見出し画像

【大会】秋吉台エクストリームトレイル エクストリームコース/72km(2022/06/19)

基本情報

開催日: 2022年6月19日
走行エリア:秋吉台のカルスト、並びに周辺のトレイル
距離:約72km
標高差:約2250m(公式)
制限時間:15時間
開始時間:朝5時

秋吉台エクストリームトレイルは山口県美祢市に位置するカルスト台地である秋吉台で行われるトレイルレースである。

36kmのロングコース、ロングコースを2周するエクストリームコースがあり今回はエクストリームコースに参加した。

ちなみに人生初のロングトレイルレースであり、ウルトラマラソンである。
というか72kmという距離は練習でも走ったことはなかった。

動画

会場

秋吉台家族旅行村が会場の中心地となる。
本部、受付、駐車場、スタート&ゴール、エイドがある。またゴール時にはキッチンカーがいくつか出店しており、カレーやうどんが食べられる。

スタート前

画像1

受付は前日。広場で装備チェック、ビブスやガイド・参加証の受け取りがある。市内に余裕をもって前泊、レースに備えてかなり早く床につくも興奮してかほとんど眠れなかった…寝坊するよりはマシではあるが。

当日は朝4時に到着し装備の準備。
私はバイクでの移動のため、薄暗い駐車場での着替えとなった(あらかじめウェアは下に着ていたので脱ぐだけ)
見通しが良くないので補給食のセット等にちょっと手間取った。

スタート

画像2

エクストリームコースは朝5時に出走。
緊張の一瞬に向けてカウントダウン。
スタート時にはけっこう明るくなってきており、この時間は涼しく走りやすかった。

画像3

カルストエリアに出る前、登りで渋滞が起きたがゆっくりと。前半はとにかく様子見とした。
どれくらい体力がもつか読めなかったので1km/6:00~を平地での基本ペースとして巡行、登りは長いなら歩くこととした。

画像4
美しい日の出

薄暗さが入り混じった空に太陽がゆっくりと昇る。澄んだ空気の全周囲カルストから臨む日の出はとても美しかった。

…という風情を感じる余裕はこの時点ではあった。

10km

画像5
走って気持ち良すぎる

※YAMAPの地図に写真位置が表示されてなかったので、ここからは元写真のexifなどから位置を推定

6時半にもなると明るくなり、かなり見通しが良くなった。コース中でも随一の気持ちよいエリアはこの辺だったと記憶している。

画像6

カルストエリアはこのように標高差がそこまでない登りが繰り返される感じ。50-200mくらいだろうか。登りっぱなしではなく登っては降りる、なのでジワジワと効いてくる。
ちなみに見ての通り遮光物はない。これが後半に効いてくる。

20km

画像7

エイドを抜けた先にある登り。
ここまでにエイドは2つ通過している。ここを撮影したのは7時44分だったが、すでに暑くなってきておりエイドではソフトフラスクに水を補充してもらう必要があるほどになっていた。

約30km

おそらく正確には29kmくらいだがキリが悪いので繰り上げる。

画像8
かなりきつい登り

写真ではわかりにくいがここはかなり坂がきつく、ここからの5kmはコース中で1、2のキツさである。横を車が楽々走っていくのには苦笑いする。原付はアクセルをしっかり回さないと登らないようだ。

画像9

そしてこの先、家族村への分岐から林道を経由してカルストエリアで最後のピークを踏むのだが(赤丸の中間くらいから林道)、つづら折りのトレイルは登りがきつかった。

ロングコースだとこの一連が最後の難所となるが、エクストリームコースは通過点に過ぎない。

36km

一周目終了。この時点では5時間切るくらいだった。想定の6時間超より全然速い。
給水と補給し、いざ…と思うもけっこうつらい。暑さで頭がまわらない。
周りを見るとリタイアする人もちらほら見えた。

これはけっこうヤバいのではないか、と一旦休む。この場においては練習での経験が生きた。
やるべきことは端的に言えば以下であると考えた。

①給水
②補給
③冷却
④休息


①経口補水液で対応。粉末を一応持ってきていた。美味しく感じたので確実に脱水である。
②ドロップバッグからマルトデキストリンベースの補給食を2点ほど摂取。
そして2周目用に予め用意したメダリストのBCAAドリンクをバッグイン、この後少しずつ使用した。
③動脈、頭を冷やす。氷嚢も3つほどいただき、主に首にあてる。
④10分くらいだろうか、上記を行ったうえでベンチに座る。

