継続率95%を誇る適性検査システムを10年ぶりに刷新。Sun*がデザインから開発まで一気通貫で伴走したリニューアルプロジェクトーー株式会社トライアンフ
近年、企業成長の鍵となるDX。
既存の課題を解決し、新たな事業創造を推し進める必要性が増すなか、Sun*には「自社の既存サービスを、ユーザーにとって親しみやすいものにリニューアルしたい」というご相談が多く寄せられるようになりました。
一方で、自社のエンジニアリソースがない、最新のUI/UXを考慮したプロダクト開発ができないなど、リニューアルに対するハードルの高さを感じている事業者も少なくありません。
こうしたなか、人事ソリューションを提供する株式会社トライアンフの適性検査サービスである「適性検査CUBIC TRIUMPH ver.」のリニューアルをSun*が全面的に支援しました。
今回は「外部パートナーを活用したリニューアルプロジェクトの取り組みと乗り越えた壁」をテーマに、株式会社トライアンフ 常務執行役員の松下 直樹さんと、同人材開発ソリューション事業部 マネージャーの小座野 崚さんに話を伺いました。
Sun*をリニューアルプロジェクトのパートナーに選んだのは「確かな開発実績」と「オフショア開発の信頼性」
── はじめに、おふたりが現在取り組まれている業務についてお聞かせください。
松下:弊社は1998年の創業以来、人事領域の事業を展開してきました。
現在では採用アウトソーシング(RPO)や人事労務アウトソーシング、アセスメント(適性検査)といった3つの事業を軸として、教育研修などを含め幅広い人材サービスを提供しています。
小座野:弊社ではアセスメントのプロダクトである「適性検査CUBIC TRIUMPH ver.」を提供しており、新卒や中途採用、既存社員のタレントマネジメントの用途から、年間で約800社ほどにご利用いただいております。
松下:他社との差別化ポイントとしては、社内に蓄積された情報を元に人事課題や採用課題をどのように解決するかを考えて、ソリューションを提供していくところです。
採用における適性検査含め、課題解決を図る上での情報を大事にしていて、これまで培ってきた経験値だけでなく、データを定量的に活用しながら分析していくことを心がけています。
── 今回、御社が提供する適性検査システムのWebアプリケーション「適性検査CUBIC TRIUMPH ver.」をリニューアルするにあたり、Sun*をパートナーに選んでいただいた理由を教えてください。
小座野:いくつかのパートナー候補があったなかで、一番大きかったのは「コスト」の部分でした。
また、10年来のリニューアルだったこともあり、今の時代にあったデザインやUI/UXの開発に着手いただけることや、ベトナム拠点を活用したオフショア開発のメリットもお伝えいただいたので、お任せしてみようと思ったんです。
御社が手がけた過去の実績の中でも、人事領域のプロダクトに関わる開発経験が豊富だったため、そのことも判断する上での安心材料のひとつになりました。
松下:個人情報を扱うプロダクトの開発をやられていたことに加え、我々だけでは海外拠点とのやりとりが不安な部分を、日本人のPMが間に入って開発をサポートしてくれるのは、非常に心強いなと思いましたね。
Sun*の提供する伴走型のプロジェクト支援は同じ船に乗る“仲間”のようだった
── 外部パートナーを活用すること自体は初めてではないかと思いますが、海外の開発体制を活用したのは初めてになりますか?
松下:オフショア開発を取り入れるのは初めてでした。今回の適性検査CUBIC TRIUMPH ver.のリニューアルは、我々の中でも久しぶりに大きなプロジェクトだったので、いろんな視点からアプローチしていく必要性があると考えていたんです。
── 海外拠点とコミュケーションを取る際に、困ったことや大変だった点はありますか?
