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オールスターゲームを楽しもう

米国で野球は「ナショナル・パスタイム」(National Pastime)と呼ばれ、国民的娯楽として愛されているスポーツです。そんな米国で夏の一大イベントとして開催されるのがメジャーリーグベースボール(MLB)のオールスターゲーム。レギュラーシーズンの中間地点に開催される、いわば野球の祭典とも言えるでしょう。

2022年のMLBオールスターゲームはまもなく始まります。知っておくとさらに試合が楽しめるトリビアをご紹介しましょう。

会場の選定方法は?

第92回となる今年の会場はロサンゼルスのドジャースタジアム。1980年以来、42年ぶりの開催だそうです。会場を決めるのはMLB選考委員会という組織で、歴史的に記念すべき場所であったり、新設された球場を記念して選んだり、長らくオールスターゲームを開催していないような地区なども選ばれやすい傾向にあるとの事。

今年は故ジャッキー・ロビンソン氏がアフリカ系アメリカ人として初めてメジャーリーガーとしてブルックリンドジャース(ロサンゼルスに拠点を移す前のホーム)でデビューしてから75周年。未亡人レイチェルさんの100歳の誕生日も重なり、ドジャースタジアムが選ばれたもようです。

MLBはすでに、2023年の会場はシアトルマリナーズの本拠地のT-モバイルパークと発表しています。こちらは、安全性(COVID-19ワクチンの接種率が最も高い都市の1つ)のほか、ウォーターフロントやダウンタウンの再開発、冠スポンサーのT-モバイルによる5Gインフラの整備などが選定要因として考慮されたものと考えられます。

ちなみにT-モバイルパーク(元セーフコフィールド)で最後に開催されたのは2001年。その年はイチロー選手(当時)が初めてオールスターゲームに出場したルーキーイヤーですから、来年はイチロー氏にとっても感慨深い年になるのではないでしょうか。

また2026年は米国の独立宣言から250周年記念ということで、フィラデルフィアフィリーズのシチズンズバンクパークが選定されているという報道がされています。フィラデルフィアは1776年7月4日に独立宣言が採択された地ですから、この年に開催するには一番ふさわしい場所といえるのでしょうね。

日本製ハイテクスクリーン登場

次にご紹介するのは、球場のスクリーンについて。1980年にドジャースがオールスターゲームをLAに誘致した際、左翼スコアボードエリアには875平方フィート(81.29平方メートル)の巨大なスクリーンが初めて設置されました。たたみ約50畳ほどと言えば想像がつくでしょうか。それは、三菱電機製のダイアモンドビジョンボード(日本での登録商標名はオーロラビジョン)でした。

それまで使われていたのは白熱電球を使用したドットマトリックスディスプレイ。当時のチームオーナーのピーター・オマリー氏は、事前に日本で見た三菱製のスクリーンに「度肝を抜かれた」と述懐しています。オールスターゲームにはそれが絶対に必要でした。三菱側の売値100万ドルに対し、なんとオマリー氏は1ドルで交渉を成立させたそうです。

ドジャースタジアムがダイアモンドビジョンボードというテクノロジーの広告塔の役割を果たすーーその思惑は見事に的中し、世界中からスタジアム関係者が大勢見に来ました。またその時の「写真判定」というテクノロジーも、その後のスポーツイベントやエンターテイメントのレベルを変えるのに貢献しました。日本の技術がこんなところで活躍していたなんて、知っていましたか?

引き分けの場合のルール

さて今度はゲームのルールについて。今年のオールスターゲームでは、9回で引き分けた場合は、延長戦ではなくホームランダービーで決着がつけられることになりました。

各監督はホームランダービーに参加することに同意した選手3人(負傷の場合に備えて補欠1人)とコーチ3人を選びます。参加した選手は3回スイングして(受ける投球数は無制限)、できるだけ多くのホームランを打ちます。

順番はビジターチーム(AL)が先に、ホームチーム(NL)が2番目にと、交互に。6人全員が終了した時点で総本塁打数の多いチームがオールスターゲームの勝者となります。同点の場合は、各監督が参加選手の中から1人を選び、3スイングしてもらう直接対決形式をとり、同点が解消されるまで続けられます。

2002年にミルウォーキーで開催されたオールスターゲームでは、延長11回に7対7で両チームのピッチャーが足りなくなり「引き分け」。地元ファンからはブーイングの嵐だったそうです。

https://en.wikipedia.org/wiki/2002_Major_League_Baseball_All-Star_Game

ハリウッド風ユニフォーム

2022年のその他の変更点です。昨年は、初めて2つのチームがオールスターゲーム用の同じユニフォームを着用しました。今年は例年通り別々のユニフォームに戻りますが、いつもと異なる点はユニフォームがハリウッド風にアレンジされている点です。ロサンゼルスで行われるだけあって粋なはからいではないでしょうか。

ナショナルリーグはホームチームとして、各選手のチーム名が前面に金で書かれた白いジャージを着用。アメリカンリーグはビジターチームとして、ジャージの前面に同じく金色のチーム名が書かれたジャージとなりますが、色はダークグレーとなります。右袖にはオールスターゲームのロゴが施されています。

ナイキはこのユニフォームについて「天使の街の名声と富からインスピレーションを得た」とコメントしています。金色の文字は「ハリウッドの授賞式の金の輝き」をイメージしたとのことです。

いかがでしたでしょうか。オールスターゲームをぜひいつも以上に楽しんで下さい!

<参考文献>
List of Major League Baseball All-Star Game venues, last edited on 18 July 2022
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_Major_League_Baseball_All-Star_Game_venues

Pujols, Miggy headed to LA as All-Star legacy picks, July 8th, 2022
https://www.mlb.com/news/albert-pujols-miguel-cabrera-all-star-game-legacy-selections

MLB awards 2023 All-Star Game to the Seattle Mariners; T-Mobile Park to host the Midsummer Classic for the first time since 2001, September 16th, 2021
https://www.mlb.com/press-release/press-release-mlb-awards-2023-all-star-game-to-the-seattle-mariners

MLB All-Star Game locations: 2023, 2024, 2025 and beyond, July 17, 2022 /BY MATT WEYRICH
https://www.nbcsports.com/washington/nationals/mlb-all-star-game-locations-2023-2024-2025-and-beyond

All you need to know for tonight's All-Star Game (FOX, 8 ET)
https://www.mlb.com/news/2022-mlb-all-star-game-faqs?partnerId=zh-20220719-654102-mlb-1-A&qid=1026&utm_id=zh-20220719-654102-mlb-1-A&bt_ee=32nVjAVFWgIBMcIye%2Fhw4fYaaDH3AY7Vkqval6Wcy64SBNIHKKsBTvyt5uzrMp3K&bt_ts=1658239829387

If All-Star Game is tied after 9, we'll get another HR Derby, July 18th, 2022
https://www.mlb.com/news/all-star-game-tiebreaker-home-run-derby

2022 All-Star Game jerseys unveiled. July 11th, 2022
https://www.mlb.com/news/2022-all-star-game-jerseys-nike

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