【二人のアルバム~逢瀬⑭~愛着障害~】(フィクション>短編)※加筆済
彼が越してきたのは、同居の提案の10日後だった。
未回答のまま、彼は移転して来た。えらく早々に越して来たので、
「彼にしては、珍しいな」、
と彼女は感じた。
彼は、今まで、自分の感情に何か訴えるモノがあったり、自分に感じ入る事が有ったり、悲しい事や嬉しい事が有ると、「暫く時間を置く」人間だった。あんまり自分と向き合った事の無い彼女から見ると、この人は、自分とまず向き合っていた。最初、彼の事を愛着障害でもあるのか、と思った事が有るが、時間を置かれて、最初放置された様に感じたも