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リスク犯して里帰り☆みなし再入国の期限延長なし

先日、〇〇歳のお誕生日を日本は関西国際空港そばの日航ホテルにて強制隔離中に迎えました。

なんてスペシャルなお誕生日!! 隔離お弁当をシミジミと美味しくいただいておりました~!

それにしても何故この東京オリンピックで人の出入りが激しい時期、また感染拡大が見られる時に、わざわざ娘2人を連れて2年ぶりの里帰りとなったのか。

それにはそうせざるを得ない理由があったからなのですが、実のところ、この問題に関してかなり大きなストレスを抱えていました。

とても個人的な問題で、正直ほとんどの人にとってどうでも良い内容ですから言及するつもりはなかったのですが、もしかしたら参考にされる方がいらっしゃるかもしれない、と思い書くことにしました。

私の特別永住者という在留資格に関することですので、興味のない方はどうぞスルーしてくださいませ~♪

特別永住者とみなし再入国

日本で生まれ育った在日コリアン3世である私は韓国籍で、日本では特別永住者という在留資格保持者です。

私たちの娘二人も韓国籍とオランダ国籍をもち、かつ母親である私と同様、日本での特別永住者というステータスを持っています。

この特別永住者が日本を出入国する際には、再入国許可を入国管理局で申請する必要があり数次であれば6年(特別永住者の場合)が期限です。

ただ2012年から 「みなし再入国制度」 という新しい制度が始まりました。

これを利用すると、ある一定の条件を満たす限り、出入国において再入国許可を取る必要がないというものです。


某年某月、日本からオランダに戻る時の出国手続きのカウンターで係りの人が 「これだけ定期的に日本とオランダと行き来されているんでしたら、新しい制度のみなし再入国を利用されてもいいかもしれませんね。」 と仰いました。

それは何ですか?と聞くと

「特別永住者の場合は、日本を最後出国した日から2年以内に日本に入国するならば、再入国許可を取る必要なく、みなし再入国で入国ができる新しい制度です。」と説明してくださいました。


私とオットの間では、最低でも毎年1回は日本に帰る、という決まり事があったので2年も帰らないことはまずない。

「2年ですか~。」と言うと、「中長期の外国人在留者の場合は期限が3ヶ月~1年ですが、特別永住者は2年ありますから、入管に行かずとも入国できますよ。」とのことでした。

こりゃ便利だ!! 3人分のパスポートや再入国許可、在留カード、日本の運転免許証、オランダの運転免許証・・・色々な書類の期限を管理する手間が省けるのは確かだし、何より毎年間違いなく里帰りするんだもの。使ってみよう!とみなし再入国制度による日本の出入国が始まりました。

そして新型コロナウィルス発生

それ以降、里帰りするたびに入管のことが頭をかすめることもなく来たわけですが、ここに来てまさかの新型コロナウィルス!

昨年行くつもりでゲットした航空チケットはパンデミックによりキャンセル、当初は「あと1年あるし、冬ごろには収まるかな~」なんて思ってたけれどとんでもない!

12月からオランダは長いロックダウンに入り、日本行きどころの騒ぎじゃなくなりました。

となると気になるのは、次に日本に帰れるのはみなし再入国の期限を過ぎてしまう可能性が大いにある、ということです。

そしてその期限を過ぎてしまうと私や娘達が持っている 「特別永住権」 を失効することになるのです。

この前代未聞、恐らく世界中のほとんど人が想像していなかった新型コロナウィルスパンデミックという状況下、日本政府は 「みなし再入国」期限延長を検討するのでは、と約1年間、大使館や法務省、入国管理局、日本の市役所、、、に何度連絡を取ったことでしょう。

しかし日本政府としては 「みなし再入国の期限延長はなし」。

その理由としては、新型コロナウイルスの感染の影響により入国制限がある状態であっても、特別永住者については,審査の対象とならず上陸が拒否されることはないこと。

従って、みなし再入国許可期限内に入国できなかった【特別永住者】に関する救済措置は設けない、ということだったんですね。

もし期限内に帰ってこれず特別永住権を失効した場合、世界的なコロナ禍が収束したあと初めて日本に入国する際に、個別に事情を聴き対応していく、とのことでした。

「特別永住権」失効?!

と、そこから尽きない悩みが始まったわけで・・・

実家の父は肺に疾患があること。
子供達は義務教育があり夏休み以外まず日本には行けないこと。
しかし一度特別永住権を失うと、再度取得するのは非常に難しいこと。
私にオランダ国籍を取る予定はないこと。
子供達には将来、日本で生活/勉強する希望があること。etc,etc...

何をしていてもこの事がず~~~っと頭から離れなくて、状況が良くなるのを心待ちにしながら過ごしていた1年半だったと思います。

常に胸に重い塊がある感じ。ずーーーっとモヤモヤすっきりしないものを抱えているあの感じ。

で、1ヶ月ほど前。非常に言いにくいんですが、私、日程について重要な勘違いをしていたことに気づいたのです。

あれ?この期限、子供達が夏休みに入ってから切れるやん!え、どういうこと??!?!

それまでは夏休みに入る前に期限が切れてしまうから子供達は連れていけない。(←これは後々理由に出来る。)と思い込んでたんですね。

他にも懸念事は色々とあるんですが、この日程を間違ってた!てことに気づいたのがトリガーになって、悶々としていた気持ちが変わって、「もう、これは行けってことだ!行こう!チケット買おう!!」 となったのです。

マイノリティーだから情報が大切

このコロナ禍での日本行き準備はなかなか神経を使うことが多く、非常に消耗しました。

今は強制隔離を終え、実家にて自主隔離中ですが、とにかくこの経験を通して痛感したことは、「世の中何が起こるか分からない」。

私のような「例外」の立場にいる人も少なからずいるだろうし、そういう場合はやっぱり情報がとても大切ですが、マイノリティーが待っていても情報は向こうからやってきません。

正しい情報を取りに行き、働きかけることも大切だし、そもそも自分の在留資格のような基盤を脅かすリスクは犯さないのがベストですよね。

ということで、今後は 「みなし再入国」 で出入国するのはやめ、昔のように出入国在留管理庁に再入国許可の申請(数次)をしに行きます。

もし私のように海外住まいで「みなし再入国」で出入りされてる方がいらしたら、きっと同じようにハラハラされたりタイミング的にラッキーだったり、だと思いますが、恐らく再入国許可を取られた方が安心ですよね。

とはいえそれは分かっていても、日本に来れない事情がある方がいるのは簡単に予測できます。それらは個別対応ということですが、出来るだけ行けない理由の証明が可能なよう準備しておかれた方が良いでしょう。

それでも一定期間、宙ぶらりんの状態におかれるわけで、これはこれでかなりストレスと不安とつきあい続けなければなりません。


今回の日本行きの目的は、この再入国関連のこと。運転免許証切り替え(これも去年コロナ禍で帰れず期限切れ)。

2年ぶりに両親はじめ家族に会えるのは嬉しい以外のナニモノでもないですが、とにかく隔離が終わっても行動を慎んで安心安全に地味~に過ごし、無事オランダに帰れるようにすること。きっとオランダに戻るまでは気が抜けないんだろな~って思っています。

これまで日本で過ごしてきた夏休みとはまったく違う夏休みになりそうですが、今回の出来事を教訓にしっかりやることをする滞在にしようと思います。

それではまた~!


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