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くじらの謎①

 わたしの生まれたまちには、通称「くじら」と呼ばれる場所がある。

 海の近くでもないのに「くじら」。

 気になるよね〜?(いとうあさこさん風)

 子どもの頃は、「なんでくじら?」と気になって、「昔は海だったとか?」「ここから見える山が、くじらの形に似てるから?」と、理由を色々考えたりしたこともあった。

 が、小さい頃あれほど不思議だと思っていたことも、たいていの場合、大きくなるにつれて薄れてしまうものなんだよね。

 わたしも例に漏れず。

 改めて誰かに尋ねることもなく、深く追求することもなく、結婚して実家を離れ、幾年月。

 くじらの謎は謎のまま、忘れかけていた。


 それがたまたま先日、日本人のおなまえという番組を観ていた時のこと。

 「徳次郎」と書いて「とくじら」と読むという栃木県の地名が取り上げられていた。

 もともとは日光に久次良(くじら)という一族がいて、そこから出て移り住んだ者たちを「外の久次良」=「外久次良(とくじら)」と呼んだことから「徳次郎」表記になってからも呼び方としてはずっと「とくじら」だったそうだ。しかし、昭和(29年)の大合併の際、「とくじろう」とふりがながふられてしまった。それから半世紀以上経った今年ついに、住民たちの「とくじら」に戻してほしいという長年の熱い想いが実り、ふりがなもすべて「とくじら」に正式に戻された、というお話だった。

 よかったよかった^ ^


 ん?

 んんん?

 「くじら」……?

 あの場所の呼び名とおんなじじゃん!

 小さい頃から気になっていた(忘れかけていたけど)「くじら」の謎、もしかしたらスマホという神器がある今なら解けるんじゃない?


 つづく(多分)


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