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スニフ村的歌詞がすごい曲その2"つよがりのゆくえ"

強さとは弱さとは

どうもスニフ村です。

前回の投稿を書き切ってすぐにこの記事を書いてます。
このスピード感を習慣にしていきたいです。えらい。

毎回前置きに時間を割きすぎてるので今回はササっと本編いこうと思います。レッツゴ。


VaVa「つよがりのゆくえ」



僕の愛してやまないVaVaちゃんの大好きな1曲「つよがりのゆくえ」

ラッパーというと、攻撃的なリリックや、派手なイメージがあるかと思います。
VaVaちゃんはそういったラッパーのイメージとは相対する優しいリリック、自分の弱い部分を隠さない曲が多いと思います。

そんなVaVaちゃんの隠さぬ等身大な歌詞を全面的に感じられるのがこの「つよがりのゆくえ」という曲です。

前回は歌詞の一部を抽出して書いていきましたが、今回は歌詞全体を通して書いていきます。


まずこの曲のアルバムの立ち位置からおさらいしたいのですが、この曲はアルバムの11曲目になり、この曲の前に「ロトのように」という「勇敢でありたい」と唱え続ける曲があることを念頭に置いていただきたいです。

その上で「綺麗な話ばかりじゃないや 辛い思いさせた奴忘れないや お前と同じで楽しくしたいや それだけなんだきっと 呟いてるフォロワー0人のアカウントでまた呟いてる なんだかんだ他傷つけたくないし ただ普通に暮らしていたい毎日 どうしよ同士よどうしよ 頼るものも周りにないけど どうしよどうしよどうしよ 強がるしか今はないってよ みんな怖いものずっと恐れてる みんな弱いものがいると安心なんて斬新な世界は僕がぶっ壊してやる」という歌詞からこの曲は始まります。

これは恐らく過去の話。
カーストとかヒエラルキーのある世界。
綺麗な話ばかりじゃないや 辛い思いさせた奴忘れないや お前と同じで楽しくしたいや それだけなんだきっと」美談ばかりじゃない昔話、辛い思いをさせてきた奴を忘れていないよ。
過去の話だから断定は出来ないけど、そんなお前と同じで僕も楽しくしたかっただけそれだけ。
という形で今の状況から昔の記憶を想起します。


ここからは過去の回想「呟いてるフォロワー0人のアカウントでまた呟いてる なんだかんだ他傷つけたくないし ただ普通に暮らしていたい毎日
そんな時フォロワー0人のアカウントで毒を吐く。
辛い思いさせた奴相手でも傷つけたくない、はたまたそんな勇気すらないだけかも。
こんなことせずとも普通に暮らしたいだけだった。

ここの、誰も傷つけたくないからフォロワー0人のアカウントで呟くって所はVaVaちゃんの根底にある優しさが滲み出ていてとても好きな部分ですし、誰しもTwitterなり、 Instagramなりで仲の良い友人だけや、友人にフォローされていない「裏アカ」なるものを持っていたことがあったり、今現在持っていると思います。僕もその1人。
そういった所で毒を吐くことは、誰かを傷つけているわけではない(もちろん誹謗中傷や悪口は論外)言いたいことの言えないこんな世の中で、自分の気持ちを吐露する唯一の場所にしていいんだよ肯定されているようにも感じます。

あまり表立って良いものとは言われない裏アカなるものをこうやって「俺もそうだからしゃーないよ」くらいの感覚で肯定してくれるのがVaVaちゃんの粋なところですよね。

そして「どうしよ同士よどうしよ 頼るものも周りにないけど どうしよどうしよどうしよ 強がるしか今はないってよ みんな怖いものずっと恐れてる みんな弱いものがいると安心なんて斬新な世界は僕がぶっ壊してやる」と続きます。

ここで大好きなのが「どうしよ」と「同士よ」と同音異義語を巧みに使うポイントです。
いきなり曲を聴くだけではわからない、歌詞を見たからわかる言葉。
ただ「どうしよ」と喚いてるだけでなく、曲を聴く人を「同士」もしくは実際に周りにいる似た境遇の「同士」に問いかける。
こんな「同士」と言っても頼れるものはいないけど、もう強がるしかないんだよだから精一杯の強がりで「みんな弱いものがいると安心なんて斬新な世界は僕がぶっ壊してやる」と宣言する。

これが今のVaVaちゃんの望む世界というか、曲を通じて変えていきたいことの意思表示とも取れるのが最高に優しさを感じて好きです


そしてhook「ところで つよがりのゆくえ 弱い者探すのが上手いね つよがりのゆくえ 嫌われることなんて必要ないのにね つよがりのゆくえ あいつらには今負けないぜ つよがりのゆくえ 気づきゃ大切な友達です」に続きます。

「こんな世界変えてやる」と意気込んだものの、ところでその頃のつよがりはどうなったのでしょうか。
「弱い者探すのが上手いね」「嫌われることなんて必要ないのにね」と捻くれて、「あいつらには今負けないぜ」とまた強がって、「気づきゃ大切な友達です」そんな強がりも気づいたら今では僕の大切な友達です。
そんな風に聞こえます。

この頃が学生時代なのか、いつなのかはわかりませんが、この頃のVaVaちゃんにとって強がりが寄り添ってくれて、強がっているVaVaちゃんも今考えれば大切な友達だって気付いたんだと僕は思います。
昔の強がっている自分を好きになる。
簡単なように見えてすごく難しい事だと思います。

