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菊池 夏野
2021年3月18日 21:28
雨が降ってきた。ざんざんと降ってきた。なりやむ様子がなかったので、ぼくは傘を持たずに外に飛び出して雨を飲んだ。鉄の味がした。雨は鉄だったのかと思った。傘を持った人が良かったらこれどうぞと差し出してくれたけど、雨に濡れていたいんで大丈夫ですと言って返したら変な顔をして傘を持った人は立ち去った。そうか、ぼくは雨に濡れていたいんだ、と自分の言葉でぼくは気がついた。雨は止む気配がない
2021年3月17日 18:58
山間を進んだところにおじいさんが住んでいました。山間はとても寂しいところでおじいさんは一人ぼっちでした。あまりにもずっと一人ぼっちなのでおじいさんは山の頂上に登り、首を吊って自殺しようとしました。その時神様がこう言いました「まだ死んではいけない」と。おじいさんは神様など信じていなかったので、自分の気が狂ってしまったのだと思い、驚いて山を降りました。おじいさんはいったいあの声は誰の声だったのだろう