距離


自分と他人との間にある壁。その存在をつねに感じていた。


長い時間。他人との距離を感じてきた。


仕事や学校などの社交的な場で。無難に仲良くなりそつなく関係をこなすことはできるものの。


プライベートの時間を一緒に過ごすまでに仲の良い関係性になることは稀だった。


大人になってだいぶ経つまでは。


自分が感じていた壁は透明で向こう側にいる他人を見ることはできても。そそり立つほどの高さであり厚さも相当なもので。そんなイメージな壁が立ちはだかっている。


自分でどうにかして乗り越えられる壁ではない。そう思ってきた。


でも。それは言い訳だ。そう言い訳をしてきた。


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