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開店記念日に振り返る、ド素人の私が半年でゼロから飲食店をオープンした話。〜懐かしきドタバタ編

*この記事は長文です。お時間ある際にお読みいただければ嬉しいです*

今日は3月30日です。私のお店では、勝手に「みんなの味噌の日」と称しています。

そんな4年前の「みんなの味噌の日」
MISO POTA KYOTOの京都店を開店しました。

開店日を2016年3月30日と決めたのは2015年9月2日。
開店から約半年前のことです。

発酵食品「お味噌の力」で人を元気にする事業を立上げようと決め「お味噌の力project」を発足。私の想いに賛同してくれたメンバーが集まってくれた第1回キックオフmtgを開催しました
(ここから「嵐」が始まったそうです by関係者w)

想いは熱かったものの、キックオフmtgまでほとんど何も決めていませんでした。「お味噌を気軽に召し上がっていただけるような飲食店をしよう」という程度だった思います。

「お味噌汁スタンド?」
いや
「和食系の飲食店??」

という提供商品のイメージすら、
ましてや場所も価格帯も、規模感も何も決まってません。

キックオフでしたから...

でも【プロジェクトをスタート】
というのは【出口を決める】ということで
プロジェクトの出口は【開店】でしたので
まず5W1Hの「いつ=When」を決めようと思ったわけです。

さて。
そのキックオフで「このメンバーとなら楽しく事業立上げができそう♪」という直感を得た私は、愛用のスケジュール帳を広げ、日程を探し始めたわけです。

佳き日にはこだわりたい。つまり「大安」です。
記念日ですから、なるべく覚えやすい日がいいです。

そうしたら!!
毎月30日は「お味噌(30)の日」と味噌業界さんが決めてくださっているというではありませんか♪

早速その場で、以降の【お味噌の日=30日】を調べました。

10月30日(友引)
11月30日(赤口)
12月30日(先勝)
1月30日(先負)
2月 そもそも30日がない
3月30日(大安)

はい、そうです。私の中で3月30日に決まった瞬間でした。

しかも3月30日です。

読みようによっては「みんなの味噌の日」って読めなくもない語呂ですw

そこで静かにスケジュールに「開店☀️」と書き込み、その場にいるみなさんにお願いしました。

「2016年3月30日、にお店をオープンしたいです♪」

一瞬「シーン」となりましたが、

「そ、そうですね。まずは3月30日と仮に決めておかないと走り出せないですよね...」と一応、仮合意に。

そんなキックオフから何となく2週間に1度の定例ミーティングが開催されるようになりました。まずはいろんな飲食店さんなどの調査から開始。

また出店するなら商業施設が良いとか、路面店が良いとかなどの出店に関する話。

予算感の話。

いろんな話を並行して進めるものの、アイデアが出ては消え、具体的に決まらないまま10月が終わろうとしていました。

やばい。
あと4ヶ月しかない...(滝汗)

「まずは何を提供するのか?」
ここをしっかりと決める事にしました。
そうでないと店を具体的にイメージできないですからね..

私は飲食店運営経験もありませんので2名のプロにメニュー開発をお願いする事にしました。

さすがプロです。
2人とも超短期間で仕上げていただき、試食会を順調に開催し、味わいのブラッシュアップが進みます。

並行して調査を進めていくと「お味噌汁はパンと合わない」という声が多かったので「パンと合うお味噌汁を作ろう」となりまして、パンを試食会に持ち込み、パンとの相性をチェックすることもスタート。

その中から「ミキサーでお味噌汁を撹拌してみよう..」というアイデアが出て、みそポタ(味噌ポタージュ)のプロトタイプが生まれたのです。

結果、ミキサーで撹拌した方が、圧倒的にパンとの相性がよくなりました。
しかもカラフル。
少数でしたが「お味噌汁は地味」というネガティブ意見もありましたのでこれなら華やかな気持ちで召し上がっていただけるのでは?と色々な課題がクリアできそうなイメージが出てきました。
(これがまた別の課題をうむわけですが、これはまた後日に...)

