見出し画像

魔法使いの約束とタロットの話 導入

【はじめに】

種と言います。
タロットカードが好きで、
魔法使いの約束が好きです。

魔法使いの約束の1周年イベントストーリーが発出され、21人の魔法使いと1人の賢者のタロットとの関連が言われてから早2年半。日々公式の供給で悲鳴を上げつつも、言いたい。
タロットは彼らの解像度を上げるのにめちゃめちゃ有用であると!

 私自身タロットは独学ですが、奥深くて、どハマる方が多いのも納得の世界観が広がる大宇宙です。
 多い人でも1割ちょっとと言われる顕在意識(頭で意識できる部分。思考など)に対し、潜在意識(無意識。自律神経などもここに含まれます)を垣間見るためのツールとしても頼りになります。よく氷山で示されるあのイメージですが、実際、潜在意識というのは意識していないから潜在なわけで、なかなか自分で掴むのが難しい領域なのですね。

 中国のことわざで、魚には水が見えない、鳥には空気が見えない、人間には自分が見えない。というのがありますが、魔法使いたちの網目のようなしがらみをご覧の賢者様方に置かれましてはものすごく既視感があるのではないでしょうか。まあ、魔法使いでなくとも人間生きてるだけで色んなことがありますし……

 今回、本記事を書くに至った経緯ですが、まほやくを初めて2週間目の2021年10月下旬、うっかり1周年SSR背景と未世紀組の年齢順からタロットとの合致に気づいてしまいまして。
 妹に泣きつき、その後も定期的に壁打ちとなってもらいながらぎゃんぎゃん言っていたのですが、このあたりの情報があることでもっとメインやイベント、そしてスポエピなどにもちりばめられている小ネタで七転八倒できる機会が増えるな、と実感しておりました。

 元々、インタビューなどでの制作秘話でも、「魔法使いらしい要素をふんだんに取り入れた」と言われている本作。高名な占い師として描かれるキャラがいたりもする中で、タロットカードはあえて”賢者世界のもの”として存在を引き出して、わざわざまほやく世界に導入する形で落とし込みを明記されている。初期から賢者の魔法陣として描かれている占星術のホロスコープ(こちらも仕様が実際に使用されているものとは反転しているようです)もですが、メインストーリーで多くの賢者の度肝を抜いたであろう全員の白の正装=1周年のタロットカード割当は、当初から組まれていたエッセンスだったと見て間違いないのではないかな、と考えています。
 完全に自己満足ですが、私たちが愛してやまない賢者の魔法使いの解像度を1mmでも上げられるなら書からいでか、とゆっくり作業しております。


 私が履修済みなのは公開済みメインストーリーすべて、スポット、キャラ、親愛エピソード、コンツェルトまでの恒常イベスト全種、季節イベント2020年分まで(21年分は一部未開放あり)です。2周年以降のイベントに関しては解放しているが読んでいない作品も数件あるためご了承下さい。全部のカードを集めたり、イベストを読み切ってから書いた方が適切かとも思っていたのですが、物量膨大すぎて絶対間に合いませんし(愛)あっという間に2年以上が経過してしまいました。
 各キャラの主要部分だけでもかなりのボリュームになってしまうため、出しつつ、もし看過しがたいシナリオ運びになった場合には言及するみたいな形でやれればいいのかなという甘い目算でおります。

 ネタバレ無しにキャラ性とカードの関連について書くのは無理難題ですので、キャラ別の開設においては簡単に公式の紹介をさわりとして、以降は具体的な話にも一部抜粋で触れます。一切拒否な方は早めにお引き返し下さい。

 そして、まほやくを知らないタロティストのみなさまでもしここにたどり着いてしまったという方!もしも差支えなければ始めていただき誰がどれなんだ?となりつつ、ぜひハマって下さった場合は見解をお聞きしたいです!

