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スニフ村的歌詞がすごい曲その1"アネモネの咲く春に"

音と言葉


拝啓 どうもスニフ村です。

書きたいテーマはたくさんあっても書き切れない病気にかかっています。
多分脳内の構成を帰結させる能力が低すぎるんですよね乙です。

そんなこんなな状況なので短めな文章でずっとやりたかったことを書いていこうと思います。

題して「スニフ村が選ぶこの歌詞がすごい!」

僕は音楽が好きなんですが、正直言って細かいコード進行とか、メロディとかほとんど知識がないんですよね。
なので「シンプルに音が好き」とか、「このメロディいいなあ」とかフィーリングで音楽を聴くことが多いんですね。

そんな僕がフィーリングだけでなく、「ああ、、、いいなあ、、」と音楽を聴いていて思うのが”歌詞”なんですね。
音楽の専門的知識のない僕でも曲の良さを感じることができるのが歌詞ということは、誰でも歌詞について考えたり、良さを言語化したりできるんじゃないかと思ったんですね。

正直この題材についてはずっと何かしらの形で表に出したくて、どうやってやろうか悩んでいたところなのでnote始めてよかったなあなんて思います。

できれば週1くらいで更新できたらいいなと思ってるので3週坊主にならないよう温かい目で見守ってやってください。

ルールは簡単。私スニフ村が独断と偏見で良いな、凄いなと思った歌詞を紹介していくだけです。

なので紹介された曲を知っていたり好きだった場合は「私はこんな風に聴こえたよ!」とかアクションを起こしてくれると嬉しいですし、知らなかった場合は時間に余裕があるときに聴いてみてよかったら感想とか聞かせてくれるととても嬉しいです。

相変わらず前置きが長い。さっさと始めていきましょう。


ASIAN KUNG-FU GENERATION「アネモネの咲く春に」



僕の人生に多大な影響を与えてくれたASIAN KUNG-FU GENERATION(以下アジカン)の最も好きな曲「アネモネの咲く春に」

今まで生きてきて
拝啓 冬の朝 白いため息たちよ 綴るべき言葉などどこかにあるのでしょうか 相応しいメロディも探し歩き回って 未だ辿り着けてないです
という歌詞を超える曲の入りを知りません。

この曲を最も聞いてたのは高校2〜3年生の時だった思いますが、そんなティーン真っ盛りの僕にも刺さる歌詞をかける後藤さんは本当に凄いと思います。

この曲は入りもさることながら全体の構成が本当に緻密で繊細で大好きです。
サビ以外はすべて「拝啓」で始まり「敬具」で終える。
そして必ず歌詞に「君」というフレーズが入る。まるで誰かへ向けた手紙かのような形で曲が構築されていきます。

中でも僕の好きな歌詞は
拝啓 愛する家族や友人達よ 有識者曰く混沌とした時代になりましたが この宇宙の源泉は混沌だそうで 今更なことではないようです どうしようもなく ただ塞ぎ込む夜に 皮肉だけを綴る僕の悪癖を許して いつかまた君と会う日を願う コーヒーは今日も苦いです 敬具

これは明らかに伝えたい相手が決まっていて、冒頭にもある「愛する家族や友人達」になります。
でも最後には「いつかまた君と会う日を願う」と対称が1人に変化する。
この変化は本当に繊細で、「愛する家族や友人達」ではあるけどもそう言った肩書きがなくとも「君」に会う日を願っていますという気持ちが表れているんですよね。
なんて尊いんだ後藤さんや。

さらに続く歌詞「有識者曰く混沌とした時代になりましたが この宇宙の源泉は混沌だそうで 今更なことではないようです」は情報が錯綜してどんどん世の中が難しくなっていく様を表していて、でもこの世界の始まりもカオスだからあんま昔と変わらないんだねと言ってくれてるように感じるんですよね。

この曲が作られた時は3.11の後の後藤さんの心情とかも書かれてるそうなのでその頃の沈んだ状況も含まれていると考えると本当に凄いなあと思います。
今聴くとコロナ禍の状況も相まってこの歌詞の聴こえ方がまた違って、コロナ禍になってこんなにもカオスになったけど人って本来これくらいのカオスさを持ち合わせていてそれがこの状況で明るみになっただけなんだなとも捉えられます。
10年近く前の曲がこうして今にも知見を与えるって本当音楽って最高だなと感じます。


そしてここからが特に好きな歌詞で「どうしようもなく ただ塞ぎ込む夜に 皮肉だけを綴る僕の悪癖を許して いつかまた君と会う日を願う コーヒーは今日も苦いです 敬具
ここでいう「皮肉」はこの歌詞までに出てくる表現に随所に表れていて、例えば「ヒトに似た猿たちよ」や「冬の朝 白いため息たちよ 綴るべき言葉などどこかにあるのでしょうか」といった少し捻くれた言い回し。
思ったことをストレートではなく、少し皮肉を交えて表現してしまうこんな悪い癖を許してくださいということになりますよね。
ここでまた1つ面白いのが、この歌詞によって、ここまで綴られてきた「拝啓」から「敬具」の歌詞は一貫して、ある相手に向けて綴られていることが分かります。
あら面白い。

そして「いつかまた君と会う日を願う」君に会いたいけれど、今は会えないからこうして言葉を綴って会う日を願っているよ。「コーヒーは今日も苦いです 敬具」といった流れになるのですが、この「コーヒーは今日も苦いです」ってフレーズが入るのが本当に好きなんですよね。
どういうことかというと、このフレーズ1つで「こっちは何も変わってないよ」「元気だよ」と伝えていることになるんですよ。
なんて思慮深い表現!
「相変わらずコーヒーは苦いよだから君も元気でね。」そんな風に聴こえるんですよね。
あくまで僕の捉え方なのでそうとは限らないんですが、この表現の仕方が本当にお洒落で大好きなんです。
あー最高。


こんな風に歌詞の一部を切り取ってもこんなにも表現に幅があって、含みを持たせている。それでいて聴きやすい。それがアジカンの魅力だと僕は思っています。


いかがだったでしょうか。
完全に僕の趣味全開なので考えすぎだったりする点もあるかと思いますが、こうして考えて表現の多彩さや繊細さに浸れるのも歌詞をじっくりと聴く楽しさの1つだと考えています。

最近寒くなってきましたし、そろそろ朝には白いため息が出る時期になりましたね。
是非これを機に「アネモネの咲く春に」聴いてみてください。

感想や歌詞についてもアクションくれると嬉しいです。
Twitterも始めたので覗いてみてね。

それでは皆さん良い音楽を。

あ、そうそう最後に最近久しぶりにビールを飲んだんですが、相変わらず苦かったです。

敬具

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