また「みそポタ」と全く違う別のメニューラインについても開発が進み、メニューが2系統完成しました。

みそポタについては、更にプロに味わいや素材のブラッシュアップしていただき、1月中旬までに最終決定することになりました。そんな決定をしたのが2015年12月の暮れも押し迫った頃だったと思います。

お気の毒なことに、このブラッシュアップを依頼したプロはご家族で年末年始に怒涛のみそポタ試食会をすることに...(大変申し訳ございませんでした&誠にお世話になりありがとうございました!!)

さて。メニューと並行して進めなければならなかったのが「どこで開店..?」つまりロケーションです。

当時、私は東京に住み、東京で仕事をしていました。
「東京で手軽にお味噌汁が飲める味噌汁スタンドみたいなものがあればいいなぁ」と個人的に思っていたわけです。そのため、最初のオープン候補地は東京でした。

しかしながら、試食会をなんども開催し、みそポタの味わいが決まってくる中、いろんな方にご意見やお知恵をいただくに連れ、このスープを誕生させる場所を京都にしたいと思うようになりました。

伝統的な文化を大切にしながら、新しい風を取り入れて融合させていくのがとても上手な京都。京都の大学に4年間通っていたこともあり、好感&親近感があったことも事実です。

京都でオープンするなら、京都で店舗物件を借りつつ、東京の自宅を引き払って、私自身も京都に引越す必要が出てきました。

お世話になっている京都の先輩に連絡して、不動産会社を紹介いただき、2-3社さんと物件のやりとりを開始。しかもこれも12月に入ってから、、です。

3月末にオープンするのに、まだ物件も決まってないなんて、なかなかでした...

しかも京都の飲食店物件はどこも大人気です。特に良い立地の物件は表に情報がでず、水面下で決まってしまうという話でした。

そんな中、気に入った物件が出たので、時間もないことだし立地も良さそうなので「仮申込」を入れました。
とはいえ内覧してなかったので「よければそのまま契約しよう」と意気込んで新幹線で移動中、「ごめんなさい..オーナーが別の会社さんで決めてしまわれたみたいです」という電話をもらった時には京都の物件探しの難しさを痛感したものです。

火がつきました。
京都で3月30日にオープンする!!
もはやちょっと意地になっていたかもしれません...

時間もありませんし、くじける暇なく、物件探しを続けました。
そして前述よりも、光る物件情報がでてきました。
理想的な立地。希望していたサイズの広さ。値ごろ感ある賃料!

京都の飲食をされている先輩に確認しても「うちが借りたいくらいやわ(笑)」と太鼓判をいただきました。

「ここに決まれば本当に素敵だー!」

紹介してくださった不動産会社さんから、物件を管理されている不動産会社さんに状況についての探りを入れていただきます。
どうやら5社申込を入れていて、先着順ではなく、オーナーがその店の内容を確認してから最終決定されるとのこと。

そのため、ダッシュで
みそポタのプロジェクトプレゼンシートを作り、候補物件のまさにその場所で物件管理の不動産屋さんにプレゼンさせていただき、事業についての熱い思いをお伝えし、場所を後にしました。

手応えは十分!
今のところの印象では1番のようですよ、なんていうコメントもいただき、ルンルンで、東京へとんぼ返り。

しかしながら翌週に不動産会社さんから電話があり、

「ダメだったそうです...」

まさに「まさか!」の展開です。

その物件をあてにして、他の物件探しをやめ、他の不動産会社さんにも「もう決まりそうなのでストップさせてください」というようお断りをしていた私は焦るしかありませんでした..

そんな動揺を感じていた私に、申し訳なさそうな声で不動産会社さんが一言。

「まだわからないんですけど..
しかもちょっと小さくて..
しかも飲食ができるかわからないんですけど.. 
六角通に物件が出まして。興味あればFAXします」

色々、不確定要素が多いお話でした。

図面を見ると3.5坪(滝汗)
しかもネイルサロンだった場所なので、飲食店仕様にもなっていません。

つまり飲食店としてオープンするには、色々と作り込む必要がありそうな物件です。

3.5坪に、厨房は作れるのか...
3.5坪に、座席はどれだけ作れるのか...
3.5坪に、モノはどれだけ置けるのか...

