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ドラマ モアザンワーズについてはなしたい。

 モアザンワーズのドラマを観るきっかけになったのは 原作者の絵津鼓のメロンの味が とてもすきで いつか映画とかになるといいなと思っていたら モアザンワーズドラマ化の記事に原作者 絵津鼓と書いてあったからです。モアザンワーズとINTHEAPARTMENTは読んだことなかったので 予告編がすてきだったので それをきっかけに 両方読んでみました。メロンの味と同様 誰もを 否定しない雰囲気がすきでした。作品の中に余白というか どんな角度からも感じていいという雰囲気があるので やっぱり映像で観たくなるのです。ドラマ配信を楽しみに読みました。

 ドラマ全10話を鑑賞して…本の登場人物が この世界に生きてて 日常を過ごしていて 原作を読んでいた時以上に登場人物である槙雄 美枝子 永慈 朝人が 愛おしく感じられました。映像化になると その人それぞれの身体の動きや感情の変化が 日常の中で動いていくことによって こんなにも 体温が感じられて それぞれの想いが ずっしり伝わってくるものかと 映像化の魅力を感じました。各話ごとの主題歌もそれぞれの話の空気感にぴったりで 感動しました。 

 このドラマのすきなところは…誰もが抱いてるかもしれない 隠しておこうかなという想いや 言葉には できないけれども どうしても感じてしまう違和感や 自分がいなければ幸せな空間になるのかなとかいう くすぶった本当にしまっておいた方がいい感情などを 少しでもすくいとって…そして そういう部分を それじゃだめだ  変わらないと 変わっていこうと 強い言葉をかけるのではなくて…そっとしておいてくれるというか どうしょうもない状況に置かれている人に寄り添って おいてきぼりに しないような どこまでも 優しい空気感が すごく心に沁みて このドラマが存在していることがとてもうれしいです。

(以降 ネタバレありの文章です。)



 印象的だった場面…朝人のおじいちゃんが朝人にマッサージしてもらう場面です。きっとおじいちゃんも孫と どう関わったらいいのか悩んで生きてきたのかもしれない もしかしたら優しく関わりたかったのかもしれない そんな生きてきた年月を感じさせられるような 声や背中が とても実在感があって…ありがとぉーが沁みました。

 このドラマの中では ありがとうと言う場面がいくつかあって そのありがとうがありがとぉーなのがなんかすごく 心にじんわりくるのです。

 マッキー…永慈と美枝子と離れて暮らすマッキーは きっと どうしたって日々の生活の中で 特に永慈と過ごしていた日々を思い出してしまう場面があって 一緒にご飯食べたり ドライヤーで髪の毛乾かしてもらったり 食器を洗ったり だからきっと だんだん生活の中で その思い出から 逃げるように 朝ごはんを食べなくなったり タバコすって カップラーメン食べて そう考えると すぎもんに出会うまでの4年間ずっとひとりで 片隅で ひっそり過ごしていたのかなと思うと 切なくて…でも そんな思い出から逃げるように過ごしているマッキーを ただただ心配する すぎもんが優しくて ひとりよりふたりでいるふたりが ただそれだけである関係でも なんか良かったなーと思いました。

 それぞれの人間像がとても繊細に丁寧に  人と人の関係や時間軸とともに 描かれていて どんな状況でも どうしたって どうにかこうにかして日々を過ごしていく人たちの心の奥のほうの本当にちいさなちいさな声みたいなものを大切に扱うようなこのドラマの世界がとてもすきです。大切にしたいドラマに出会えました。ありがとうございました。

 できれば この世界線のまま せのおとすぎもんがもうちょっと救われていくような展開が描かれている 続INTHEAPARTMENTの映像化期待しちゃいます。あると いいなと思います。せのおの背中がまだまだ心細くて すぎもんの すきよりいとしいの言葉に そんなに重くないやつって付け加えるのが 切なくて…。と想いを馳せちゃうくらいに すきな作品になりました。

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