綺麗な話ばかりじゃないと振り返っている過去だからこそ余計にこう捉えられるのは、この頃のVaVaちゃんに、今のVaVaちゃんが助けられた部分もあるんだろうなと思うと、少し昔のダサい自分を好きになれそうになります。素敵やん。


そして「強がり報われた頃に 作ってる小さなスペースコロニー なんとなく居るあの子も同じで
笑っていたいだけよ 強がりによる痛み消えない 俺もその一人で忘れない でもしまってばっかじゃ良くないから 強がりを弱さに変える時 不思議だね ふと力んでいた 関係柔らかくなるなんて 不思議だね ふと思い出して ムカついた気持ちを他に投げる でも他には当てないぜ のけものにされても強くなるぜ でもその過去消せないぜ 周りに迷惑をかけたくないだけ
」2バース目に続きます。

これは1バース目の続き。
強がり報われた頃に 作ってる小さなスペースコロニー なんとなく居るあの子も同じで
笑っていたいだけよ

スペースコロニーとは、宇宙空間に作られる人工居住地のことで、ここでは架空の居場所として表現されていると思います。
強がりが報われたのか、気が付けば似た考えを持った同士ができていて、少し居心地の良い居場所ができた。
こんな居場所になんとなくいるあの子も僕と同じで、虐げられるのではなくただ笑っていたいだけ。
そんな風に聴こえます。


ここからはまた現在に戻り、「強がりによる痛み消えない 俺もその一人で忘れない でもしまってばっかじゃ良くないから 強がりを弱さに変える時 不思議だね ふと力んでいた 関係柔らかくなるなんて 不思議だね ふと思い出して ムカついた気持ちを他に投げる でも他には当てないぜ のけものにされても強くなるぜ でもその過去消せないぜ 周りに迷惑をかけたくないだけ
過去に強がった分の痛みは癒えなくて、みんなそうだと思うけどVaVaちゃんも同じだよと伝えてくれているように感じます。
でもその痛みを心にしまってばっかりじゃ良くないから、発想の転換で過去の「強がり」を「弱さ」に変えた時、力んで向こうを睨んでいるような間柄が、柔らかくなった。
これは「過去の自分が強がっている」のではなくて、「過去の自分が弱かったところ」と捉え方を変えただけで、憎いと思った相手が悪かったのではなくて、自分が弱さから目を背けていただけなんじゃないかと気づけていると考えられます。
そうすることによって、敵対心と言った感覚が消え、少し柔らかいあくまで他人へと対称の評価が変わるんです。
よって、相手にムカついていた感情のベクトルが自分の弱さに向いていきます。
なので「ムカついた気持ちを他に投げる でも他には当てないぜ」というリリックに繋がるんだと思います。
他には当てないと言う事は当てるのは自分だったりその時の環境で、あくまで人は悪くないんだと気付いてるように見えます。
そして、のけものにされた過去はあるけど、その弱さを受け入れて強くなる。だって周りに迷惑はかけたくないから。
と、締めるんですね。

1バース目から一気にVaVaちゃんの心境に変化が生じている事が、歌詞を見ずに曲を聴いていてもわかります。

そしてまたhookに戻る。
そうすると不思議と聴こえ方が変わるんです。
もしかすると最後の「今では大切な友達です」というリリックは、関係が柔らかくなった事で辛い思いをさせてきた奴らと友達になれたんじゃないかと。
VaVaちゃんはこのアルバムのインタビューでこんな風に話している部分があります。
変なプライドで強がって仲間を見ることもなくなって。ちゃんと見れるようになったからこそ、トゲとか野望の使い方が変わったって感じですかね
この曲についても「中学時代の、いじめられてて楽しくなかった頃の話をしてますし。」と話しているので、正直真相は分かりません。

ただ1つ言えることは、VaVaちゃんがこの中学時代を振り返って、トゲや野望の使い方が変わったんだろうということはこの曲から感じ取れるということです。

歌詞の捉え方に正解なんてないですし、僕は色んな解があって考察の余地がある曲が大好きなので、正直これくらい不透明な方が聴いていて楽しいです。
だから音楽って、歌詞って面白いんだと思います。



いかがったでしょうか。
歌詞全てについて書くとこんな分量になりました。
読みづらいと思いますすみません。
その辺に関しては、少しずつ改良していこうと思いますの多めに見てやってください。愛が溢れちゃうんです。
改めて「VVORLD」というアルバムを聴いて、良さをまた実感できたので、VaVaちゃん最高って感じです。
またVaVaちゃんの曲を紹介しようと思います。

それと、余談になるんですが、前回の記事をある音楽好きの友人に読んでもらったところ、花言葉やインタビューまで予習してから読んで、感想を伝えてくれて、とても感動したと同時に、自分自身の稚拙さを感じました。
言い訳に聞こえるかもしれないのですが、僕はこの記事を書くことにおいて、曲を、歌詞を聴いてダイレクトに感じた事を書いています。
それが音楽を聴いた時の第一印象であり、その場にある言葉と音を感じた感想になるからです。
ただ、こうやって曲を紹介する気あたって、バックボーンを知る必要はあると思いました。
なので、ある程度書き切ってからインタビューを読んで、それを読んだ上での感想も軽くですが付け加えています。
こうやって人に助けられて記事を良くすることができて、音楽をそしてら歌詞をより好きになりました。
気づかせてくれたある人には感謝しかありません。ありがとうございました。

と、まあ余談はこの辺にして終わりにしようと思います。
長々と読んでいただきありがとうございました。
また来週、できれば投稿します。

それではみなさん良い音楽を。

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