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これはもう食べるアトラクションだ!   ラーメン二郎に行ってみた。

久々に東京へ出たので、ぜび本格ラーメンを!ということで、ラーメン好き憧れのお店『ラーメン二郎』へ行ってみました。
 
今回〝挑戦〟したのは、神田神保町にあるラーメン二郎。いろいろ調べていたら、本店に近い味でジロリアン御用達とのこと。期待と不安が入り混じります。
というのも、かなり昔に一度「高田馬場店 (現在は無い)」に行ったことがあったのですが、無知識のうえ軽いノリで行ってしまったため、食べきれずに惨敗した苦い思い出があるのです。
 
と言いながらも、今回もたいして勉強せずに訪問してしまい、後に反省したのですが、現地に到着してまずその不勉強さを痛感することになるのです。

上の写真は、午前11時に開店する「ラーメン二郎 神田神保町店」に、午前11時45分くらいに到着した〝現場〟の様子です。
ぱっと見、どの店の行列なのか把握できないところから、脳が先制パンチを食らいます(笑)
実際、二郎の向かいには「キッチンジロー」というお店があって、道を挟んでこっち側の列はそっちのお店に並んでるのかな?とも思えるのです。
やがて、どうやらここにいる全ての人がラーメン二郎を食べに来た人たちなんだ…と理解できると、お昼ご飯を食べようとこの時間にノコノコやって来たことがすでに間違いっだったことに気付かされるわけです。
 
私のような素人には、どこが最後尾なのか本当に分からなくて、並んでるお兄さんに聞いてようやく事の重大さを把握できました。
 
図解で説明すると、行列はこうなっています。↓ 

※画像クリックで拡大表示
 
黄色い矢印が、列が進む方向です。
私が来た時は、この4番ブロックの後ろが最後尾だったんですね(笑)
いや、実際笑ってる場合じゃなくて、二郎を食べるか・諦めるか本当に悩むくらいの待ち人数なんです!
 
 それでも遠い田舎からわざわざやって来たし、今回は時間的にも余裕があったので、ひとまず様子を見ることにしました。
そう、ここは普通のラーメン屋ではありません。あの〝ラーメン二郎〟なんです。簡単に諦めるわけにはいきません。
とは言え、行列は全く進む様子を見せず、私の前後では10分くらいで諦めて帰っていく人もいましたが、それは当然のことですね。よほどの食欲覚悟がなければ、この列には留まれません。
 
 このお店がこんな行列になる理由はいろいろあると思いますが、やはり二郎のラーメンはボリュームがすごくて食べるのに時間がかかるので、一般的なラーメン屋と比べると明らかに回転効率が悪そうです。
15分に1回くらいの割合で、真っ白な割烹着と真っ白な長靴に身を包んだ二郎の店員さんが、行列の交通整理にやってきます(笑) 
いや、ちょっと滑稽な光景にも見えるんですが、並んでる人もお店の人も真剣勝負で、本当に大変なんです。 


日差しが一切差し込まない、薄暗い極寒の路地に立ち続けること1時間ちょっと。ようやく私の位置は1番のブロックまで進みました。 

ここまで来ると何か得体の知れない想いが去来します。
この日は土曜日でしたが、だいたい並び始めから1時間半店内の券売機に到達できる感じでした。神保町二郎に挑戦しようと思ってる初心者勢の方は参考になさってください。
冬にこの路地に並ぶためには、「絶対に二郎を食らうという強い意志」「寒さに耐え続ける体力と装備」「暇つぶし対策」そして、「路地を往来する通行人の〝冷ややかな視線〟に耐えるメンタル」などが必要になってくると思います。
 
私の場合、かつて愛知万博の時にアトラクションの行列に3時間並んだのが、人生最長待ち時間の記録なのですが、飲食店において1時間半も並んだことなど、かつてありませんでした。
本当に良い(?)経験ができましたよ(笑)
 
 
さて、行列体験があまりにもセンセーショナル過ぎて忘れかけてましたが、本題はラーメンを食べに来たということでしたね。
〝例の呪文〟のルールもいまいち分からないまま注文してしまいましたが、お店の人も私が素人というのは見抜いてくれたようで、優しく対応してくださいました。


こちらが極寒の路地に1時間半耐え偲び、たどり着いた至高の一杯です!
「ラーメン 700円」
となりの席に座られた常連さんらしき方の〝言い回し〟を参考にして、「ヤサイ・ニンニクで」なんて言ってしまいました。 初心者のくせに。
それが正しく伝わっていたのかどうかは、今となってはわかりませんが(笑)
 
