マレヴィッチの抽象画
前回からの続き、「流れの中で」では、いかに、マレヴィッチの「黒の方形」が革命的で芸術実践的であるかが説かれている。
還元、構成主義、唯物論、破壊、というキーワードと共に。
マレビッチの作品は抽象絵画や還元主義など様々な要素で議論されうるものだが、ここでは、いかに物質的なものが、過去、未来、現在のなどの時間にとらわれているかについて、その流れの中から物質だけを取り出す作業を持って、破壊的、かつ革命的なものとして、とらえられている。とくに、「黒の方形」が例としてとりあげられている。
→この作品は、革命的であり、ゼロに還元されたもの。そしてそれは、実
践。
その作品を展示した展覧会には、「0.10」というタイトルが付けられている。
展示空間は、フーコーの言葉で、「ヘテロトピア」となる。
能動的な空間。
インスタレーションへとつながる。
シュプレマティスムは、芸術が、社会、経済、政治的な文脈に基づいているとする、マルクス主義的考察の最良の出発点となりうる。
インスタレーションの概念はアメリカのミニマリスト、とりわけドナルド・ジャッドの芸術の分析の枠組みの中でマイケル・フリードによって紹介された。フリードは、ミニマリストによって実践された芸術作品の極端な還元は、鑑賞者の眼差しを、作品そのものから作品の文脈へと向け直させる。
無に還元されると、無が出現する世界へと眼差しを向けなおすことになる。
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すると、還元主義やミニマリズムは、社会的なものへの眼差しの転換を促す、メディアとなっていたのではないか。
ちなみに、世界で最初の純粋な抽象絵画はロシアで誕生した、とされている。
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