 ちなみに中でも記載していけたらと思いますが、ストーリー内で明かされる要素などから、キャラクターのモチーフとなっている小説や童話等の原作と比較してキャラクター性が反転の形で描かれているケースが様々考察されていると思います(上述の占星術などもそうですね)。
 タロットについても例に漏れず、おそらく意図的に対応の意味を反映させる部分と、それに逆らう要素をキャラに盛り込んでいる印象を持っています。そこがまたドラマティックでいい〜〜……途中で矛盾が出てくるかも知れませんが、彼らの多面性を語りきれるわけもないので、前述のとおり1 mmでも解像度を上げたい!という一点から来て、素人が書いているものだということに関してはご了承いただけますと幸いです。

【タロットカードについて】

まほやくのタロットは、
”マルセイユ”ではなく
”ウェイト=ライダー版(ウェイト・スミス版)”
のカード順序を踏襲しています(タロットによっては力と正義の順が逆だったりする)。
 このカードは、原作者であるアーサー・エドワード・ウェイトが、エリファス・レヴィという人物、及び黄金の夜明け団という結社がタロットを解釈する上で共通していた「カバラ」と呼ばれる思想の影響を受けて、その中でも重要な「生命の木(樹)」と呼ばれる図との対応を持ちいて解釈を盛り込んで内容を構築したものになります。詳しく知りたい方はそれだけで語られているようなめちゃめちゃ分厚い本がたくさんございます!私も全然読み切れてない!

 おそらくタロットの中で最も有名なこのウェイト=スミス版は、78枚から構成されています(ウェイトの構想をパメラ・コールマン・スミスが描き起こしたものなのでウェイト・スミス版。なんと78枚を半年かからず仕上げたとのことでして、速筆で有名だったようですね。やばくないですか?私は遅筆の民なので白目を剥きます)。
 うち22枚が大アルカナ、残りが小アルカナと呼ばれ、後者はトランプのような構成となっています。ワンド、カップ、ソード、コインまたはペンタクルと呼ばれる4つのスート(図柄)、1から10までの数字と、ペイジまたはプリンセス、ナイトまたはプリンス、クイーン、キングの人物カードで各14枚、4図案で14*4=56。22枚と足して78になるという感じですね。

 今回の話題の対象となる大アルカナはメジャーと呼称されることもありますが、1.5部でもシャイロック、ムルから言及があったとおり、「人生を表している」と言われています。ラテン語のarcanam(アルカナム)の複数形で、「秘密の知識」という意味です。

各キャラの際にも言及する可能性があるので、ウェイト本人が残している大アルカナのキーワードを示しておきます。

<大アルカナのキーワード>

0.愚者  解放
1.魔術師 知性
2.女教皇 宗教的情熱
3.女帝  自然の塊
4.皇帝  単一性
5.秘儀の司祭 宗教
6.恋人たち  結婚
7.戦車  啓示
8.力   現存 
9.隠者  伝統
10.運命の車輪 達成
11.正義   法
12.吊るされた男 秘密の伝承
13.死    犠牲
14.節制   交流
15.悪魔   誘惑
16.破壊された塔 変化
17.星    大志
18.月    内省
19.太陽   変容
20.最後の審判 召命
21.世界   外的自然

 既にタロットカード自体をご存じの方はうんうん、となりつつ、あれ?なんか思ってたのと違うなという記載も一部あるのではないでしょうか。
 そして逆に、多分というか、ババーンとキャラの顔がちらつくワードもありますよね。分かる。気付いてしまったあの時の私のうろたえっぷり、お目に掛けたいくらいです。この辺りは解釈の詳細や、リーディングなどに置いての表現幅をもたせるための「コンセプトになりうる単語」なので、深く考えなくてOKです。各キャラについて記載する際に再掲します。

さて。
さらに、これらを意識レベル/経験の領域に応じて3つのグループに分けることができる、と言う説があり、やってみると以下のようになることが知られています。
全体要素にもつながるので、以下、気になるポイントについてもちょっとだけ触れておきます。

