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スニフ村的歌詞がすごい曲その5"climb"

人生山あり谷あり

どうもスニフ村です。
前回は自分の中でも正直渾身の1作でした。
なんなら怜央くん本人にも読んでもらって「面白かった」と言ってもらいました。自慢です。
孫の代まで語り継ごうと思います。


今回は、前回予告にも書いたようにバンドの楽曲でやっていこうかなと思います。

僕の青春を彩ったバンドです。
さて、音楽を聴きましょう。
やっていきます。


04Limited Sazabys「climb」



僕の高校生時代を彩った青春真っ盛りメロコアバンド名古屋04Limitem Sazabysの中でもかなり好きな1曲です。

【曲全体を聴いての感想】
この曲を凄いなと感じたのは、アルバムに収録されていた名古屋04Limited Sazabys(以下フォーリミ)主催の音楽フェス「YONFES」のダイジェスト映像のエンドロールで流れてきた時でした。

その時に「あぁフォーリミはこんな気持ちでYONFESを開催したんだなあ」としみじみ感じたことを今でも覚えています。

フォーリミのフェスに懸ける思いだったり、これまでの苦悩だったりをたったこの2分半程度で表現できるのか、とロックバンドの可能性を感じました。

「climb」という曲名も、まだまだ登って行くという意思表示が見えて、2016年の楽曲ですが、これからのフォーリミが楽しみにもなりました。

そんなフォーリミの思いや、可能性を感じる楽曲を紐解いていきましょう。



【圧倒的上昇志向】
正直この言葉に尽きます。
ド頭からこの曲の核になりえるサビ
もっともっと行ってみる? 何処まで見てみる? ここまで来たなら信じなきゃな もっともっと聴いてみる? 扉開ける音 高く飛ぶための音色

恐らくこの曲ができた時、フォーリミはYONFESの開催を確実にしていたと思うんです。
1つの目標であった地元でのフェス開催というチェックポイントを過ぎた時に、何を思ったのか。
それがこのサビに全て込められていると思います。

誰でも何か目標を1つの達成した時、次なる目標を見据えようと思うはずです。
でも、ここまで来た喜びも噛み締めたい。
人間は貪欲で、いくら成し遂げてもさらに成し遂げたいものが生まれる生物だと思っています。
世界1になったスポーツ選手がさらに自分自身の記録を塗り替えようと努力するように。

そういった意味も込めつつ、フォーリミというバンドは音楽で高みを目指して行く所をしっかりと「音色」という言葉を使って表現して行く。

「そんな扉を開ける音は自分達が奏でるから、この曲を聴いて上へと登ろうよ」と言っているようにも聞こえるのがGENくんの優しさや暖かさを表していてとても素敵です。


【挫折のない人生などない】
ただ、登る過程はそこまで甘い道のりではありません。
拝啓 不安定な自信喪失皆無ルーキー 吐いて捨てるほどの有能 無理 不利 才能 なんて僻んじゃうな 情けない 不甲斐ない 悔しくて泣きそう 死にたくなるほど 負けたくないから 喉が震えだして 歌になる

どれだけの人間が、「自信」を持っているでしょう。
「自分を信じる」なんてめちゃくちゃ難しいと思います。

そんな「自分が信じていたもの」が簡単に打ち砕かれた時、人は何を思うでしょう。
世に才能のある人間は溢れていて、自分が誰かより優れている点なんてまるでないんじゃないかと思ってしまいます。

諦めるのか、それでも続けるのか、成功までの道のりにこの別れ道は必ずあるはずです。
フォーリミは、GENくんは圧倒的な才能を目の前にして、僻んで、そんな自分が情けなくて、不甲斐なくて、だから負けたくない。と決意を決めたんだと思います。

こんなに短い一節に挫折と決意が入り混じっているんです。
それに、こういった挫折は生きていると必ずと言っていいほどする経験だと思います。
だからGENくんは歌にして、聴く人を挫折から、決意へと導こうとしているんだと感じました。

喉が震えだして 歌になる
人は泣く時に声が震えます。
その震えが歌になる。

あるようでなかった発想。
悔しい気持ちが歌になったというGENくんのバンドマンとしての信念すら感じられるこのフレーズが大好きです。


そして歌詞はまたサビへと繋がります。
サビの後は
生きたくなるような とどめのメロディ どうしてこの声は 歌えない 届けられない
という歌詞が入ります。

この「生きたくなる」は「行きたくなる」とも捉えられて、どん底にいても生きようと思えて、さらに上に行こうとも思えるそんなメロディ。
それはある意味「とどめ」なんです。

