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トルコ、高校受験全国共通一次試験。

今週の土曜日には、トルコで高校受験生向けの全国共通一次試験が実施されます。トルコは4-4-4制なので
小学校4年、中学校4年、高校4年です。
高校までが義務教育なので、試験と言っても、落ちたら高校に入れなくなる、と言う様なことはありません。試験を受けなくても高校には絶対入学できます。受けない中学生もそれなりに居ると思います。受けなければ住所の近い高校に勝手に割り振られます。

ですので、受ける子は、それなりに行きたい高校がある子、と言う事になります。
トルコの高校は大まかに進学校、普通校、職業訓練校、宗教校の4つに分かれています。大学まで進学したいならば普通校以上を目指す方が有利です。もちろん進学校なら更に有利になります。でも、4年間、大学受験だけを目指してカリキュラムが組まれた高校って、しんどそう、とか無責任なイメージですが( ゚Д゚)

今回のコロナ騒動のさ中に
なんか、学歴、と言うものに、聊かクエスチョン・マークが付いた人も多かったんじゃないでしょうか? 私の場合、受験生の母なのに、思いっきり、そのタームに足を踏み入れてしまい、受験体制ばっちりなご父兄からしたら、あり得ないノーサポートぶりだったかと思います。

子供が幼児だったら
膝に抱えて一緒にお勉強、とかあり得る光景かもしれませんが
背も追い越された14歳児に、親が出来ることなんて、実は全然ありません。

息子は8年間私立の小中に通ったので
周囲は、当然、子供たちに良い高校に進学して欲しいと願うご父兄ばかりです。私自身は、息子くんが、後悔したり、悲しんだりしなければいいな、と思いつつ、今のこの時期の失敗や後悔は、きっとその後の人生に大きな糧になるから、寧ろあってもいいのかも?とか不謹慎な考えを持っていました。
コロナからこっち受験の今、この前々日状態になるまで
昼夜逆転のオンラインゲーム三昧な生活をしてても、あまり煩くは言ってきませんでした。年明けごろ(コロナ禍前までは)多少モヤモヤしていましたが、コロナ自粛や休校や自宅隔離期間を経て、ぶっちぎりにどうでもよくなりました。

それでも、もしかして、受験前日とかに息子くんはパニくったりするのかしら?と考えていました。私は子供の頃すぐにパニくる子供だったので、そうなった時にかけてやる言葉もそれなりに考えていました。

さっき、ZOOMで学校の保護者会があって、息子くんと一緒に参加しました。内容は試験直前の心がまえや、モチベーションアップや質疑応答などでしたが、先生方もナーバスになっている子供たちを勇気づけて鼓舞して安心させようと熱意の籠った内容でした。

ふと、横に座る息子くんの様子を見ていて
余りにも余裕の態度なので、
「今年の受験生で、あなたほどリラックスしてる受験生は他にどれくらい居るんだろうね。あなたから見て、学校で一番余裕の態度な同級生って誰が居る?」と聞いたら
「どうだろうなぁ、心の中のことなんて誰にも分からないからねぇ。
でも、誰が余裕ぶっこいているかって同級生たちに聞いたら、多分真っ先にオレの名前が挙がる可能性は高いなぁ。」と仰る。

誤解が無い様に書き足しておくと、成績優秀で余裕って言うんじゃなくて
オンライン授業になってから、毎週の様に行われてきた模試の結果で
保護者に携帯メッセージでクラスの成績優秀者24人中上位17人の名前が送られて来てましたが、息子くんの名前が入っていた事は一度もありませんでした。つまりクラスでは下から数えた方が早い成績でずっと居たはずです。

ZOOMに映ってる他の同級生の話になって、とある女の子を指さして「彼女は、本当に努力家で、多分クラスでもっとも勉強してて問題集なんかも毎日信じられないくらいの量を解いてて、彼女の事は誰しもがその努力に関して疑ってないし、皆尊敬してるんだよ。」と言います。
「試験のストレスで、彼女の髪は今年物凄く白髪になっちゃったんだよ。それでも彼女はまだ一度も1番の成績を取ったことがないんだ。それが彼女のストレスの元なんだよ。」と、悲しそうに教えてくれました。

「彼女の努力が報われるといいね。きっと試験では1番が取れて希望の高校に入れるよ。お母さん、やっぱり努力した子がその努力に報われる結果が出たら嬉しいな。」と言うと

「それじゃあ、困るんだよ、オレ個人的には」と息子くん。
「オレはさ、一番なんて全然狙ってないし、全然努力してこなかったんだけど、でも、オレっていつも運がいいじゃん?多分、満点なんて取れないけど行きたい高校程度の成績は取れると思うんだよ。だから努力した順に学校決めます、とか言われたらオレは多分入れないからさ、努力も大事だけど、オレみたいに運の良さもちゃんと混ぜて貰わないと困るんだよ。」と仰る。

「完璧なんか目指してないんだよ。オレはオレに足りるくらいの結果があれば、それでいいんだよ。」と。

へー。

と、しばし、息子くんを眺めて感嘆してしまいました。

「お母さんも、そう思う。」と言いました。

出た結果で、お母さんも絶対、良い結果だったって言ってやれそうな気がするわ。

全ての友人たちと、今年の受験生全員に健康とそして幸運を!

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