2023年私的アイドル楽曲大賞

前年、前々年に続けて2023年のアイドルのマイベスト20をまとめてみた。

はじめに

基本ルールとして、今年中にシングル/アルバム等で公式にリリースされた楽曲がノミネートされています。
2年続けて上位にランクインしていたキスエクは、昨年〜今年に掛けて新曲をライブで多数発表したものの、いずれも音源化はされていないので今回は選考から漏れました。恐らくアルバムも出すであろう来年に期待…。

それと、ライブやTwitter等での情報収集には限界があった為、YouTubeで有志が纏めているアイドルソングプレイリストを定期的にチェックして、今回はその中から何曲か選りすぐってみた。でもやはり現場で見聞きした曲のほうが思い入れや衝撃も含めて上位に入りがち。

ちなみにそれらのプレイリストを見ると、最近のアイドルソングの傾向が見えてきて面白かった。
下に例を挙げると、

・AKB風(アップテンポでベタ王道系)
・坂道風(ミディアムテンポでマイナー調)
・ラウドル風(BPM速・シンセリフバリバリ)
・WACK風(パンク/ギターロック調・生音重視)
・ボカロ風(高速ピアノリフ等 例.YOASOBI)
・K-POP風(ゴリゴリのダンス/ボーカルが求められるのでアイドルでは少数派)


などが多数派として存在し、それらを基に個性的ないわゆる楽曲派と呼ばれる少数派のアイドルグループがしのぎを削っている印象だった。
ということで20位から順に貼っていこうと思う。私と好きな音楽の趣味やバックグラウンドが近い人は、少しでも興味が持てると思うので、良かったら軽く流すだけでも聴いてみてください。


20位
Onephony「想対論」

ex.まねきケチャの深瀬美桜プロデュースによるグループの楽曲。これは先述のYouTubeのプレイリストの中から発掘した。
往年のボカロのような性急なギターポップと云った雰囲気で懐かしさもある楽曲。

19位
REBEL REBEL「SUPER CHARGER」

大阪を拠点に活動しているレベレベのアルバム『TEN STORIES』の開幕を飾る楽曲。
80〜90年代リバイバル風のジャンルを志向したアルバムとなっているが、この曲はドラムンベースを軸にして90年代風のシンセが目まぐるしく鳴っていて新鮮。こういう昔懐かしいシンセの音は昔習っていたエレクトーンを思い出して懐かしくなる。

18位
黑黒「BLACK BURST」

姫事絶対値、チキブロと同じ事務所、McDog Worksに所属する新進気鋭のグループの1stシングル。
ラウド系の楽曲にプロデューサーのDAICHI氏のメロディセンスが光る名曲。

17位
んズ(SUMMER ROCKET)「Lonely Flight」

SUMMER ROCKETの小島あんずのソロ名義・んズによる楽曲。
イントロからガッツポーズしたくなるレベルのシューゲイザー曲。声質も相まって、サビになるとボカロのような高音になるのがちょっと面白い。

16位
ミレディ♡チャーム「FASHION♡HELP」

9DayzGlitchClubTokyoのプロデューサーであるクマ氏が提供した楽曲。
これもプレイリストから見つけた。ポストパンク風のジャキジャキとしたギターとポップな歌詞に90年代風のカラオケ映像が面白い。

15位
燎-kagari-「moon river」

以前対バンで観た時に偶然ハマった2人組の1曲。
90年代ヴィジュアル系のようなダークさと重さがかなり好きですね。他の曲もかなりおすすめ。

14位
I to U $CREAMing!!「ASTER」

アユスクのミニアルバム『Reve』の収録曲。HAMIDASYSTEM、クロスノエシス、リリスリバース等のコンポーザーで知られるsayshine氏が提供している。同氏の得意とする憂いを帯びたマイナー調のメロディが光る名曲。

13位
ブルーベリーソーダ「そよ風になれるなら」

これもプレイリストの中からたまたま見つけた楽曲。
マイナー調のアンニュイなイントロ、Aメロから、どんどん明るくなり転調するBメロ、サビで更に転調してメジャーセブンスで抑揚の無いメロディをかますという流れが堪らないものだった。メジャーセブンスのメロディというのが本当に自分の中でマスターピースとも言えるツボなんですよね。今回ランクインした他の曲にもそういった曲が何個かあるが、この曲が最もその要素を強く有している事は明らかでツボど真ん中だった。
大手タレント事務所の田辺エージェンシー、TBS、秋元康が手がけたグループということでゴリゴリの地上アイドルにつき、地下グループばかりのこのランキングに入れるかは悩んだが、それを無視するぐらい好きで何度もリピートしている曲だったのでランクインさせました、、笑

12位
キミと永遠に「バイバイ、また明日」

キミと永遠に(通称:キミトワ)が8月にリリースしたコンセプトミニアルバム『心の奥底に眠る空模様』の中の1曲。
アルバムのラストから1曲前の楽曲でミディアムバラード調の楽曲だが、こういうしっとりした楽曲で締めるタイプのアルバムも良いけど、少し余韻を残してリプライズ的にアップテンポ曲の「反論ジェネラリー」で締めるのがまた良いんですよね…。単曲だけでは無くフルで通して聴きたくなるアルバム。
年明けに初めてライブも観られるので楽しみ。

