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鳥を撮る~喜びと懸念と

 最近はカメラで鳥を撮ることが増え、かつ、上手く撮りたいとの思いが強くなっています。
 その理由の一つが、鳥は、被写体として難しい撮影対象だから。

茂みの奥のエナガを撮影

 例えばエナガ。森の木々の高いところから、涼やかで包み込むような鳴き声が聞こえ、響き渡るとき、見上げるとエナガが舞っています。でも、大概は枝から枝へとあちこちと飛び回っており、ファインダーで捉えるのは難しいものです。
 小鳥は概してそう。メジロもあんなに見かけるのに捉えるのは難しいものです。
 構図も難しい。

春を喜ぶホオジロ

 この時も鳥居との構図を狙ったものの、もう少しアップで撮りたかったところ。鳥は構図を考えて飛んだり、止まってはくれません。それゆえ、探求するのは実に奥深いです。
 ちなみにこれらの写真はいずれも、フィルムカメラで撮ったもの。当たり前だけど、デジカメ以上に難しい。

カメラの機能に躍らされている??

 最近、「野鳥撮影 入門&実践ハンドブック 現地で役立つノウハウ69」という本を読みました。
 とても実践的でよい本でしたが、「AF動作は『サーボAF/AF-C』にする」「シャッター以前を記録する『プリ連写』」など、最新のカメラの機能を活かすことを強調しているのが印象的でした。
 私は最近、OM SYSTEM OM-1MarkIIを買いました。AI被写体認識AF機能が付いていて、その中に「鳥」が入っており、このカメラのウリの一つだと考えています。
 他のカメラもAI被写体認識AF機能の充実が進んでおり、特に、前述の本にあるとおり「鳥」撮影のための機能が進化している。かように最新のカメラの機能のトレンドは「鳥」のような気がしています。
 その機能はとても便利ですし、私もその機能に注目して購入したのは間違いないのですが、逆に言うと、被写体として魅力があるものが「鳥」になりつつあるような気がしています。それはなぜか。
 ストリートフォト、スナップはともすれば「盗撮」と非難されかねない、モデルさん相手の撮影会は飽和状態、ヌードはウェブに載せがたいし、モデルさんとのトラブルも起きかねない、ネコはみんな撮っている・・・・・・そんな中、安心・安全に撮れて、かつ、カメラとして機能をアピールできるのは「鳥」なのではないか。
 もちろん、先に書いたとおり、鳥を撮るのは楽しいし、ガイドブックも最新のカメラの機能を活かすように奨励している。そのことはよいことなんだけど、でも、
 撮影の喜びが限定的になっているのではないか
 人と向き合ったり、いろんな被写体や表現への探求を怠っていないか
 カメラの機能に躍らされていないだろうか

・・・・・・自戒を込めて、生意気にもそんなことを思ってしまう、今日この頃なのです。

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