自由にLEDを舞台照明として制御する方法 〜その2〜

前回、LEDを自由に制御できる基盤について紹介しました。(以下、装置とします)

というわけで具体例を取り出しながら、利用法を書いていきます。

ちなみに、飛ばして読むと、具体例が下に出てくるので、そちらもぜひ。

また、通販サイトではLED stripe用と書いていますが普通のLEDでもいけますのでご安心を。


で、具体例に入る前に基本的な利用法を書いておきます。どの例にも共通するお話です。

□用意するもの□

LED /装置/装置の電源/LEDと装置をつなぐ導線/PCもしくは照明卓/PCもしくは照明卓 と 装置をつなぐインターフェースやケーブル

□工程□
1、あらかじめLEDと装置につなぐための動線を半田付けしておきます。

2、LEDをおきたい場所の近くに基盤を置きます。

3、LEDを配置します。

4、装置を電源につなぎます。

5、LEDと装置をつなげます。

6、装置から、PCや照明卓にケーブルを這わせます。

7、必要に応じて、PCや照明卓で操作します。

以上です。

とりあえず、工程はこんなものです。これさえやれば、光ります。できます。

以下に詳細を書きます。


1、あらかじめLEDと装置につなぐための動線を半田付けしておきます。

ここは、半田付けする工程です。もう、ここは全力で丁寧に半田付けしましょう。

「半田付け コツ」などでググって、トライ&エラーです。これは、単に慣れとしか言いようがないです。

器用不器用の話もありますが、自分の中のコツを見つける他ないと思います。

がんがん半田付けしていきましょう。


2、LEDをおきたい場所の近くに基盤を置きます。

工程としての説明は一文で終わります。近すぎることに越したことはないですが、遠すぎると、コードの長さの問題が浮上します。(詳しくは4,5で書きます)

要は、「電源から装置までの距離」と「装置からLEDまでの距離」が一番都合がいい場所がいいですね。


3、LEDを配置します。

これも、詳しくは後ほど書きますが、貼るのか釣るのか、置くのか、によって配置するのに必要な道具(テープとか、ヒモとか)が変わるので、そこは臨機応変にいきましょう。ケースバイケースです。


4、装置を電源につなぎます。

ここが一つめのポイントですね。

コンセント(電源)と装置が必ずしも近くにあるわけではないと思うので、適切な長さの延長コードなどを用意しましょう。

また、必ず9V以上の電源を与えましょう。

この装置自体は24Vまでいけるので、24Vだとなおよしです。

ただ、24Vの電圧ケーブルってなかなか見ませんよね。そんな時は12Vのケーブルを2本利用しましょう。

この電圧がLEDの電圧に関わってくるので、しっかりと電源をとりましょう。


5、LEDと装置をつなげます。

ここが2つ目のポイントです。

2,3の工程で基盤とLEDの話をしましたが、その2つをつなぐケーブルがネックになってきます。

ケーブルっていうのは有限でお金もかかります。長ければ長いほど余裕があっていいですが、それは現実的に不可能なので、適切な長さにしなきゃいけません。

ここの見誤りをすると、足りねぇ!っていうことになりかねないので、しっかりと計測/判断をしましょう。こうとしか言いようがないですね。

コツを書くと、想定しているより長めに用意するほうがいいですね。ここケチってもいいっちゃいいんですが、ケーブルの長さが足りないっていう理由で頓挫しちゃうのは個人的にもったいないかなと思ってしまいます。


6、装置から、PCや照明卓にケーブルを這わせます。

俗に言うDMXケーブルというモノを這わせましょう。照明でよく使われるケーブルです。

這わせ方のコツは人によりますね、綺麗にいきましょう。

余裕があるといいですね。(ピンと張った状態だと、いざって時に移動させることが難しいので、ある程度余裕があるといいですね)


7、必要に応じて、PCや照明卓で操作します。

環境に依存しますね。卓の場合もあれば、PCの場合もあるでしょうし、MIDI Padの場合もあるでしょうし

インターフェースにもよるでしょうし、それは一般論として書くのが難しいので、使っている環境に合わせてください。

装置には、アドレスを指定する部分があるので、パッチしたい番号に合わせてください。


ざっくりと書いてみました。


続いて、具体例にいきます。

具体例

ライヴの美術にLEDを入れ込み、曲の雰囲気に合わせて光らせる、という形です。


おおまかな説明はこんなもので、これの注意事項いきますよ。

この時の一番の反省点は、装置の「適正電力」です。大抵の機械やケーブルに、「〜〜W(ワット)まで」っていう制限があるのと同じように、この装置にも「〜Wまで」という制限があります。(ちなみに、この「〜Wまで」っていうの、なんていうんですか?)

上に書いた工程のところを完璧にこなして「半田付け完璧」「コードも十分に余裕」「電源もしっかり取った」「綺麗に配線した」という状況であれ、「〜Wまで」という制限を超えた途端、全て付きません。挙動がおかしくなります。そりゃそうですね、適切な電流を与えきれてないのに、正常に動くはずがないんです。

なので、上の写真の2枚目の部分、実際は挙動がおかしくて使えませんでした。

というわけで、そんなことにならないよう、この装置の「適正電力」をみていきましょう。

電力(W)とか電圧(V)とか電流(I)とかは、理科のページを参照しましょう。

説明書には、

Input power : DC9V〜DC24V
Maximum power load : 720W(12V)〜1440W(24V)
Maximum load current : 2A/CH×30

と電気関連はこのように書いています。

「Input power」はこの装置の電源ですね。9V〜24Vまで取れると書いています。最低でも9Vは与えましょうということですね

その下の「Maximum power load」というのは許容電力のことですね。12Vで720Wまで使うことができます、24Vだとその倍の1440Wまで使うことができます、と書いています。

つまり9Vだと540Wですね。あえて12Vから書いているということは12Vを与える方がいいんじゃないかっていう深読みしてしまいます。

その下の「Maximum load current」は一つの口に対して2Aまでしか使えません、ということですね。

この装置には30個の口がついています。で、1つの口はこの緑の1個の入力する部分を指しています。

この3つの情報からわかることは

「12Vで使う場合だと、1つの口に対して24Wしか使えません」

ということになります。24Vだとその倍使えます。

これで、制限がなんとなくわかったところで、LEDにおける24Wってなんぼのもんさ?ってことになると思います。


例を出します。


LEDテープに関しては、ここのページが丁寧に書いているので、ここをかいつまんで話します。

>>つまり各LEDテープは、1ユニットあたり60mA、または40mAの電流が必要であることがわかりました。

LEDテープは5m単位です。1ユニットが5cmなので、5mは100ユニットになります。ここで、1ユニットが60mA=0.06Aなので、5mの消費電流は、100×0.06で、6Aになりますね。消費電力は12Vとすると、72W。

フルカラーLEDだと装置の3つの口(R,G,Bそれぞれ)を使うことになるので、合計して6Aと72W。

つまり、5mが限界ということですね。


これが結構大事で、大変なところですね。

以上で終わりです。

札幌出身、福岡育ち、東京住みのSunnyと申します。 働きながらボードゲームデザインをしています。いただいたご支援は、ボードゲームデザインに使わせていただきます。