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ピーターラビット展に行きました

世田谷美術館で開催されている「ピーターラビット展」。

まだ会期あるからいいか〜と呑気に構えていたけれど
最寄駅から美術館までそこそこ歩くことを思い出し
梅雨になる前に…!と晴れた日を狙って行くことにした。


日曜日の砧公園は家族連れで一際賑わっている。 

「オトコノロマンってなんだろうなー!?」と
大声で叫びながらチャリで駆け抜けていく小学生なボーイズたちとすれ違った。
切実に文脈が知りたい。


さて、本題に戻って。


ピーターラビット、と聞いて最初に紐づく記憶は、
物語そのものではなく、小学校に入学したときに初めて買ってもらった筆箱。

淡いピンクの筆箱で、
隅にピーターラビットが刺繍されていたのだ。

なぜ母がピーターラビットを選んだのかはよくわからないのだが
兎にも角にも、それが私とピーターラビットの出会い。




ただ、物語そのものについてはあまり覚えがなく、
おそらく子ども時代にしっかりとは読まなかったんだろうな、と思う。

母にも尋ねてみたが「実写版見てこんな物語だったのかーと思ったのよねえ」と言っていたので、おそらく推測通りだろう。
そもそも履修先が実写版でいいのかどうかは気になるところだが、この際目をつぶる。



ピーターラビットは、作者であるビアトリクス・ポターが、
自分の元家庭教師の息子が病床にある、と聞いて
その男の子に向けて書いたお手紙がもととなって生まれた物語なのだそうだ。

展覧会では実際の手紙も展示されていて
ここから100年以上にわたって愛される物語が生まれたんだなあ、と思うと
感慨深い気持ちになった。

このお手紙を受け取ったその男の子も、
きっとこのいたずら坊やの物語に夢中になって読んだんだろうな。



そしてこの作者のパワフルなこと。

数社の出版社に持ち込んだが断られ、私家出版をしてちゃんと利益を出す。

その後、出版社と契約してからも、
物語や挿絵に関して、あらゆる事柄を細かく詰めていく様子が伺える手紙の数々。
特に「子供のためのものだから、手が届く価格でないといけない」という主張がとても印象的だった。

そして、粗悪なピーターラビットのぬいぐるみが
とあるショーウィンドウに飾られているのを見つけた彼女は、
ピーターラビットの特許を申請し、自らあらゆるアイデアを出して商品化。
特許、という概念自体、絵本のキャラクターとしては初めての試みだったのだそうだ。


作者の温かな眼差しを感じる愛らしい挿絵の数々に童心に帰る一方で、

自分の作品への確固たるプライドや、守るべきものをまっすぐに守る強さ。

今から100年以上前、
おそらく今よりも女性であるということで色々な困難を伴った時代だということも含めると

圧倒されると同時に
勇気づけられるような気持ちになった1日だった。




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