<大アルカナの区分>

0 愚者

1-7 意識(コンシャスネス)
=社会における人生の外的な関心事

8-14 下意識(サブコンシャスネス)
=自分が本当は何者なのかを見つけるための内的な探究

15-21 超意識(スーパーコンシャスネス)
=霊的な気づきの発達と元型的エネルギーの解放

 まず、1段目が私たちが生きている現世で、愛や権威、教育などに関心があるとされています。大体の人は戦車のように人生の中に身を投じ、それぞれの求める勝利を得るために動きますが、その評価は外的というか、周囲の判断で決まるケースがほとんど。大体この段で生まれて死ぬを繰り返しているらしく、そこを超えるということはあまりないとされています。未世紀組の面々は結構この辺りの性質の合致と、逆にこれから乗り越えるとか、習得していくべき部分っていうのが明確に描写されている印象です。

 次に2段目が現代の深層心理学と関連する事象を表した層です。自己認知のための深い内省から始まり、本質的に重要なものを発見し、自分の価値観に統合するまでに通っていく道が示されています。これ、因縁の称号のところでももう一回語りたいのですが、未世紀組が1段目に収まるかと思いきやこの2段目にカインが入り込んでいて、そしてオーエンで終わるんですよね。魔法使いだから、っていうよりは、オーエンと目玉入れ替えっこしてることによって強制的にこの段に引っ張られたイメージなのか??ってなりました(オタクの感想です)。カインは元々他キャラと比べると魔力量的には少ない旨言及されていますし、ほんとなんか……意図的なものを感じる……。この段の年齢は22歳~約1000歳ということで、一般的な人間がなかなか本来の自分の人生の中、寿命の中では到底掴み切れない・コントロールし切れない心層の発展部分を魔法使いたちはこれだけの年月をかけて認知していくのかもなということを感じたりもします。みんな、真の自己の発見がんばろう(おなかいたい)

 最後に3段目です。ムルが1.5部にて「人の人生に太陽や星があるなんて面白い!」って言ってましたけど、このゾーンは生命や自然そのものとの対峙と統合の領域になります。流石1500歳越えの貫禄、面構えが違う。西の中でも食えないふたりと、北の猛者たち。絶対に一筋縄ではいかない、本人たちそのものが自然の猛威と同じレベルで脅威をもたらす上位勢がここに集約されているこの感じ、よさしかない。2段目を通過してようやくこのレベルとの対峙ということで、逆にカードの意図に反転して各自が振り回されている部分を紐解くための深掘りにも非常に重要なので、こちらもまた詳しく見ていけたらいいなと思います。

魔法使いの約束も、「魔法使い」との交流を通し、生きること、他者と関わることに触れる作品です。永くて2,000年以上を生きる可能性のある不思議な、自然的な存在感すらも内包したものたち。人から生まれながら、人と違うものとして人間からは扱われ、到底普通の寿命では通過し得ない様々なところを通ってきたし、通っていく。様々な価値観、立場、思いの中にいる彼らとのやり取りは複雑怪奇でいて、だからこそ人生で起きる会話をより臨場感をもって、すごいスケールで見せてくれているのかも。

 キャラのことが好きなほどきっとこういった考察に興味を持たれる方もいらっしゃると思いますし、タロットの持っている意味にまで好奇心を伸ばしていただける方がいるかも知れないなと思っています。もっと手軽に触れる・手元におけるお助けツールとして楽しんでくれる賢者様が増えてくれたらさらに嬉しいなと感じています。


というわけで死ぬほど長い前説終わり!!!!
妹に相談したら前説で一旦切りなさい!!!!と言われたのでキャラ編は次から行きます!!


ここまでご覧いただきありがとうございました。

もしかするとこれ面白そうかも?と思っていただいた方、よろしければ次もどうぞお楽しみ下さい🌱


【キャラ別解説】

更新したら載せていきます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?