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あなたのエルに会えたから


悲しい訃報と共に朝を迎えた。



なんで。どうして。
どうしても、そういう気持ちがぐるぐるとめぐったけれど。


どんな理由だったとしても
彼女はもうここにはいない。
それだけは揺るがない真実で
その事実の冷たさに、思わず涙が溢れた。


一ミュージカルファンの私が、
今までの彼女の素晴らしいパフォーマンスの数々に対して、
いま、できることって、なんだろう。

いろいろ考えたけど、
わたしは、わたしの知っていることしか語れないから。

私が大好きだった、彼女の演じた役について
つづりたい。

つづりながら気持ちを整理して落ち着けようとしているところもあるので
ところどころ文章がおかしいところがあるかもしれないけれど、どうかご容赦いただきたい。




ミュージカル「キューティー・ブロンド」の
主人公・エル。

私は彼女の演じるエルにすっかり心奪われた1人だ。


舞台上のセットがぱっと開いたら
映画から飛び出してきたような
きらきらとした輝きを放つ女の子がそこにいた。


愛らしくて、時に痛すぎるほどにまっすぐで。

でもそのまっすぐさを見失うことなく、
周りを巻き込みながら、不可能を可能にどんどんくつがえしていく。

澄んだ空のような歌声に
チャーミングで、でもしっかり芯が感じられる演技。
コミカルな間の取り方も切り返しも抜群で。


観ているとつい、心の中でぎゅっと拳を握って、
彼女を応援してしまうのだ。

エル、行け!
エル、がんばれ!!
エル、負けないで!!

エル、あなたのことがみんな大好きなんだよ!!
気づいて!!!


当時、仕事で擦り切れていた心を
何とか繋ぎ止めてくれたのがこの作品だった。


何回も何回も劇場に通った。

何度も何度も、彼女のエルに、
彼女率いるキューティーブロンドカンパニーに、
たくさんの笑顔と勇気をもらった。


「自分らしさ」を諦めずに、
ピンク色の衣装に身を包み、ブロンドの髪をなびかせて
チャーミングに微笑む彼女はとっても眩しかったし、

エルが、そしてエルを演じる彼女が
このカンパニーにもとても愛されてるんだってことが、見ているだけで伝わってくるような
幸せな空間がそこにはあった。


Being true to yourself never goes out of style.


作品の中でエルに贈られるこの言葉は
まさにそのまま、彼女の役者としての生き様に贈られるべき言葉だと、私は思う。




私がいま願えることは、
どうか、今の彼女の心が安らかでありますように、ということと。

あなたの演技がどれほど愛されていたか。
あなたの演技にどれだけ救われたか。

知っていてくれたらいいな、と。
ただただ、それだけだ。



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