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ずっと知っているのに、深く知っていなかった"本みりん"について学んできました

岐阜県にある「白扇酒造」の加藤副社長(五代目)にお話を伺う機会をいただきました。

実は白扇酒造さんでは「本みりん」が創業商品とのこと。

今や売り上げの70%を占める、3年熟成の福来純「伝統製法」熟成本みりん

現代でも、酒類製造免許を取得するのは、ほぼ不可能と言われていますが、創業時の江戸後期ですら日本酒の製造免許を取得するのは難しかったということが理由だそうです。

さて、この”本みりん”
おそらく、物心ついたときにはすでにその存在が当たり前になりすぎていて、「甘い調味料」という情報で止まっていらっしゃる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

これから、そんな方にも知っていただきたい本みりんのお話を数回に分けてご紹介させていただきます。

今回は、本みりんの豆ちしき編からスタートです♩


江戸時代はエナジードリンクとしても飲まれていた味醂

江戸時代には、この味醂は調味料として使われるほか、あまりお酒が飲めない方にも飲みやすい「甘いお酒」として、また一種のエナジードリンクとして飲まれていたそうです。
私もお酒を飲み始めたときには甘いお酒しか飲めませんでした..
いつの時代も同じなのだなぁと納得。

本みりんの原料は基本的に3つ!

原料は、基本的に米麹、焼酎(蒸留酒)、もち米の3つだけ。
糖分の添加も一部認められているそうですが、白扇酒造さんの本みりんには添加された糖分は入っていません。

本みりん・みりん風調味料・みりんタイプ調味料違い

【みりん風調味料】
アルコール分を殆ど含まない(0.9%以下)
原料は糖類・クエン酸・塩・水分であることが多い

【みりんタイプ調味料(発酵調味料)】
アルコールを含みますが、塩が加えられています。
食品添加物の制限はない。

【本みりん】
材料は、もち米・米麹・蒸留酒(焼酎や醸造アルコール)。
糖類の添加は規定量まで認められていますが、本みりんと記載する製品には、これ以外の原料を入れることはできないそうです。

本みりんのアルコール度数は約14%-16%、購入できるのは20歳以上

エナジードリンクとして飲まれていた本みりんですが、度数は14%と結構、高めです
そのため、お子様やお酒を飲めない方に提供するお食事に使うときには、必ず加熱してアルコールを飛ばしてから、使うことが大切です。
お酒に該当するため、購入できるのは20歳以上だそうです(私も知りませんでした…💦)

本みりんを販売するには、一般酒類小売業免許が必要

本みりんはアルコールに分類されるため、販売するためには一般のお酒と同じように、酒類免許が必要です。そのため、購入できるのもお酒を販売しているお店ということになります。

本みりんの嬉しい点

砂糖などの甘みではなく、米由来の上品でやわらかな甘みがある
アミノ酸などを含んだ、奥深いうま味がある
テリ・ツヤが出る
加熱し、アルコールを飛ばすときに魚の臭いなども消してくれる
アルコールは分子が小さく、味をしみ込ませやすい
アルコールの効果によって煮くずれしずらい
塩を含む発酵調味料のように塩分濃度を気にしなくても良い。

いかがでしょうか。
本みりんと、みりん風調味料、みりんタイプ調味料(発酵調味料)などの違いなど、今まで気にされていなかった方も多いのではないでしょうか。

お料理に使えば、良いことだらけの本みりん。
しかし原料が3つということは、原材料の品質、また麹や製法へのこだわりが味を決めると言っても過言ではありません。

次回は、昔ながらの製法で今なお、本みりんを作られている白扇酒造さんの蔵(普段は非公開)での本みりんづくりをご紹介します!



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