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3年ローテは成功なんじゃないかという感想文 マジックの話
2023年5月にマジック:ザ・ギャザリングのスタンダードというルールにおいて、ローテーション期間の1年延長が行われた。これにより直近2年間に販売されたカードのみが使用できたスタンダードは、よりカードプールを広くし直近3年間に発売されたカードで遊ぶことができるフォーマットとなった。そしてそれから一年、3年分のカードプールが一通り出揃い、新スタンダードとしての環境を本格的に迎えることとなった。これはそんな新スタンダードについて思う、スナガガのプレイ感想文である。
みんなの不安と現実
多くのプレイヤーの3年ローテーションへの不安は、1つの強カードと、いくつかの強デッキに環境が支配され、長い間同じ環境で遊ばないといけないと言う不安ではなかろうか。 これに関して言えばアーキタイプの変化はそれほど多くのなかったが、各エキスパンションのカードはいい感じで輝いていたと言うのがスナガガの感想だ。
アーキタイプについて、赤単アグロや白単兵士、青白コントロールなどの伝統的なアーキタイプ、2年ローテーションの初期から存在していた白緑毒性とエンチャント、さらには黒単ミッドレンジやエスパーミッドレンジなどのデッキは、カードプールが増えるにつれてよりデッキが強くなり、良くも悪くも3年間を最後まで走りきった。
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ある意味でアーキタイプの入れ替わりの少ない環境とも捉えられるかもしれませんが、これらに加えカードプールが広がるごとに版図ランプや世界魂ランプ、ボロスブリッツなど新たなデッキも生まれ非常に、群雄割拠する面白い環境になっていたと思います。《死者の原野》を禁止にすれば、《王冠泥棒、オーコ》が大暴れしたり、《創造の座、オムナス》を誰も抑えることができずに数週間で禁止にしたりするような環境があったことを思うと、2年ローテよりも幾分健全なのかもしれない。
そして改めて各エキスパンションを眺めて感じたのは、意外といずれのエキスパンションのカードも活躍しているということだった。残念エキスパンションと言われた『真紅の契り』でも《婚礼の発表》や《神聖なる憑依》、各種スローランドなどスタンダードで遊ぶなら欲しいカードがいくつかある。またウィザーズの失敗と囁かれるエピローグブースターですら、世界魂ランプで活躍中の《復活した精霊信者、ニッサ》や白単必須の《銅纏いの先兵》、セレズニアエンチャントを復権させた《運命に導かれし者、ケイリクス》など環境を支えるカードたちが収録されている。各エキスパンションのカードパワーの調整も見事だったスナガガは思っています。
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スタンダードは盛んになったのか?
これはおそらく、そんなに変わらないか、ちょっと増えたぐらいではないかと感じている。たしかにスタンダードは遊びやすくなった。カードプールが増えることで、初心者は手持ちのプールや安いカードでも強いデッキを作ることが可能になったし、コアなプレイヤーにとっては多くのカードの中から最良の一枚を選ぶことできるようになり、深い調整しやすくなったはずだ。
それでもスタンダード盛り上がらないのは、もはや理由は対外的な部分にあるのではないかとスナガガは思っている。今までマジック:ザ・ギャザリングの間口であり、トレーディングカードゲームの間口でもあったスタンダードは役割を終えようとしているか。日本では少なくともTCGの間口は、ワンピースやポケモンなどのキャラクターカードへと移り、海外ではディズニーのロルカナや、まだ歴史の浅いFlesh and Bloodへ間口が変わりつつあるのだろう。
マジック:ザ・ギャザリングというゲームは30年もの歴史をもつ。この歴史は常にプレイヤーの探究心くすぐり、さまざまな発見楽しませてくれる。しかしそれは初心者に優しくない。複雑なコンボに理解すらできずにやられてしまったり、強く高いカードを買ったとしても、遊んでいないフォーマットでの禁止制限の影響などで安くなってしまったりと、歴史が深ければ深いほど熟知していないことに対するリスクは大きい。マジック:ザ・ギャザリングそのものが間口になれなく成りつつあるのだ。
ただスタンダードが不人気であることは、あまり悲観すべきことではないと思っている。少なともTCGプレイヤーたちがより深くカードゲーム楽しみたいと思ったのなら、おそらくマジック:ザ・ギャザリングたどり着く、それが世界最古のカードの特権であり、先行者利益だ。そしていつか多くのTCGプレイヤーがその門戸を叩く時のためにも、この面白いスタンダードを調整し続けてくれたら嬉しいと思うスナガガでした。
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