売価格があがれば、価格競争に負ける。

それに見合えば問題ないものの、それを見る目もどんどんシビアになっていく。

これが、現状の注意点なのかと考えています。



4、市場のこれから

じゃあ、これから、どうすればいいの?とか、どうなっていく?

というところ考えると。

同人ゲームもクオリティの担保するための動きが起こっていて、翔さんのフォアシュピールという大規模試遊会や、ボドゲーマのボドゲコンテストなど、色々イベントやムーブメントが起きています。

フォアシュピールは、同人のゲームの大規模試遊会です。

ゲームって結局遊ばないとわからないよね!という課題に、じゃあ試遊会しようというシンプルだけどめっっっちゃ大事なソリューションです。

これで、とりあえず買ってみるという購買者と、好きな人に遊んで欲しい製作者ミスマッチが防げるという流れです。

しかも、このイベントでは、「ボドゲ登竜門」というものがあり、

パブリッシャー向けにプレゼンをすることができます。これで、いわゆる販売者としての目線を入れることができる。販路を拡大するチャンス(自分のゲームを遊んでもらう機会を増やすチャンス)が与えられます。

ボドゲーマのボドゲコンテストも似たような形で、パブリッシャー向けにコンテストを開くというものです。

なので、同人界隈もより外に外にという動きが活発になってきています。

また、海外への販路(新規顧客の開拓)も広げようという動きが活発になってきています。

(ここでは、実際それが自分に合っているかどうかはさておく)



5、施策

現状とこれからを考えて、僕の施策をまとめると

・安価で高クオリティなコンポーネント作り

→発注先の広範化。分離発注の強化。海外発注。単価や粗利にこだわる姿勢。

・デザインリテラシーの強化

→UI/UXなど、他業界で当たり前となっているインターフェースを流用するなど、体験のクオリティの向上。

このあたりが特に重要なのかなぁと思います。

(ゲームシステムの高クオリティはもちろんだけど)


これがボードゲーム製作の中心かと言われればそうではないのですが、じゃあ作ったものどうするよ。という一歩先の話が割と広まっている印象です。



6、まとめ

同人ボードゲーム市場の現状は、有名企業などが入ることで新規顧客が増えている!
これからもその流れは止めれらない!
有名企業などの資本力・技術力が広範化し、ユーザーの見る目がシビアになる!
つまり、同人ボードゲーム製作者は、作りたいものだけ作る方式だと悲しい結果になる!
はたまた、同人でも海外の新規顧客の開拓や、パブリッシャーに向けたイベントが増えている!
ゲームの作り方やその表現方法、その広め方を考えていく時期が来た!

という感じでしょうか。


また、多分この記事は更新します。


よろしくどうぞ。

札幌出身、福岡育ち、東京住みのSunnyと申します。 働きながらボードゲームデザインをしています。いただいたご支援は、ボードゲームデザインに使わせていただきます。