色々と素人ながらに不安がありました。

でも「3.5坪、見た目は和っぽいビルなので、それを活かしながらコンパクトで素敵な店ができそうですよ。」という工事会社さんをご紹介いただけました。

もうこのタイミングで見つかったのも何かのご縁。
「小さく産んで大きく育てよう。」と決め、契約を決定。

ようやく設計の段階へ進めることになりました。

そんな中、ドタバタ劇の最中、私は東京におりましたので、京都の工事会社さんとのやりとりが手薄になってしまっていました。

大きなミスコミュニケーションが発生していたことに気づかないまま...

そんな中、迎えた物件契約日。

2月2日(大安)

朝から伊勢神宮に詣で、しっかりとみそポタ事業の決意表明を済ませ、
その後、京都に移動し、JR京都駅近くでドタバタで契約書にサイン&押印。

これで正式に物件契約。
ようやく工事へとコマを進められます。
その夜は、どうしても東京で予定があったので、そのまま東京へ急いで移動。

そしてその夜、食事をしていた時に携帯が鳴ります。
工事会社の役員さんからでした。

かいつまんで言うと内容は「工事請負についてのお断り」でした..(涙)

私が引き起こしながら気づいていなかったミスコミュニケーションが原因です。物件も契約して、さぁこれからという時に。

途方にくれた2月2日でした。

それでもこうしたことを引き起こしたのは私ですし、諦めるしかありません。

物件は決まりましたが、再度設計&工事してくださる会社探しです..

果たしてオープンできるのかしら...と少し弱気になったその時に、別の方が「やってみましょう」と引き受けてくださいました。

まさに渡りに船。

そして3月30日のオープンも何とかしてくださるとのことです。
ありがたすぎて引き受けてくださることが決まった時、手が震えたことを覚えています。

3.5坪の物件に決まったことから提供するメニューは「みそポタ」のみに決まりました。もう一つのメニューラインは、店の広さを考えると調理や準備がうまくできそうになくて、現実的ではないことがわかりました。

これで味噌ポタージュ専門店「MISO POTA KYOTO」に決定!

狭い店内です。
一から作るスペース確保が難しかったのでセントラルキッチンを探すことも必要になりました。

怒涛と言うか嵐的なラスト2ヶ月でした。

そして何とか、みそポタを作ってくださるセントラルキッチンの会社をご紹介いただき、5種類の以下のみそポタをオープン時に提供できることに決まりました。

・はじまりの白
・華やぐ紅
・整える緑
・温めるキナリ
・よみがえりの黒

一安心です。

これに更に並行して、スタッフ採用面接、研修のスケジュール決め、などを進めなくてはなりません。

つまり、かなりパッツンパッツンのスケジュール感。

こんなことが色々とありすぎましたので、オープンまでに、プロジェクトメンバーから異口同音に質問されました。


「それでも、やっぱり3月30日にオープンしたいですか?」

回答はもちろんYES

「3月30日は延期しません」となんどもお伝えし、プロジェクトメンバーの皆様は大変だったと思います。

でもおかげさまで、そんなこんなで、いろんなプロの皆さんのお力を終結いただき、3月30日に何とかオープンできたわけです。

PRのプロにも関わっていただいていたので、ありがたいことにメディアの方にも数社お越しいただけるという幸せな開店日でした。

京都本店の開店までに関わっていただいたプロは...

・プロジェクトメンバー座組みのプロ
・事務局のプロ
・レシピ開発のプロ
・PRのプロ
・デザインのプロ
・CIのプロ
・物件探しのプロ
・店舗運営&スタッフ育成のプロ
・出店戦略策定のプロ
・設計のプロ
・工事のプロ
・惣菜製造のプロ

振り返れば、たくさんのプロにすごいスピードと高い能力で助けていただけたから成し得た開店でした。

今日は4周年。

4年前に支えていただいたプロの皆様、
開店後から今まで支えてくださっている関係者の皆様と、
開店からみそポタをご愛食いただいているお客様への

感謝の気持ちを忘れずに、
5年目のMISO POTA KYOTO運営も頑張ります!!

MISO POTA KYOTO公式サイト
https://misopotakyoto.jp


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