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洗濯機と洗剤。

7月の末に、洗濯機が故障した。
買ってから10年目くらいだったろうか。何度電源を入れ直しても、エラーが出て、洗濯が始まらない。

その日のうちに、夫と家電量販店に行き、洗濯機を買った。普段家電はネットで口コミなどを調べてそのまま通販で購入、というパターンが多いのだが今回は店舗に行った。

ずらりと並んだ白物家電。
10年も経つと技術の進化もめざましい。店員さんが、丁寧に説明してくれたのもよかった。何事も、その道のことに詳しい人から話を聞けるというのはありがたいことだ。それだけでも来てよかったと思った。最近、ネット通販ばかりで、こういう形での買い物をする機会が減っているなぁとしみじみ思った。一昔前は、ドラム式洗濯機は洗浄力が縦型に劣る、というようなことがよく言われていたが、むしろ今はその逆なのだという。
電機メーカーのほとんどは生産を海外の工場で行っているものとばかり思っていたが、パナソニックは国内製造のものを出している。
店員さんの淀みない的確な説明を聞きながら、最終的に、一番新しいモデルのものを購入した。
出費は嵩んだが洗濯は毎日のことだ、ウダウダ悩んでいても仕方がない。買うかどうか悩みながらコインランドリーに通い続ける方が無駄というものだ。それに私は変なところが潔癖なので、正直コインランドリーで洗濯すること自体に少々抵抗がある。私は旅館や施設のスリッパを素足で履くのも無理なほど潔癖である。爪先のどん詰まりのところを想像するだけで怖気がする。ちなみに部屋は雑然として散らかっているタイプの人間だ。

閑話休題。

最新式のドラム式洗濯機が我が家に来てから、もうすぐ3ヶ月が経とうとしている。心なしか、洗濯物の洗い上がりも以前より良いような気がする。少なくとも、臭い残りのようなものを感じたことがない。洗濯機の性能もさることながら、洗剤の進化もめざましいということなのだろう。洗濯機メーカー側も、洗剤のポテンシャルを最大限に引き出すことに重点を置いている、というようなことも店員さんは言っていた。

さて、この最新のドラム式洗濯機であるが、洗剤の自動投入機能がついている。最新モデルでなくとも、最近の洗濯機には搭載されていることは多いだろう。あらかじめ洗剤をタンクに貯めておいて、洗濯物の量に応じて自動的に逐次投入、というものである。
私はこのタンクに入れることで、タンク周りに石鹸カスのような汚れがつくのではないかと気になって、毎回自分で測って入れていた。しかし、うまく注げなかったり、数滴こぼれ落ちたりと、石鹸カスどころではないデメリットの方が上回ることに思い至った。
そして数日前、自動投入の設定を行なった。

結果、ものすごくストレスフリーでスマートな洗濯ができるようになったのである。今までの逐次手動投入の手間は一体何であったのか。
量に応じて機械が自動的にミリ単位で測ってくれるので、うっかり入れ過ぎたり足りなすぎるということもない。柔軟剤の効きも適正であるように感じる。

ところで、進化を続けるのは洗濯機だけではない。洗濯洗剤も同様なのだ。快適で清潔な生活のために、日々企業は切磋琢磨している。毎日使う消費者だからこそ企業のその情熱に敬意を抱いている。
素晴らしい洗剤である以上、適正な使い方をするのが開発した企業に対する誠意というものだ。したがって、私は洗濯物の量に対する適正な量の洗剤をを使用したい。洗濯機だって、それを汲んでミリ単位で測ってくれているのだから。

つまり何が言いたいかというと、「ジェルボールタイプの洗剤ってどうなの?」ということなのだ。ミリ単位で計測できる液体洗剤と違って固形洗剤だと水の量に応じた適正な洗濯ができるのかどうか、非常に疑問だ。30リットル、40リットル、50リットルの水に対して一粒入れたとしたらその洗浄力はどの程度なら最大限発揮できるのか。
洗濯なんかラクしてなんぼ、こちとら忙しいんじゃという人々にはウケがいいだろう。
しかし、ジェルボール型洗剤は果たして洗濯機のポテンシャルを生かし切れているかどうかといえば懐疑的にならざるを得ない。私自身、ジェルボールを試したことがあるが、湿気に弱く、ジェルボール同士がくっついたり、ベトつくことにストレスを感じた。
もっとも、常に毎日洗濯物が一定量である、という状況ならば毎回投入量が一定なジェルボールは有効であるかもしれない。それならばジェルボール派の言い分にもうなづける。

ただ、今は自動投入の時代である。ジェルボールをつまんでポイする必要すらないのだ。ドアを閉めボタンを押すだけで洗濯が完了してしまうのだ。
タンクが空になれば洗濯機が教えてくれる。その時に再びタンクを満たせばいいだけのことなのである。どちらがよりスマートな洗濯であるか、言わずもがなである。

また、我が家の洗濯機はタッチパネル式で、洗濯終了後10分経つと催促のピーピー音が鳴るのだが、それまでの間にドアを開けると「すぐ取りに来てくれてありがとうございます」というサインが出る。これはちょっと嬉しい。これを見たいがためにすぐ取りに行く習慣がついた。もっとも、二日酔いなどでだるい朝はドアだけ開けてそのサインだけ見て干さずに何処かへ行ってしまう、という裏切り行為をしてしまうこともある。
私は単純で、せこい人間なのだ。

ちなみに今日は、ちゃんと10分以内に取りに行って、即干した。
そして、物干し台で、「柔軟剤がちゃんと効いているな、それは適正な量を使っているからだな」と改めて実感した。

ここまで、日本のメーカーの洗濯機、洗剤の素晴らしさをひたすら述べてきた。
きっと、洗濯機や洗剤だけでなくあらゆるメーカーの企業努力で人々の快適な生活は支えられているのだろうと思う。何事にも真面目に取り組む日本人の心意気は素晴らしい。私は日本に、日本人として生まれて本当によかったと思う。

洗濯一つから日本にまで話が飛躍してしまった。
このままでは話が宇宙にまで広がってしまいそうなので、この辺で終わりにしておく。

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