結果、体を動かせるという状態までは回復。
もともと足は残っているので続行を決めた。
ここからがハードな2周目の始まりである。

※ちなみにここから写真はない。
GoProで撮影していたし、スマホをいちいち取り出す余裕はなく基本同じルートだし…

46km

一周目で書いてなかったが、10km地点には標高差200mほどの最大傾斜地帯が続く。ここが30km地点と同じくらいきついところである。どちらも舗装路となっている。このコース、舗装路は基本登りが多い。

トップ層以外はほぼ歩きとなる坂が長く続く。気持ちいいカルストの後なので、そういう意味でもきつい。一周目以上に歩いた。

画像10
登り地獄

木のないカルストに出てからは当然遮光物がなく、昼前後ということで暑さもどんどん上がってくる。登りにあっては歩き、降りにあっても飛ばせずという状態でなんとか進む。平均ペースは1km/1分以上は遅くなってたと思う。

エイドを見つけてはひたすら体を冷やし…を繰り返してなんとか進む。しかし段々補給自体はできるように体調は回復してきて、55kmくらいからは一周目と同じくらいのペースで普通に走れるようになっていた。

暑いけどパワー自体は戻ってきた、という具合。
今思えば多分BCAAドリンクの力、一周目で少しずつ食べてたトレイルバターによるものと思う。

60km~

この時点でだいぶ余裕が戻っていたのでタイムをみる。
36km地点で完走できれば御の字、と切り替えていたが60km地点で10時間台の可能性が見えたので再度気持ちをレースモードに切り替える。
60kmくらいにある降りもバッチリ走れたので突き進む。

激坂前のエイドではガッツリ頭を冷やしつつ、ボランティアさんに冗談を言えるくらいには頭も働いていた。坂は歩いたけど。

最終の林道を越え、龍護峰のピークを踏んだ時点で残りは3km程度。
1km/5:45を維持すれば10時間台にはギリギリ間に合うペースであった。
あとは降るだけなのでそれだけではもの足りない、ということで一気にかっ飛ばしてゴール。

記録は10時間51分だった。
当初想定より1時間早く、中間地点の想定より2時間以上早い。

順位的には上位3割程度ではあるが、リタイアの可能性があった場面で適切に対応して持ち直したこと、最後に妥協したいという弱気をねじ伏せたことから強い満足感と納得があった。

ちなみに余談であるが優勝者はぶっちぎりの6時間台である。どういうこと…

コース

画像11

※時計のタイマーには記録との差あり。
補給食はそこまで摂ってないが5000kcalでも案外動けるのだなと驚いた。
この後から翌日は腹が減ってしかたなかったけど。

所感

・初のロングトレイルレースはハードながら印象深いレースとなった。
昨年の平尾台トレイルレースの40km以来のロングトレイルレースとなり、同じカルストながら全然印象は違うものだとしみじみ感じた。

・暑い中走るのはやはりきつい。何より直射日光がやばい。

・練習において色々な環境下で自分の体に起こる変化がいかなるものかを試したこと、運動生理学の基本を学んだことは結果としてかなり身を助けた。
熱中症はこのラインから、というのがなんとなくわかるようになったのでそこに至らないための対策が何かは知っていた。

・2周目のダウン寸前から、熱中症対策の方策として以下をとった。
これが正解だった。

A.エイド
・氷嚢は必ず確保、走りながら動脈を冷やす
・数分は必ず休む
・靴を脱いで足を冷やす
B.水分はほぼ常に少量ずつ口に含み、舌に乗るくらいの量をゆっくり飲む
C.塩タブは1時間に一度必ず摂取

・また熱と運動で内臓が疲弊し補給も効率が落ちることは知っていたので、エビオス錠でビタミンを補給したことも効いた。

・トレイルバターは有効だが、暑いと大1本は無理。半分残した。次回は小サイズにしようと思う。


<まとめ>
きつさもかなりあったが、終わってみれば本当に参加してよかったと思える大会となった。必ず今後に生かせる。
これでiTRAポイントが3点となり、ようやくスタート位置についたようなものである。

ロングトレイルレースは経験がものをいうということがわかったので、練習と座学だけでなく様々な方面から学びと能力向上を深める必要性を感じた。


次回大会は8月のやっちろドラゴントレイルだ。
秋吉台エクストリームトレイルより2段階くらいタフで難易度もハードな大会になることは確定である。順位は計測されないということもあるが、目標は制限時間内にゴールテープを切ることである。正直達成できるかはわからないが…

この記事が参加している募集

#ランニング記録

3,090件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?