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2019.1.23(水) ヘンタイ的音楽鑑賞のススメ

昨日は「SYNCHRONICITY」という渋谷で行われる都市型音楽フェスの前哨戦でもある、スピンオフイベント「SYNCHRONICITY’19 New Year’s Party!!」に行ってきました。

なにしろ出演するバンドが「fox capture plan」と「ADAM at」という、もう絶対に間違いなく楽しい組み合わせの2マンで、たしか昨年のクリスマスイブの日に行った、ADAM at のライブの物販でチケット発売したのを速攻で買ったのでした。
それで整理番号13番というめちゃくちゃいい番号を取ったので、前から2列目の中央あたりという最高のポジションを確保してバッチリ楽しんできましたよ。

fox capture plan と ADAM at は歌の無いインストバンドで、知らない人も多いと思うので、YouTubeのMVを貼っておきますね。


どっちのバンドも最高にカッコ良いので、ぜひ一度聴いてもらいたい。

そして、どっちのバンドもCDもいいけれど、ライブパフォーマンスが真骨頂と言えるので、ぜひライブに足を運んでもらいたい。
というか、あまりにもニッチなジャンルなせいで一緒にライブに行ける人がいないから、誰かと一緒に行きたいです。

以上、宣伝終わり。

さて、タイトルの「ヘンタイ的音楽鑑賞」について書いてみようと思うのだけど、別に音楽を聴きながら何かエロいことを考えたりするわけじゃないですよ、もちろん。
そもそもの話、こういうインストという歌のない、カラオケでも歌えない、そんなニッチな音楽ジャンルを好んで聴いているという時点で「ヘンタイ的」だというのは、ライブのMCなどでも軽い自虐も込めて言われたりすることなんですよ。
普通の人は、まあ聴かないし、そもそも知らないわけで。

歌も歌詞もない音楽を聴いて楽しいの? と思われるかもしれないが、これがめちゃめちゃ楽しい。
他のジャズやインストが好きな人たちがどんな聴き方や楽しみ方をしているのか、実はよく知らないのだけど、僕自身がどう聴いているのかを書いてみようと思います。
自分も同じような聴き方をしているという人がいたら仲間ができたようで嬉しいし、面白いと思って真似してもらってもいいし、頭おかしいんじゃないのと思ってもらっても、それはそれでかまわないし。

基本的にジャズのフォーマットをベースとした音楽の聴き方だと思ってもらえればいいのだけど、まず、曲には繰り返し出てくるメロディがあって、それがその曲の「テーマ」と呼ばれるものですね。
まず、この曲の「テーマ」を発見して把握するのが最初のとっかかり。
そしてもう一つの構成要素が「ソロ」
それぞれの楽器が一人でメロディを奏でるパートです。
それで曲の構成としては、イントロがあって、テーマとソロの繰り返しがあって、エンディングというのが基本で、この基本構成で曲の流れを把握しながら、アドリブのソロや楽器同士の掛け合いを楽しむというのが普通の聴き方なんですね、たぶん。

何回か聴いてそれがわかってきたら、僕は曲を楽器ごとに分解しはじめます。
例えば、今回聴いたfox capture planの場合、ピアノトリオなので、主にメロディはピアノが担当します。
細かく言うと、主にピアノの右手ですね。
まず、このピアノの右手のメロディを頭の一部で聴きながら、頭の別の部分で左手のコードを聴きます。
ピアノの右手と左手を分解して、頭の別々の部分で同時に聴くってことをやるんですね。
そうすると、曲のメロディと和音がどういう風に組みわさって、どんな風に響き合って、呼応しあっているのかがわかってきます。
これだけでもかなり面白いです。

それができたら次です。
次にわかりやすいのはドラム。
ドラムは基本のリズム、代表的なのでは8ビートとか16ビートとかあるけど、その基本リズムにフィルと呼ばれるオカズが付いてくるんですね。
今度はその基本リズムとフィルインに注目して聴いてみます。
fox capture planのドラマー、井上司さんは太鼓やシンバルの種類も多いし、手数もとにかく多いので、ドラムを追っかけていくだけでもまた楽しいのです。

ドラムが把握できたら、ピアノと組み合わせます。
ピアノの右手と左手を分解したのと同じやり方ですね。
頭の別々の部分で、ピアノの右手、左手、ドラムを同時に分解して聴きます。
そうすると、ピアノのこのメロディの動きに合わせて、ドラムがフィルを入れてるとか、この和音のリズムとドラムのリズムを合わせてるとか、そういうのがわかりやすく見えてきます。

最後がベース。
低音で聴きづらい部分はあるんですが、これもやり方は同じです。
ベースにも頭の別の部分を割り振って、それぞれの楽器がどう呼応しあっているか分解して聴いていく。
そうやって聴いていると、何度聴いても新しい発見があるし、何度聴いても最高に気持ちよくハマる部分が見つかるんですね。

それが楽しくてしょうがない。

そして、もっと楽しいのがライブです。
この聴き方に慣れていると、リアルタイムで舞台上でやり取りされる音の駆け引きがよく見えます。
ピアノがテーマをちょっと変えてきたとか、アドリブが入ったとか、ピアノが変えてきたからドラムがこう変わったとか、プレイヤー同士の目配せとか。
だから、CDで何十回も聴いて、隅から隅まで覚えてしまっていても、ライブでも何度も繰り返し聴いていても、ぜんぜん飽きないし、また何度でも聴きたいってなるんですよね。
聴けば聴くほど、面白いのです。

こんな音楽の聴き方をしている人が他にいるのか知りませんけど、まあヘンタイ的であることは間違いないんじゃないですかね。
頭を部分的に同時に別々に働かせるので、並列処理の訓練になるかもしれませんし、試しにやってみたらどうでしょう?
楽しいですよ。

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