あえてここで「とどめ」という言葉を使ったのは、情けない自分・不甲斐ない自分にとどめを刺し、新たな歩みを始めて行くという意味で使ったのではないかと僕は思います。

そして、情けない・不甲斐ない状況にいるこの曲を聴いた人にもとどめを刺したい。
そんなメロディを奏でたい歌いたい

でも有名になって聴く人が増えないとそんな歌を届けられない。
そんな葛藤も見え隠れしています。


そして「もっともっと沈んでみる? 底まで見てみる ここまで来て引き返せないから もっともっと沈んでみる? きっと必要な助走 さあ高く今飛び立て
とサビと同じリズムで繰り出します。

「人生山あり谷あり」なんて言いますが、生涯ずっと登り続けていく人なんていないと思います。
必ずどこかで挫折や失敗を経験して、もうどうしようもないドン底に叩き落とされる。

そんな経験を助走とGENくんは肯定しています。

失敗や、挫折を肯定してくれる人がいるだけで、ドン底にいてもここから頑張ろうって気になれますよね。

それによく言うもんです。
落ちる時はトコトン落ちて、そこを見ればもう上がるしかない。
その上がる幅は、落ちた分だけ大きくなります。

それを助走と比喩したのが本当に素晴らしくて、この比喩だけで前向きになれるんですよね。

そんな人を前向きにする歌詞を、情けなくて、不甲斐なくて、悔しくて泣きそうな人が、喉を震わせて歌ってくれているんです。
なんだか頑張ろうって気になりますよね。

【だからまだまだ登る】
そして曲はまたサビに移ります。
もっともっと行ってみる? 何処まで見てみる ここまで来たなら信じなきゃな もっともっと聴いてみる? 扉開ける音 高く飛ぶための音色 今飛び立てよ 飛び立てよ

なんだかサビの聴こえ方が最初と変わりませんか?
GENさんの決意が背中を押してくれているようには感じませんか?

よくプレゼンなどで結論を先に話すと良いと聞きます。
結論を先に話すことで受け手に話の軸を意識させ、細かい解説を聞いた後にまた結論を聞くと、より説得力が増すのですが、この曲でも同じことが起きていると言えます。

サビを最初に置くことで、決意を歌っていると意識させ、その過程に挫折やこの曲の持つ意味を謳うことで、最後のサビがより響く。
さまざまな楽曲でも同じ様にサビを最初に置く構成がみられますが、僕は特にこの曲のこの構成が好きです。

単純にファンだからという理由もありますが、プラスなサビを、よりプラスにするという点が僕にとっては本当に素敵で素晴らしいと感じるのです。

この曲を聴くと、自分が良くない時期でも、良い時期でも前向きになって頑張ろうと思える。
GENくんの届けたいことがしっかり届いているなあとしみじみ感じます。
クソな時代ですけど、みんなで前向いて行けるところまで行きましょう。


【最後に】
いかがったでしょうか。
前回は若干ネガティブで少し暗めの楽曲だったので今回は明るく前向きな楽曲にしてみました。

GENくんはライブでもよく、歌う曲に込めた意味や思いをMCで話してくれます。
僕はそれが自分の曲の解釈の答え合わせのようでとても好きで、ライブに行く1つの理由となっています。

ダイブもモッシュも、このご時世でできなくなった事で、よりGENくんの歌詞を、歌を鮮明に聴くことができるのと思うので今のうちにフォーリミのライブに行きたいです。(もちろんダイブもモッシュもしたい)

ちなみに以前行ったライブでGENくんが「たまにはゆったり聴いてよ」といっていたのにも関わらず曲の途中でサークルを作ってたアイツらは今でも許してません。
GENくんの歌と歌詞をちゃんと聴け。


【次回作】
ここまで読んでいただきありがとうございました。

相変わらず次の楽曲は決まってないです。
なんとなくフィーリングで選びたいと思います。

強いて言うなら言葉遊びが面白い曲とかがいいかなとか思ってます。
全然違ったらすみません。

誰も待ってないでしょうけどお楽しみに。

それでは皆さん良い音楽を。

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