揺るがない黒

世の中に存在する様々な色
鮮やかな花の数々は大地を彩り
空や海も刻々とその色彩を変化させていく

雨上がりの空には極彩色の虹がアーチを描き
夏の夜空には鮮やかな花火が大輪の花を咲かせ

生活に根差した色もある
信号機の赤・黄・青
お気に入りのダッフルコートはキャメルブラウン
首元マフラーはニットの「ミュージアム」オレンジ
いつも切らさず冷蔵庫に入っているプチトマトの赤

時に色は季節をイメージできる
春の桜はパステルピンク
梅雨の時期にはパープルの紫陽花
日差しの強い夏にはひまわりがシャインイエローの大輪を
中秋の名月を祝うお団子は純白まんまる
晩秋には銀杏が鮮やかな黄に紅葉は燃える赤にそれぞれが主張する
冬の寒い日には暖炉の炎がオレンジ色に揺らめき外は一面の銀世界

本当に世界は千変万化
多種多様な色があふれ
この世界に奥行きを持たせる


人の心にも「色」はある


人懐っこい人　人見知りの人
自分に厳しい人　自分に甘い人
外交的な人　内向的な人
自分を肯定する人　自分を否定する人
素直な人　頑固な人
楽観的な人　悲観的な人
これらの色が複雑に混ざり合い「個人」を形成するのだと思う

じゃあ「私の色」は？
明るい色？
暗い色？
派手な？
地味な？
なんだろう？

色は混ざる度にどんどん暗く汚い色になっていく
全ての色を同量で混ぜれば「黒」だ
なにかと流されがちで優柔不断な私

周りの状況変化にも動じず揺るがない「黒」に、私はなりたい