ステロイドの副作用

私はペーパーではあるが一応、薬剤師。全く薬剤師として社会に貢献していないので大きな顔はできないが、一応、薬剤師。
薬の知識は一通り勉強し、アメリカに渡った後も英語で再度勉強をし直したため知識はあると思っていたのだが・・

つい先日、身体の全面のほぼ全体に湿疹ができて痒みで夜中に何度もおきてしまい、数日は我慢したのだが一向に良くならず、普通の生活をするのもきついほどの痒みだったのでついにかかりつけ医に行ってきた。実はこの湿疹、1年に1-2回忘れたころにやってくるのだ。以前もドクターにかかりステロイドの内服で乗り越えたのだった。今回も処方されたのは「プレドニゾン」(日本だとプレドニゾロンが多いかな)。副腎皮質ホルモン(ステロイド)で免疫抑制剤。前回もこの薬を処方してもらい、寝る前に内服していたので副作用の不眠に悩まされたのだった。後で調べてみたら副作用に不眠があったのを覚えているので今回は朝飲むことにした。
合わせてアレルギー薬のセチリジンとジフェンハイドラミンを処方してもらった。セチリジンは第2世代の抗ヒスタミン薬(ヒスタミンH1拮抗薬)ジルタックとかが有名。ジフェンヒドラミンは第1世代の抗ヒスタミン薬(ヒスタミンH1受容体遮断薬)でアレルギー以外に睡眠改善約のドリエルでも有名。ちなみに私が働く製薬会社ではこの成分で乗り物酔いの薬をOTCで販売している。成分は同じでも「乗り物酔い薬」になったらり「アレルギー薬」になったり「睡眠改善薬」になるのだ。実はこういうの結構あるのでまたそれは別の記事で書こうと思う。
話しが逸れたが今回はアレルギー薬ではなくてこのステロイドの話。
前回副作用の不眠で散々な思いをしたのにまたその経験も忘れ薬のこともろくに調べず飲み始めた。朝飲んでいるので不眠は気にならない。4日たったあたりで「なんか最近やけに食欲があるな。体重増えてそう。」という思いがよぎった。家にある食べ物を片っ端から食べていた。体重測ってみたら確かに増えている。いや、あれだけ食べれば1キロは増えるだろってくらい食べていた。数日は自覚もなかったが。それでも薬のせいだとは微塵も思っておらず気にしないでいた。
5日目、たまたま学生時代の友達(現役バリバリの薬剤師さん)とLINEをしていて湿疹のためステロイド薬を飲んでいることを話したら「食欲増えてない?」と聞かれ、え!!!!!まさかの薬の副作用だったのこれー---!!!!ってなったのだ。ステロイド内服には食欲増進という恐ろしい副作用が割と高い割合で発生するらしい。しかもその増進度がすごいらしい。だから長期で服用する患者さんは大きな悩みになることもあるという。学校で習ったはずだが記憶にございません。
私は湿疹がなくなったら止めてよいと言われているので服用中止すれば終わるだろうが薬で食欲増進とはやはりステロイドは怖い。どれだけ身体に働いているのよ。そりゃあの痒みが一気になくなるわけだ。というわけで痒みを無くすのと引き換えにムーンフェイス(顔が丸くなる副作用)やむくみ、そして食欲増進を受け入れなければいけない。免疫力も下がるから感染症にかかりやすくもなる。ステロイドだって根本的な原因を治しているわけではなく症状を無くしているだけだし、考えれば考えるほど薬とは恐ろしいものである。同時に薬で快適に生活することができることも事実だ。
結論、だから大切なのは知識なのである。
豊富な知識は決して人生の邪魔にならない。

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