このボリュームでこの値段は、やはり普通ではないな…などと、あらゆる角度から二郎の精神攻撃をくらっている気になりますが、ひと口食べてみるとこの一杯が世間を賑わす理由がわかる気がするのです。
 
素人の私が、どんな味かというのを文章で表現するのは難しいのですが、なんというかこれは普通のラーメンではないぞ…という感覚はハッキリとわかります。

スープや麺など全体的に〝甘い〟味付けの印象で、もやしのシャキシャキと肉の柔らかさの対比だったり、歯ざわりの良い麺のモチモチ感だったり、とにかくそれらすべての感覚が〝うまい!〟という食感1点に集約されるような感じなんですよね〜。
 
 どこかで「二郎はラーメンではない。これはもう二郎という食べ物である。」という格言みたいなものを聞いたことがある気がしますが、まったくもってその通り!
 ラーメンの体(てい)をした、今までに食べたことのないただひたすらにうまい食べ物という印象なんです。
二郎中毒になる人が絶えないとは聞きますが、それもわかる気がしました。ひと口すすったら最後、食べれば食べるほどお腹が空いていくような、なんとも不思議な体感を覚えました。

ただし!

ただ〝うまい〟だけで終われないのが二郎ラーメンの〝怖い〟ところでもあります!
先述した通り、特にこの神保町店のラーメンは大盛りにせずとも量が多いのです。大量の極太麺に加えて巨大な肉のカタマリ(焼豚)がドカンと3つくらい載っています。
 
私はあまりたくさん食べられる方ではないのですが、3分の2くらい食べたところで箸が止まってしまい、とても焦りました。
さっきまで全身が〝うまい〟と叫んでたラーメンのはずなのに、一気に気分が悪くなってしまったのです。表現を憚(はばか)られますが、〝吐きそうな〟感覚に近かったですね。あまりにも夢中になって食べ過ぎて、ちょっと胃がついていけなかったのかもしれません。
お隣りで同じ量を食べてたはずの常連さんも、早々に食べ終わって退席してしまうし、余計にプレッシャーがのしかかりました。
 
昔、高田馬場で惨敗した記憶がよみがえり、今回も「ごめんなさい…」と店主にあやまる光景が脳裏をかすめました。
しかし、それだけは絶対にダメだ!と自分を奮い立たせ、再び麺に喰らいつきました。
この時私の脳内では「ロッキーのテーマ」…ではなく、大喰いアスリートのMAX鈴木さんが動画で使ってる勇ましいテーマ曲が流れていた気がします(笑)
ここからは食欲を通り越して、根性だけで食べる感覚でしたが、これまた不思議と食べているうちに〝あれ?やっぱりうまいかも〟なんてことを感じるんですよね(笑)
 
これほど食べるのかしんどかったことはかつて無いですが、本当にギリギリのところで食べきることができました。
2時間前の並び始めからここに至り、これは〝激闘〟だったと実感しています。
 
とにかく、あの〝無骨そうに見えて優しい感じの店主さん〟に不快な思いをさせずに済んで良かった!と心の底から思い、限界を超えた胃袋を抱えながら店を後にしました。
この時感じる達成感とか優越感みたいなものは、噂に聞いていた通り気持ちのいいものがあります!
 
 路地を見ると、私が来た時にあった4番の列はなくなっていましたが、それでもやはり1時間分くらいの行列が当たり前のように残っていました。12時前に到着して、店を出たのがなんと2時!このお店は夕方5時に閉まるみたいなので、ここから先に並ぶ場合は時間との勝負になりそうです。
 
長いようで短いような不思議な2時間でしたが、今振り返ると、とにかく良い経験ができたと思っています。
私の場合、飲食店で吐きそうになる…という、ちょっとした恐怖体験が脳裏に刻まれてしまいましたが、それでもまたいつか食べたいな…という不思議な思いに至っています。これから何日も経つうちに、常連さんたちのように体が二郎を欲していうことがきかなくなり特急電車に飛び乗る…なんてこともあるかもしれませんね(笑) 
 
この次行く時は、もう少し勉強して、胃腸も万全な状態に整えて臨みたいですね。自信のない方は「麺少なめ」と頼むこともおすすめのようです。
常連さんたちが当たり前のようにコールしていた「麺カタ」とか「カラメ」が、どんな感じなのか今は興味深々です。
 
ただラーメンを食べに行くってだけの話なのに、これだけ色々考えちゃう所こそ、あの行列を生み出す〝二郎の不思議な魅力〟なのかもしれません。 
 
ごちそうさまでした!

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