小座野:最初は、要件定義をベトナムチームに正しく伝えることができず、手戻りが多く発生したのは苦労しました。
自分たちが「やりたい」と思ったことを全てPMに伝えていたんです。
ベトナムチームが対応できる範囲や優先順位をあまり考えずに、要望を出してしまったことで、当初描いていたスコープから大きく染み出してしまいました。
そのほかにも、要件定義後の開発工数を見積もっていくときに、想定の予算感と大きく乖離してしまったり、スケジュールまでにリリースできるかと不安に感じたりと、予想していたことと異なることが何度も発生しました。
ただ、それを乗り越えられたのは、Sun*のPMに開発のデリバリーにおける優先順位を決めてもらい、滞りなくプロジェクトが進むようにコントロールいただけたからです。とても助かりました。
リリース日が近づく中で、顧客が安心して使えるというゴールに向け、機能実装ではなく「運用で回避できないか」と提案いただくこともありました。我々とSun*が同じ目線に立って取り組んでくれていると感じ、このチームなら乗り越えられると感じましたね。
松下:いろんな齟齬や問題が発生しても、「どこまで可能なのか」を明確に線引きしてくれ、綿密に擦り合わせていただいたのはとても感謝しています。
同じ船に乗る仲間というか、伴走してくれるパートナーとして、常に最善の提案をし続けてくれたことで、難所も突破することができたと考えています。
小座野:我々が提供する適性検査CUBIC TRIUMPH ver.のプロダクト特性や提供価値をキャッチアップいただいたことで、プロダクトのユーザビリティを考える際も、お客様視点で会話することができました。
単なる受発注の関係ではなく、同じ目線で開発に取り組めたのが、プロジェクトの成功要因のひとつだと言えると思います。
── 基本的にはブリッジSEを通して進行していったと思いますが、海外拠点とのやりとりするなかで印象に残っていることがあれば教えてください。
小座野:プロジェクト期間中は、基本的にはPMを通して進行していきましたが、そのなかでブリッジSEにも直接要望を伝える場面も多くありました。
要件定義から開発へ入るフェーズでは、スプレッドシートを用いて、今起きている状況を全て文字に起こすことを意識していました。
そのため、認識齟齬が生まれることなく、共通認識を持つことでスムーズに進行できたと思っています。
ただ、QAテストの段階では海外拠点と日本側の間で認識のずれが結構生じましたね。その辺りは何度もやりとりを繰り返しながら、お互いの認識を合わせられるように奮闘しました。
既存のお客様が混乱することなく、新システムを使い続けることができた
── リニューアル後、社内やクライアントからはどのような反響がありましたか?
小座野:社内では、今までの古いデザインから、時代に合った最新のデザインへ変わったことに対して、ポジティブな印象を抱く社員が多かったと感じています。
また、従前の運用面も特に変更することなく「今まで通りできる」というのも、社内では重要な要素でした。
今回のリニューアルの中で目玉となる機能のアップデートとして、画面上で分析結果を即座に可視化できる機能を実装しました。
まだ活用しきっているお客様はそこまで多くありませんが、「追加料金を払ってでも使いたい」という意見も頂戴するなど、適性検査CUBIC TRIUMPH ver.に大きな期待を寄せていただいているのは感じていますね。
さらに付け加えると、プロダクトのリニューアルを行って、UI/UXが変わると、「使いづらい」・「前のデザインの方が良かった」と言われがちですが、適性検査CUBIC TRIUMPH ver.に関して操作方法の問い合わせがほとんど来なかったんです。
既存で適性検査CUBIC TRIUMPH ver.を導入いただいているお客様が、リニューアル後もストレスなく使い続けられることは達成できたと実感しています。
多くの機能を備えたプロダクトだからこそ、一番最初の設計段階でお客様の利用シーンを想定し、「これだけは外さない」という目線合わせをしておくのを心がけていました。
そして、ワイヤーフレームを細かく作成し、実装するもの・しないものの判断を行ったことで、プロダクトの使いやすさにつながったと考えています。
松下:適性検査CUBIC TRIUMPH ver.のユーザー継続率は95%と、基本的にはずっと使っていただいているお客様がほとんどなのが特徴です。
なので、新しいお客様に使っていただくのもそうですが、「既存のお客様にずっと使い続けてもらう」というのは、事業として大切にしたいことなんです。
そういう意味では、既存のお客様からネガティブな意見がほとんど挙がらず、リニューアルによって新しい機能を提供できたのは、非常に大きな成果でした。
適性検査の利用が多くなる3〜5月の間で、月間では数万件ほどになります。
その時期が終わった段階で、利用状況やいただいた問い合わせの内容を振り返り、課題を調査しながら改善点を探っていく予定です。
「人事領域のAI活用」に踏み出していく
── 最後に今後どのようなことに取り組んでいかれるかお聞かせください。
松下:2024年6月にPKSHA Technologyのグループ会社になったことで、「人事領域のAI活用」に踏み出したいと考えています。
人事×テクノロジーの文脈から、今までにないプロダクトを作れることを視野に入れながら、適性検査CUBIC TRIUMPH ver.のさらなるブラッシュアップを行っていきたいですね。
小座野:現在は主に採用場面で適性検査CUBIC TRIUMPH ver.を利用いただいていますが、今後はタレントマネジメントでも使えるように、お客様がシステムの中でできることを増やしていきたいと考えています。
弊社には開発体制がないので、これからもSun*と協力しながら、プロダクトの提供価値を広げていければと思っています。
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