詩|だれかと米のマリアージュ
すし
それは刺身と米のマリアージュ
ネタだけ食べてはものたりない
ひと口で広がる宇宙のよう
カレーライス
それはルウと米のマリアージュ
実家のカレーがシャビシャビなのは
きっとルウをケチったせいだ
親子丼
それは鳥と卵と米のマリアージュ
いのちを二世代食べる罪深さ
手を合わせ「いただきます」と言いましょう
ふりかけごはん
それはふりかけと米のマリアージュ
幼稚園で一番好きなものと皆に伝えたときの
母のきもちはいかほどか
なにかとだれかとマリアージュ
結婚したくないけれど結婚する米もいる
そんな気持ちもぜんぶぜんぶ飲み込んで
おいしいと祝福をあげるわたしたち