見出し画像

鼓膜に刻まれるtAtu

形の残らない芸術を人の記憶に残す

どうもご無沙汰しておりますスニフ村です。

忙しいとnote書く暇がなくなるタイプの人間ですすみません。

今回は初めての試みです。
とは言ってもアルバム1枚の感想を全曲通して書いていくだけです。

以前 Instagramのストーリーでやったことがあるのですが、あれはフォローしてくれている人のTLを荒らしてしまうだけなのでやめた方が良いなと思い、「そうだ!noteに書いちゃえばいいんだ!」と浮かびました。

そもそも僕がアルバムを丸ごと人に勧めたくなるというか、感想を言葉として、形として残したいと思うことが稀なのであまり頻繁にはやらないと思います。

でも、そう思わせてくれるアルバムに出会ってしまったのです。

では、今回感想を書いていくアルバムを紹介しましょう。


VaVa「VVARP」


僕の愛してやまないVaVaちゃんのニューアルバムです。
VaVaちゃんを知って、彼の音楽に魅了されてからずっと待ち望んでいたアルバム。

フルアルバムは約3年ぶりのリリースで、アルバムを通して彼の3年間をとても感じます。

本当にただの自己満で書いていきますが、このnoteがキッカケでVaVaちゃんの世界に引き込まれる人がいたら嬉しいです。

それではやっていきましょう。


曲について書く前に

さっさと本編入れってな。
愛が強すぎて書きたいことが多いんです許してください。

あくまで僕のイメージなんですけど、フルアルバムを出すとなっても、アルバムとアルバムの間はEPやシングルをリリースしていることが多く、その中から何曲かアルバムに入ることがあるんですね。

なのでVaVaちゃんの新しいアルバムの収録曲たちを見た時に驚きました。
「完全に新曲だけでアルバム…だと…!?」と。

でも、その分VaVaちゃんの3年間が実りのあるものだったんだなと嬉しくなった気持ちもあります。
母親目線みたいになってて草ですけども。

だからこそ、このアルバムから受ける衝撃が凄まじくて、筆を取ったというわけです。

是非ともこのnoteを読んでくれている人にもVaVaちゃんの3年間を感じていただければと思います。

やっと本編いきましょう。


1.Mugen

アルバムの1曲目としては申し分ないテンポとリリック。
この曲を聴いたあなたはしばらく「Mugen gen 大 Mugen大」と言ってしまう病気を患うでしょう。

なんといっても初音ミクの声でこのリリックが聴こえて来た時はブチ上がりましたね。

自分の人生に無限の可能性を感じたし、何よりアルバムの1曲目ということもあって、これから魅せられるVaVaちゃんの世界への楽しみが膨らみました。

VaVaちゃんが持つ、弱者に寄り添う心がリリックの端端から見えて、尚且つVaVaちゃん本人の弱さも見えて、その弱さをポジティブに捉える過程まで見えて、VaVaちゃんがこれまで築き上げてきたものを1曲目から早速感じられました。

そんなアルバムへの期待感の膨らむ1曲目。
Mugen。


2.In My Sight

この曲はhookが死ぬほど好きで、「your voice creates in my sight and you bringing night」というリリックがめちゃくちゃ僕は刺さりました。

僕は英語が苦手なのでGoogle翻訳さんにお願いしたところ、直訳すると「あなたの声が私の目に浮かび、あなたは夜をもたらす」となります。

ここからはあくまで僕の解釈ですが、この「あなたの声」というのはライブでの歓声なんじゃないかなと思いました。
ライブを大事にするVaVaちゃんにとって、ライブでの歓声が、彼の世界を作り出していて、そんな時間を過ごすといつの間にか夜になってしまう。

そんなファンに向けたメッセージにも感じられました。

そしてなにより制作陣が最高で、僕の愛してやまないJJJ氏に加えてDJ SCRATCH NICE氏にSatori Kobayashi氏という面々。

リリックに制作陣をさらっと登場させるところも粋で、VaVaちゃんのSUTEKIを感じられる1曲。
In My Sight。


3.夢のまた夢(feat. tofubeats)

鬼に金棒。
あくまで僕の中でですが、日本のHIPHOPシーンおいてオートチューンを最も巧みに使う2人はVaVaちゃんとtofubeatsさんだと思っているので、このタッグをまた聴けることを幸せに思います。

さらにこの曲はただのtofubeatsさんとのfeat曲ではないんです。
prod.がなんとZot On the Wave氏。

少し前にリリースされたfuji taitoくんとの楽曲「crayon」が大きな反響を呼んでいるトラックメイカーがこの2人に加わるってなんて贅沢なんでしょう。

また、リリックの中でVaVaちゃんが成し遂げてきたことも、当たり前の日常も、実は全部夢のまた夢で、日々は小さな幸せの連続なんだなと改めて気付かされました。

あとtofuさんがラップクソ上手い。

Zot氏らしいテクニカルなトラックにVaVaちゃんとtofuさんのオートチューンが上手くマッチしていて、「これは後世に語り継がれるべき名曲だろう」と感じさせられる1曲。
夢のまた夢(feat. tofubeats)


