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プレゼントとストーリー

お誕生日とクリスマスはプレゼントを贈り合う、というのが、
彼との間でなんとなく決まっている。


紳士物に本当に縁がなく育ってきてしまったこともあり、
そもそも何がほしいんだろう?
欲しくないものだったらどうしよう?
いったい何を選んだらいいんだろう?と早々に途方に暮れてしまい、

毎回こんなに悩むのは無理だなと悟ったので、
サプライズ感はゼロになってしまうけど、欲しいものを本人に聞くことにしている。

そのあたりの塩梅を彼もわかっているようで
こういうものが欲しいな、を3候補くらいくれるので、
ありがたくその中から選ばせてもらう形だ。


あとは、どんな色やデザインが似合うかな、とか、
こういうの意外と持ってないかもな、とか
いろいろ記憶の断片をつなぎ合わせて、

とりあえずある程度目星をつけてから、
慣れない百貨店に足を踏み入れ、挙動不審なまま紳士物コーナーを彷徨ったり、
みかねて声をかけてくれた親切な店員さんに相談してみたり。

恥ずかしながら私にとってはいまだに慣れなくて大冒険でもしているような気分だけど、
それでも、これ、いいかも?が見つけられた時はほっこりうれしくなる。



でも、ここまでしても、毎回プレゼント選びには自信は持てない。

ちゃんと時間をかけてしっかり選んだつもりだけど、
これでよかったかな?本当に気にいるかな?迷ってた他のものの方が良かったかな?と
ぐるぐる、思考はめぐりがち。


そんな時に思い出すのは、初めてお互いにプレゼントを渡した時のことだ。



彼は、どうしてそのプレゼントを選んだのか、どうやって探したのかを、
ひととおりまるでプレゼンでもするかのように説明してくれて、

その勢いに圧倒されてしまった私は、おたべ人形と化していたのだが(笑)


いろいろ考えて時間もかけて探してくれたことがよくわかって、
ああ、込められたストーリーがわかるっていいものだなあ。と思った。

ストーリーが加わると、より一層そのプレゼントへの愛着が増すんだなって。


私は、選んだものに100%の自信があるわけではないがゆえに、
こうやって選んだんだよ、と相手に伝えるのって、
ある意味気に入ってくれることを暗に押し付けかねないなと思って、
ちょっと難しいな…と思っていた。

でも、彼にどうやって選んだの?とさくっと聞かれて、

こういうのと迷って、でもこっちの方がいいかなって…なんとなくだけど…と段々尻すぼみになる私に、

それだけ迷って考えてくれたんだから、どれを選んでたとしても嬉しかったと思う!
でもこれめっちゃいい!

と言われたときに

プレゼントって相手を思う気持ちなんだな、という当たり前のことに、
はたと気付かされたような思いがしたのだ。



きっとこれから先もサプライズをする勇気はなくて、きっと事前に聞いちゃうんだろうし、

気にいるかな?大丈夫かな?と思う気持ちはゼロにはならないのだろうけど、

ストーリーだけは自信を持って語れるようなプレゼント選びがしたいなあ、と思っている。




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