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moonというゲーム。※ネタバレ有※

こんにちは。
noteに切り替えてから投稿する一歩が踏み出しやすくなった気がします。
あ、この記事ですが前置きめちゃくちゃ長いので注意して下さい。
思い出話に興味がない方は次のセクションをすっ飛ばして下さい。
ご勘弁。

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皆さんゲームはお好きでしょうか?
ここで取り扱うゲームとは、コンピューターゲームのことです。いわゆるテレビゲームなんかの事ですね。

僕は小学生から高校生までは本当によくゲームをする子供で学校から帰って来たら真っ先にゲームの電源をつけて部屋に篭るという生活を毎日のように繰り返してました。

ところがどっこい大学生になってから、ほとんどゲームをやらなくなってしまうのですが。。。

そんな自分の中でゲーム全盛期だった当時中学生の僕は、謎の厨二病(今ではもう死語なのか?)を発病し、周りの友達がプレイした事が無いゲームをディグっては自己満足で悦に浸るという趣味が出来ました。

そんな趣味の中で、ある1作のゲームソフトの存在を知ります。

そのソフトこそが、

moon

というゲームです。
僕がそのゲームを知った時には既にプレミア価格(当時5000円くらいだったかな?)がついてて、地元のような田舎町ではそんなレアなゲームは店頭じゃ滅多にお目にかかれない代物でした。

ある日、高校生になった僕が学校終わりに地元の中古ゲーム屋に寄って良いゲーム無いかな〜と店内をうろついていた時。
なんとショーケースの中にあの moon があるではありませんか!
価格5000円、当時バイトもなにもして無い唯の帰宅部高校生にとっては大金でしたがここで逃せば一生手に入らないかも知れないと思い、即決で購入しました。

こうして夢にまで見たレアゲーを手に入れた僕ですが、なかなかプレイ出来ないんですよね、こういうゲームって。
なんか特別感あるというか大切にしたいんだと思うんですけど、「いつやろうかな」とか「いや、まだこのタイミングじゃないな!」とか思ってしまう。ここぞという時にやりたい気持ちが強くて。。
これ僕だけですかね?
パッケージを見ては満足して棚に戻す。
という生活が数年続きます。

大学生になったある日の事でした、先述した通り僕はゲームを殆どやらなくなってました。
嫌いになったわけでは無いんですが、なんか腰が重たくなっちゃったんですよね。
ただその日はもうめちゃくちゃに暇でなんかする事ないかな〜って部屋中見渡していたら、パッと目にmoonのパッケージが入ってきました。
なんだか縁のようなものを感じ、ついにやる決意をするのであります。

ハードはPS2とPS3を持っているので、メモリーカードの不安定さが怖かったというのもありPS3でプレイ。
PSソフトあるあるだとおもうんですけど、あの独特の言葉選び、グラフィック、演出、今だとちょっと規制されそうな内容が盛り込まれていて逆に新鮮でした。

初見の感想は、「ムズすぎワロタ」でした。
このゲーム初見、攻略無しでクリアできる人いんのか??
憧れのゲームだったんですが、なんだか自分の中でギャップが凄すぎて1度進めることができた足をまた止めてしまうことになりました。

そしてまた数年後、時は西暦2020年。
あることをキッカケに再び歩みを進めることになります。
それは、「Undertale」というゲームをプレイした事です。
久々にエンディングを迎えるところまでプレイしたそのゲームは僕の大好きなMOTHER2や昔積んでしまっていたmoonの雰囲気をビシバシと感じる内容でした。
衝撃を受けた僕は、こんな素晴らしいゲームに影響を与えたmoonをせっかく持っているのにクリアしてないなんで自分はどうにかしてやがる!!!と思い、すぐさまPS3の電源をオン!!!

つかない。

YLODという症状で壊れてました。
いわゆるソニータイマーってやつ、マジで許さんぞ、オイ。

絶望にうちひしがれていたところ、なんとなくインスタを見てたら一筋の光明が差します。後輩の投稿にSwitchの画面にあのmoonのタイトル画面が映った画像がアップされているではありませんか!
話を聞くと、つい最近NINTENDO Switchのダウンロードゲームソフトとして完全移植されたとのこと、凄い時代来てんなオイ。
こうして、再びこのゲームをプレイするチャンスを得ることが出来たのです。

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長い長い前置きは終わり、ここからがやっと本題です。

先程、moonのエンディングを無事迎えることができました。やっぱり今回も、このゲーム初見で攻略無しでクリアできる奴おるんか?と思いながらやりましたが、、
ので、その感想というか、思った事をまとめたいと思います。

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このゲームは「もう、勇者しない」というキャッチコピーで当時話題となったアンチRPGゲームです。
どういうことかというと、