4.tAtu

このアルバムの中で唯一先行で配信された楽曲。

昨年のフジロックにSummitが出演した際、VaVaちゃんやJUBEEくん込みの「Theme Song」をやっていたのですが、その時のVaVaちゃんのリリックに「忘れられねぇ記憶を鼓膜に彫っていくタトゥー Summit vibes」というフレーズがありまして、VaVaちゃんの中で音楽をタトゥーと捉えているということがとても素敵だなと僕は感じていました。

その上でこの楽曲を聴くと、「俺にとっちゃ俺の音楽がtAtu」「俺のtAtu musicだからIdentity」というフレーズがhookやverseに散りばめられていて、僕の解釈は間違ってなかった!と嬉しくなってしまいました。

昨年から密かにVaVaちゃんが伏線を張っていたみたいに感じてなんだかめちゃくちゃ感激したことも記憶に新しいです。

音楽家にとって、自分の作品は一度世に出せば2度と完全には消せないタトゥーと近いことも納得がいきますし、だからこそダサいものは作らないし、作れない。
何気なく聴いて上がってるその曲も、そんな覚悟が込められていると考えると、よりその楽曲への愛が深まりますよね。

音楽という明確な形のない芸術を、身体に彫られたタトゥーが消えないように、人の記憶に、聴覚に消えない音楽を刻んでいきたいというVaVaちゃんの覚悟を感じる1曲。
tAtu


5.Type

弾むようなリズミカルでアップテンポなビートに軽快なラップの乗った楽曲。

ポップな雰囲気でも、VaVaちゃん独特のオートチューンと、リリックが相まってVaVaちゃんにしか出せない世界観に仕上がってます。

シンプルに踊るも良いですが、リリックをじっくり聴いてみると「My Job 履歴書に書こう Type BeatのTypeであること それがなりたかった仕事」や「歴史が今のmille-feuilleなら 過去ごと飲むBiteなtype」と言葉としての面白さを随所に感じられるため、聴き心地に"あぁVaVaちゃんだなぁ"という安心感が生まれてるんじゃないかなと思います。

あとちなみに僕のDigがたりてないのは重々承知なんですけど、もしこのトラックも誰かのType Beatだったらめちゃくちゃ熱いですよね。

そんな安心感で心を軽くしてくれる1曲。
Type


6.Reloadin'

正直僕はVaVaちゃんの楽曲ではノリノリで聴いてる中で突如飛び込んでくる圧倒的なリリックに衝撃を受けることが多いです。

ただこの楽曲はゆったりとリリックを聴いていても、ハッとさせられるようなフレーズが散りばめられていて、VaVaちゃんのリリックの魅力を感じるのにはピッタリだと感じています。

いきなり「どんな不幸を吸っても吐く息だけは感謝でありますように」ととんでもなく考えさせられるフレーズが飛び込んできたと思えば「チー牛レペゼン」や「ディスク1か2の人生」といったVaVaちゃんの楽曲くらいでしか聴かないであろう新鮮な言葉が随所に見られることで、VaVaちゃんのハッとさせられるような言葉が光り、新鮮な言葉によって耳触りが良く感じられてるんじゃないかなと感じました。

この言葉の感覚がVaVaちゃんを僕が唯一無二と感じる所以であり、リリックに引き込まれていく要因なんだと思います。

多分さらに聴けば聴くほど面白く、言葉の深さに様々な事を考えさせられるんでしょうが、これ以上深掘りすると歌詞がすごいnote並になってしまうのでこの辺にしておきます。

VaVaちゃん独自の言葉の感覚でリリックに魅力されるそんな1曲。
Reloadin'




いかがだったでしょうか。
あれ?アルバム収録曲少なくね?と思ったそこの貴方。正解です。
これで半分です。

書いてて「あれ?このままいったら分量えげつないことにならねぇか?」と思ったので急遽このnoteは前編だったことにしました。

後編も着手しているので、1週間くらいで出せたらいいなあなんて思ってます。

こんなに書きたくなるアルバムに出会えたことを幸せだなあと思いましたが、そんな感情は後編まで取っておこうと思います。

後編が出るまでは以前書いたVaVaちゃんの歌詞がすごいnoteを読んでくれると嬉しいです。


それではみなさん良い音楽を。
あ、VaVaちゃんのワンマン行きたかったなあ。

スニフ村

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?