11位
Treble「Angelus aut Diabolus」

新宿Club Scienceなどを主に拠点として活動しているメタル系アイドルの楽曲。メロスピ系、デスメタル系など手広いサブジャンルを採り入れているが、これは近年のV系バンドの様なポップさも含めた名曲。ラスサビの転調は絶頂モノ。
リードボーカルの歌うまディーヴァの雨琉々まつりが先日卒業してしまったのが悔やまれる…。

10位
ハルカスミ「風、流るる」

ハチキュウと同じ事務所から今年デビューした4人組の楽曲。
リリースされた楽曲はどれも捨て曲が無く、かなり迷ったが、一番最初に発表されたアルバムの1曲目のこの曲にした。サビメロに和風な要素も見え隠れする王道ギターポップな1曲。

9位
藤咲凪(最終未来少女)「鬱鬱バッキュン!」

最終未来少女のメンバーのソロ楽曲。
往年の電波ソングの様な曲とアニメ声がかなりマッチしていて癖になる。自分のバックボーンに2000年代のアニソンというのが源流の1つとして存在するので、こういうのは大好きですね。TikTokでも流行っているらしい。知らんけど。

8位
リリスリバース「火花」

惜しくも7月に解散をしてしまったリリスリの、4月にリリースされたミニアルバム『TALE』の最後を飾る1曲。
寂しさを感じさせながらも爽やかな楽曲で、ラストライブでも終演後のエンドロールで流れた最期の楽曲となった。今思うと楽曲の発表時には解散は決まっていたのかと思うほど、ぴったりハマっていた気がする。
リリスリは正直言うと2022年末に脱退した推しメンが居なくなってから興味はやや薄れてしまっていたが、このミニアルバムはそういった補正を抜きにしてかなりの名盤だった。そんなミニアルバムのラストを飾る、珠玉の1曲である。

7位
CHICKEN BLOW THE IDOL「鑢話」

9月26日のZepp Shinjukuワンマンで初披露されたチキブロの新曲。
比較的抑揚の少ないメロディラインながら、静かなる激情を感じさせるような激しいパンクナンバー。ライブではダンスを一切廃して淡々と、しかしながら力強く唄うのがまた最高に格好良い。

6位
HiiT Factory「love the world」

今年デビューした4人組の楽曲。
90'sリバイバルというコンセプトの名のもと、小室哲哉プロデュースの楽曲のパロディとして作られた楽曲は、MVの映像も含めてH Jungle with tの「GOING GOING HOME」のモロにパロディ。笑

小室哲哉で音楽に目覚めた人間としては初めて映像を観た瞬間、正直ガッツポーズしてしまった。ちなみに開幕のラップパートのバックトラックは「WOW WAR TONIGHT〜時には起こせよムーヴメント〜」のリミックス版が元ネタであろう。

コンポーザーの石坂翔太氏は小室哲哉の門下生とも云えるミュージシャンらしく、付け焼き刃のパロディでは無い事は確か。
TK風コーラスのみが残されたインスト版もTKオタクとしては必聴です。

5位
群青の世界「ハイライト・トワイライト」

惜しくも今年末に活動を終了してしまった群青の世界(通称:アオセカ)のシングル。
冒頭に出てくるタイトルコールはサビの最後にクライマックスとして再び登場、イントロのフレーズが2サビの後にCメロとして歌メロで再び登場したり、ラスサビで半音上に転調、アウトロは短めにあっさりと終わる。無駄を削ぎ落とし、美メロを余す事無く活用した素晴らしい構成の楽曲だと思う。
00年代アニソンの様な疾走感溢れる名曲。

4位
夏澄萊世(SAZANAMi Λug.)「swim」

SAZANAMi Λug.のライちゃんのソロ楽曲。
前述のあんずちゃんの楽曲がオールドスクールなシューゲイザーなら、こちらは曲の全体で鳴っている強いエフェクトのアルペジオの雰囲気などに、2010年以降のニュースクールなシューゲイザーと云った趣を纏っている。歌詞、声質、映像も含めてあまりにも美しく纏まっている、もっと知られるべき名曲。

3位
棘-おどろ-「sicksick」

棘が4月にリリースしたEP『koko』の1曲。
グループとしてはやや異質なミディアムテンポのギターロック調だが、2000年代のロキノン感があって最高ですね…。
自分と同世代で同じような音楽を通ってきた人には絶対聴いてほしい名曲。

2位
雨上がりのプラネット「loop」

轟音ギターのオルタナティヴ・ロック調の楽曲をメインに歌唱しているグループのシングル曲。厳密には2022年リリースの楽曲だけど、今年3月にリリースされたアルバム『Mercury Departure』に収録されているし、これはガチの名盤で俺のApple Musicの再生回数では上位だし、シングル・アルバムとして発表された楽曲というルールは満たしているのでええやろ…。
この曲は強いリヴァーブ感のイントロと轟音ギターに美メロが光る名曲。この曲と「あてもなく進む船」のどちらかで悩んだが、こちらにした。
こちらも自分と同世代で、特に轟音ギターの音楽が好きな人にはかなりオススメです。もっと知られてほしいグループ。

1位
姫事絶対値「絶対値」


名曲です。俺の葬式では棺の前でこの曲を歌唱してほしい。
この曲に関しては思い入れがあまりにも強すぎた為に文章が長くなったので、別記事にしました。

最後に

いかがでしたか?(アフィブログか)
世の中には埋もれているアイドルソングが大量にあると思うので、この中から少しでも好みの曲が見つかれば幸いです。来年もどんな好みのアイドルソングが待ち受けているのか。非常に楽しみだ。

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