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「異常なし」という病

【パラグアイの美女競泳選手…】
というニュースの見出しを、

【バイアグラで美女と競演】
と読みまちがえてしまったのは、暑さのせいか。

今日のパートは胃カメラ2件、大腸カメラ1件と、まあフツーの忙しさであった。
内視鏡の準備と片付け、検査の手伝いが私のメインの仕事で、その合間にありとあらゆる雑用と、外来の患者さんのお相手。せっかちなドクターとナースのサポートをする。
時間との戦い。
空気を読みまくってナンボの職場だ。

内視鏡検査を受けるひとの大半は、異常なし。ホッとする人がほとんどだ。
けれども、【具合が悪いのに異常がない】という結果に【メンタルのせいなんだ】とますます落ち込むひともいる。

検査を受けられないひともいる。

つい先日、喉を内視鏡が通るときに、オエッとえずくのに耐えられず、自分でカメラを引っこ抜いてしまう人がいた。
30代の男性だ。
ドクターは『鎮静剤で眠らせて検査をする』と提案したけれど、鎮静剤がイヤだという。
じゃあ、と再度チャレンジしても、カメラが喉を通る前に引っこ抜いてしまった。

「こんな苦しいの無理ですよ!』

怒っている。震えている。

検査は中止になった。
その男性は、不機嫌な顔で帰ってしまった。

検査ができなくても、内視鏡は、いくつかの行程を済ませてから洗浄機にかけねばならない。そのあと乾燥もしなければならない。
検査の準備も片付けも、誰かがやっているのだ。(わたくし)

まるで被害者のような顔をしていたけれど、
「お手数おかけしてスミマセン」
くらいの一言があっても、罰は当たらないぞ。

でも、そんな当たり前のことを求めても無理なのだ。
怒りと恐れはセットだ。
神経過敏なのだ。
過剰すぎる自意識に苦しんでいるのかも知れない。

きっと検査を受けても【異常なし】だったろう。
…たぶん。


自分のことばかり考えているひとは気が狂う

と誰かが言っていた。
ひとつの真実だと思う。
とはいえ、すでに止まらない思考に苦しんでいるひとは、どうしたらいいのだろう。
どうしてあげたらいいのだろう。


…わからぬ。


#胃カメラ
#大腸カメラ
#内視鏡検査
#メンタル
#異常なし







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