音楽語の部屋(おんがくごのへや)
ーーーアラン・チューリングの永遠なる眠りへ。
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閉ざされた真っ白い部屋は、手紙一枚分の隙間だけ開かれていた。
なんの変哲もない世界に、その部屋はひっそりと佇んでいた。
四方を白い壁に囲まれただけの空間。
部屋という言葉で定義できるのかもわからないような、質素な外観。
中は見えない。入り口は存在しない。どんな人間も、その部屋に入ることはできない。
耳を澄ませたところで、中からは物