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君は憧れだった

ある日、私は部活の練習中にふと目をやると、君が隣のコートでバスケットボールをしている姿が目に入った。

君は、背が高くてスタイルも良く、部活の中でも一際輝いて見えた。その姿に私はいつも心を奪われてしまい、自然と君のプレーに見入ってしまうのだ。

私は女子バスケットボール部に所属していて、君は男子バスケットボール部の一員だった。同じ体育館の中で練習をすることが多かったため、何度も君と顔を合わせる機会があった。

だけど、私はどうしても君に話しかける勇気が出なかった。君はすごくカッコよくて、私はただの平凡な女子高生。自分に自信が持てず、君に近づくことができなかったのだ。

それでも、君のプレーを見るたびに心が高鳴り、胸がトキメクのを感じていた。君のパスの精度やシュートの正確さ、そしてチームメイトとの息の合ったプレー。それら全てが私にとっては魅力的なものだった。

ある日の放課後、私はいつものように体育館に向かった。君たち男子部の練習が終わり、私たち女子部の練習が始まる時間だ。

すると、偶然にも君が廊下で立ち話をしているのを見つけた。私は足が止まり、君の姿に見惚れてしまった。

「すごいな、あの人たち...」と私は思わずつぶやいてしまった。

その言葉を聞いた君は、私の方を振り向いた。そして微笑んで言った。

「お前もすごいよ。いつも一生懸命練習してるじゃないか」

私は驚きながらも、君の言葉に嬉しさを感じた。私の努力が君にも認められているのだと思うと、少しだけ自信が湧いてきた。

「ありがとう。でも、やっぱり君たち男子部のプレーは格好良いよ。いつも見てるけど、本当にすごいな」

君はニッコリと笑いながら、言葉に詰まる私を見つめていた。

「じゃあ、一緒に練習しようよ。お互い切磋琢磨して、もっと上を目指そう」

君の言葉に、私の心は一気に躍り出した。憧れの君と一緒に練習するなんて、夢のような話だった。

私たちは一緒に体育館に向かい、練習を始めた。君のアドバイスや指導を受けながら、私は少しずつ上達していくことができた。

そして、時が経つにつれて、私たちはお互いに惹かれ合っていくようになった。君の優しさや情熱に触れる度に、私の心はますます君に引かれていった。

それから数年後、私たちは大学で再会した。君はプロのバスケットボール選手になり、私はバスケットボールのトレーナーとして活動していた。

君は笑顔で言った。

「昔、一緒に練習してた日々があったから、今があるんだよ。ありがとう」

私は感謝の気持ちでいっぱいになり、君に抱きしめられた。

「私こそ、君に出会えて本当に良かった。これからもずっと一緒にいたい」

私たちは互いの手を握り合い、これからも共に歩んでいくことを誓った。

憧れの先輩だった君との出会いは私の青春を彩り、私たちの未来を輝かせていくのだった。

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