今までのRPGといえば勇者(正義)がいて、魔王(悪)がいる。勇者は魔王を倒し、世界の平和を取り戻す為にあらゆる手を尽くして来る魔王の手下を倒し、民家に立ち寄っては旅に有効なアイテムが無いか探し、レベルやスキルを上げることでラスボスである魔王に立ち向かう。
というのが王道ストーリーだと思います。
しかしこのRPGは、あくまでゲーム設定というフィルターを通しているからこのストーリーが成り立っているだけで、実際にゲーム内で生活している人からすれば自分の部屋を勝手に荒らし周り、モンスターからすればなにも悪い事をしていないのに勝手に殴られ魔法を撃たれて命を取られる。魔王に至っては、世界に起こる異常現象の原因として勝手に仕立て上げられる始末。
たまったもんじゃないですよね。

しかしこのゲームでは、そういったフィルターを一切通さない、ありのままの世界を探索することができます。そこ住む人達の生活や、罪のないモンスター達の可愛らしい生態、生きた世界が広がっています。
そして勇者に傷つけられたモンスターの魂を救出する事で「ラブ」を集め、傷ついた世界を救うストーリー。
これがこのゲームでいうところの、アンチRPG。

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まず基本的な設定として、moonというゲームをプレイする子供がある日、ゲームの世界に迷い込んでしまうというところから始まります。
そして、このゲームは3つの視点から物語が語られます。

1、このゲームをプレイする自分自身。
2、このゲーム内でmoonというゲームをプレイする主人公。
3、このゲーム内でmoonというゲームの世界に迷い込んでしまう主人公。

勘の良い方ならお気付きかもしれませんが、一つ前のセクションで書いたことがこのゲームの世界では同時進行しています。
つまり、2の「世界を滅ぼそうとする自分」と3の「世界を救おうとする自分」の2つの存在がこの世界には同時に存在することになります。

これはゲームの終盤、ラストダンジョンで確信に変わります。
そして、3の自分が世界を救う唯一の方法とされる「ラブ」の力で閉ざされた扉を解放し、世界に光を照らそうとするも失敗。2の自分はゲームを全うし、ラスボスを倒しでゲームクリア。しかし、なにかおかしい。そしてラスボスは気づきます、
「主人公よ、次にあなたの前に扉が現れた時、必ず開いて下さい」
そう言い残し、消滅。
2の自分は3の自分をも敵とみなし、切り付けてしまいます。

そして暗転、主人公の母親の「いつまでゲームやってるの!早く寝なさい!」という一言で現実で目を覚ました主人公に2つの選択肢が与えられます。

コンティニューしますか?

YES / NO

そこに映し出されるのは、テレビゲームと星空の見える窓と自室の扉。
ここまで来てるので言いますが、エンディングを迎えるにはNOを選択します。
YESを選ぶと再び主人公はゲームの中に吸い込まれ、画面が砂嵐に切り替わり、そのままゲームは進行することはありません。

ここでなんとなく1つのメッセージが浮かんでくると思います。
ゲームを中断することがトゥルーエンドへの道であるということは、主人公がRPGをするから罪もない命が奪われ、人々が迷惑を被ってしまうのであって、それならそもそもフィルターのかかった世界を旅すること自体が間違った行為であるということ。

ラスボスのいう「次に現れると扉」とは、1の自分に対して、ゲームなんてやめて自分自身の人生を楽しむための一歩を踏み出す為の扉だというメッセージであると、ぼくは解釈しました。

そして僕はさらに1つ思ったことがあります。

このゲーム、そもそもクリアさせる気が無いのでは?

今までこのゲームをトライする度に思っていた「このゲームを初見で攻略無しでクリアできるやつなんて居ない」ということは、あながち間違いではなく製作者としては、ゲームではなくリアルを楽しんでほしいという意図があったのではないか?と。
故にバカみたいに難易度の高い謎解きが多いゲームだったのかと自分は納得しました。

ゲーム自体もその世界での生活に触れることそのものを楽しむことができたらそれで良いわけで、なにもクリアすることが目的では無いんだなと。

なんて斬新な発想、アンチRPGの時点で素晴らしいアイデアなのに、さらにその上を行かれた感じ、素晴らし過ぎますね。
本当に感動しました。

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と、いった感じでダラダラの感想を述べました。一部考察になってますが、如何でしたでしょうか?
あくまで個人の考察なので、異論はウェルカムです。むしろみんなの意見聞きたいです。

てか、この文章をまともに読む人なんているのでしょうか?

まあそもそも、この記事を読むことが目的ではなく、自分自身でこのゲームを体験することにこそ大きな意味があると思いますので、皆さんぜひプレイしてみてね。
みんな何かに縛られず、自由に生きれたらいいね。

それでは、また。