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イケメン仏像

東京国立博物館で「運慶展」が催されたのは2017年のことであったらしく、
もはや4年も前のことであるが、
この4年のうちにいろんなことがありすぎて、
自由に国内を行き来して、ぼんやり仏像を眺めていたことが、
遠い昔の遠い国の出来事であるかのようだ。
コロナ禍の影響力はハカリシレナイ。

その展にも出展され、私はその時初めて拝観した、
愛知県岡崎市は瀧山寺の聖観音菩薩立像は大変美しい仏像である。
いわゆるイケメンというやつで、
近年「イケメンは癒し」という言葉があるようだが、
その言葉はこの仏像にこそ用いたい。
疲れた人の心を癒してくれるお姿であるように思う。
聖観音以外にも帝釈天、梵天がいて、3体ともどうしたのか⁉︎と思うようなイケメンである。

イケメン仏像と言えば、京都・東寺の帝釈天は全世界的に有名だ。
独鈷という武器を持ってらっしゃるにも関わらず、
象にゆったりと跨っておられて、佇まいからしてイケメンだ。
イケメンは行動がゆっくりしているものである。

お顔が美しい(後補)ので、
仏像に対して乗り物であるはずの象が小さいこともその顔を見ていると忘れる。
近いところで言えばこの方が東京国立博物館に出向かれたのは2019年の「国宝 東寺-空海と仏像曼荼羅」展であった。

さらに、私がこの方はMAXイケメンだと思っているのが、
宝菩提院願徳寺の如意輪観音菩薩半跏像。
後ろ姿もイケメンである。
肌の露出度が高めだが、少し布を纏われていて、
なんだかお洒落に着こなされている。
京都は西京区大原野の行きにくすぎるところにいらっしゃり、
知る人ぞ知る仏像かもしれないが、
全力でお勧めできる仏像だ。
上記の2体に比べて若いお顔をされており、
やんちゃな感じもする。
こんな仏像がありましたか。と思うのである。
ただ、やはりどんなに田舎であってもイケメンは発見されるもので、この方も東京国立博物館に出向かれている。
2006年のことであったらしく、
同じくバックショットが美人すぎる滋賀の向源寺十一面観音菩薩立像とともに出展され、
たちまちファンを獲得された。
ちなみに、この方はお寺から極力出ないというお過ごし方をされている仏像である。
また出向かれる時が来たのならどうなってしまわれるのだろう。
と、人気が出そうな芸能人の行く末を密かに案じるような気持ちになるのである。

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