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「俺は俺である(ほどに)夢である」クローネンバーグ『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』エイガシVol.2⑥

収縮するものにあらためて生命を与える。それは書く、或いは、彫ることによって。見分けがつくように。俺は俺なのに、ああ、言い直す、俺は俺である。手に臓器の感触が残る。口に手を入れて舌を触る感じ、あれが一番近い。身を尽くして憐れだと思う。だとしても、やめることはない。裸になる。愛の残像と一体化する装置によって知る、俺は俺である。

手が生えたような瞬間があって、その時は右にのけぞった。
ゼラチン質のそれはヌルンと俺の肌を滑り落ちて
この間、無痛だった故
俺以外の死体という判断。
俺は俺なのに。

自我を燃焼させて街の構造を豊かにする。各自やっている。
終始、求め合う為に足りないものがある。
補い合う。パフォーマティブに。
断片的な会話が無数に聞こえてきて、それ自体が大きなひとつとして肉化させてみる。バーは加工する工場となり生産過程をありのまま公開した。

俺の夢である、俺は夢であるほどに。夢は夢である。この拡がりと不在性に外側から侵入する。その際、死後の世界を通るといわれている。

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