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何も求めることはない 詩
何も求めることはない
浅く微睡む時間さえ。
後悔ばかりが生まれては
長き途上に立ち竦む。
振り返っては悩みに悩み
先行く人らの旅路を妬む。
我がことながらに情けなし
今日も己を嫌悪し斃(たお)る。
「愛情と呪いの話」 詩
夢を語って聞かせたら
あなたのためだと潰された
きっとできると宣言すれば
現実見ろよと諭された
くたびれ疲れしゃがんだら
それ見たことかと嘆かれた
どうしてそんなこと言うの
問いの答えは「愛ゆえに」
愛されてるって知ってるよ
誰より 何より 知ってるよ
でもだからこそ さようなら
私もあなたを愛しているから
一緒に笑える その時まで
どうかどうか さようなら
悲しい 愛しい 呪いの話
「あの子はひとりで泣くろうか」 詩
あの子はひとりで泣くろうか
たった独りで泣くろうか
それではあんまり寂しかろ
独りで泣くのは寂しかろ
胎に病いを飼っていて
淋しい病いを囲ってて
そいつを吐き出し生きるには
この世はあまりに寂しかろ
あの子が独りで泣いたこと
わたし一人が知っていて
だけれどそれがいったいなんの
慰め救いになるろうか
あの子の近くに誰も居ず
わたしは知覚もされぬ身で
あの子の病いは胎の中
誰にも知