私のセクシャリティと初恋の人。

「あなたのセクシャリティは?」と聞かれたら
今の私は「性別は女性でビアンよりのパンセク」であると答える。

男性を好きになったこともあるし女性を好きになったこともある。
同性である女性を最初に好きだと意識した時にあまり悩まなかったので、取り敢えずはバイではなくパンセクとしている。
私の今までの傾向で言うと、多分好きになったら相手の性別やセクシャリティがどうであるかでは悩まない。
その人がその人であれば、それでいい。

ビアンより、としているのはここ最近は女性に惹かれることが多いのでそう表現しているという感じです。

話は変わりますが

初恋の話をしたいと思います。
私が一番最初に好きになったのはS君という男の子でした。
小5の時です。
かっこよくて、勉強もできて、スポーツもできて、
明るくてクラスムードメーカー的な存在でした。
でもどこか抜けてて、変なミスしては先生に怒られ、
クラスメイトを笑わせる、そんな男の子でした。

いつもいつも気になって、話せた時は舞い上がるような気持ちになって、クラスの席替えの時は必死に心の中で
彼の隣になれるのを祈ったりしてました。
恋愛ものの少女マンガを見ては、私もS君の特別な存在になりたいと夢想したものです。
間違いなく彼が初恋だったと断言できます。

ふと最初に好きになった「女性」は誰だったのか。
もし聞かれたら「中学の時の美術の先生」と答えるのですが、
S君を好きになったのと同じ頃に気になる女の子がいたことを
思い出しました。

名前は仮にAさんとします。
今ではフルネームもうろ覚えで多分、こんな名前だったような気がする、というくらい記憶が曖昧です。

Aさんは一学年上で転校生でした。
初めて見た時に、とあるアニメのキャラクターに似ていて
私は勝手に心の中でTちゃんとキャラクターの名前で呼んでいました。
まるでアニメから出てきたようで、廊下ですれ違う度に「Tちゃんだ!」と思っていました。
彼女に興味を持ったのはそれがきっかけでした。

クラスも学年も違うため、彼女と会うのは廊下や登下校中です。
気づくといつの間にか彼女を目で追っていました。
Tちゃんと勝手に呼んでいたけど、彼女の本当の名前は何だろうと気になり、
ある時廊下ですれ違った時に名札を見てフルネームを覚えました。
それ以降は、TちゃんからAさんに呼び方が変わりました。

彼女がいる教室の前を通る度に「Aさんいるかな?」とそわそわしたり、
廊下に貼り出された習字を見て「Aさんが一番上手い!さすがAさんだ!」とよく分からない悦に入ったりしていました。

気になりつつも、私たちには何の接点もなく、
友だちになることもなく、話すこともなく
Aさんは卒業しました。

次に再会したのは私が中学生になった時です。
私の通っていた中学校は学年ごとに校舎が違っていたため、
小学生の時に比べ、校内ですれ違うことは稀でした。

Aさんと会うのはだいたい帰宅時。
部活をさぼって早く帰る時にAさんを見かけることがありました。
おそらくAさんは帰宅部だったのでしょう。
見かけると自然と彼女に目が止まり、
仄かな喜びを感じていました。

私が中学2年生になる頃には帰宅時に見かけることもなくなり、校内ですれ違うこともなくなり、
私は不登校になったりして次第に忘れていってしまいました。
見かけなくなったのはタイミングが合わなかっただけなのか、
転校してしまったのか分かりません。

私が初めて恋した女性と言っていいかは分かりません。
S君に感じたような舞い上がるような感情はなかったので
恋ではなかったかもしれません。
友だちではなかったから友情でもないし憧れとも何か違う。
ただ、彼女に惹き付けられていたのは紛れもない事実で
今となってはAさんに対する感情が何だったのかは分かりませんが、
人生で最初に惹かれた女性であることは間違いないと思うのです。

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