図書館の高校生

平日の昼下がり、私はいつものように図書館へと足を運んだ。
普段この時間帯には新聞を読むおじいさんやおばあさんが数名いるだけで、とても静かだ。
しかし、今日は15時30分と少し遅めに到着したため、図書館は雰囲気がいつもと違っていた。

ふと学習スペースに目を向けると、そこには1人の高校生がいた。平日の昼間に学生がいることは珍しく、私は思わずその理由を考えた。自分の高校時代を思い出しながら、午後の授業と掃除の時間を思い浮かべてみる。5限が13時から始まるとすれば、掃除を終えて15時30分に図書館に来ることも不思議ではないかもしれない。

しかしそんなことを考えているうちに、高校生は帰り支度を始め、図書館を後にした。
時刻は16時、高校生はなぜこの時間に図書館にいて、なぜもう帰ってしまったのか、その謎は深まるばかりだった。




図書館に来る前に立ち寄った喫茶店のことを思い出した。そこで高校生とお母さんが一緒にいる姿を見かけた。きっと今日は午前授業や三者懇談だったのだろう。そう考えると少し納得がいった。

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