もう半分の「わたし」

小さい頃に学校の先生から聞いたお話


むかしむかし神話の時代
人間は現在の人を背中合わせにくっつけたような
頭が2つ手足も4本ずつある姿だったというのです


その時代の人間には「男女」「男男」「女女」の
三つの性があったんだって


あるとき人間の勢力は、神々を脅かすにまでに至り
それを脅威に感じた神々は
人間を真っ二つに裂いてしまったというのです


男と女に分けられてしまった人間は
その時から寂しくて自分のもう半分を探して
一緒になりたいと思うようになったんだって


「男女」だった人は男性は女性を、女性は男性を
「男男」だった人は男性を
「女女」だった人は女性を
それぞれ求めて好きになるんだって


この話を聞いたときに少し驚いたのは
現代で言うところの「セクシャルマイノリティ」についても
ちゃんと触れているところです


男女で惹かれ合う人もいれば
男性同志、女性同士で惹かれ合う人もいる
その理由はかつて一つだった
自分の「もう半分」を求めているから


そうして自分の「もう半分」を探すことを
人は「恋」って呼んでいるんだね


自分の「もう半分」を見つけられたとき
人間はこの上ない幸せを感じことができるんだ


必ずいるよ、もう半分の「わたし」
必ずいるよ、もう半分の「あなた」


この世界のどこかにきっといて
今この時も一つに戻りたがってる

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