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非常時…行政の広報に、Twitterではどんな反応があったのか/大規模断水7日目

約3カ月前、ある地方で大規模断水が起こりました。そのとき行政はインターネット広報でどんな発信をし、それにTwitterなどではどんな反応があったのか…をまとめてみます。行政の危機管理室の担当者さんなどの目に留まると嬉しいです。
この記事の意図と断水1日目のレポートはこちらをご確認ください。)

前回:断水6日目のレポートはこちら

断水7日目①蛇口や元栓確認のお知らせ

断水7日目の朝6時半ごろ、Twitterでは給水開始を前に蛇口や元栓確認のお願いがなされます。

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大事なお知らせなだと思うのですが、防災無線で7時前と9時5分に流れたのは下記のアナウンスでした。

**市、企業局からお願いします。
全域に、水を供給するために午前8時30分まで、ご使用をお控えください。また、その後も節水にご協力ください。

蛇口と元栓の話は、各人ちゃんと対応しないと故障に繋がるため、当日の朝は30分ごとくらいに伝えてもいいくらいくらいの重要な話です。しかし、前日の17時、20時に発信があったあとは蛇口と元栓について防災無線ではアナウンスがなかったようでした。

断水7日目②蛇口を8時半まで閉めたままに、の発信

断水7日目の朝7時前にTwitterで、7時半に防災無線で「蛇口を8時半まで閉めたままにしてください」の発信があります。

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この表現だと8時半以降は自由に蛇口をあけてよい、と受け取る人もいると思います。
でも実際は、
・安全性が確認されるまで透明な水でも飲料水としては使えません
・水が全域で安定供給されるまで「節水」してほしい
という状態なので、それについても同時に触れるべきだったのではと思います。

市民の方々のTweetを見ていると「お預け感」だけが募っていくのか、だんだん「市民目線ではない」「周知が足りない」というネガティブなコメントが増えていった印象でした。

断水7日目③水が出ても飲まないで、の矛盾の発信

断水7日目の朝7時15分に、水が出ても飲まないで、の発信がなされます。

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先ほどは8時半まで開栓しないで、と伝えているのに「水が出ても飲まないで」という矛盾したお願いが発信されます。元栓と蛇口を締めていても水が出ることがあるのでしょうか?
「みんなのために、いまは開けないでください。8時半以降には開けたとしても、OK出るまで飲まないでください」が正解かと思います。

まとめると朝イチ時点のお知らせで

・断水地域全域で早期に水を供給できるよう、蛇口や元栓が締まっているか必ず確認してください。
・本日朝8時半以降はお伝えしている順番で開栓いただいてもよいですが、飲み水としては安全宣言が出るまで使えません。煮沸しても飲めません。
・濁り水が出ることがあります。一般的には出しっぱなしにして綺麗な水が出てくるのを待とうと言われていますが、断水地域全域で水が十分行き渡らないと濁り水は解消しませんので、今回は出しっぱなしにはしないでください。
・引き続き応急給水車による給水スポットは開設していますので、応急給水車の水を飲料水としてご利用ください。なお妊娠中の方には生活用水をお届けすることができますので、**までお申し込みください。
・一部地域で水が出始めても、まだ出ない地域もあります。断水地域全域で水が十分行き渡ってから飲み水検査となりますので、引き続き節水にご協力ください。
※皆さんの節水の度合いにより、全戸で供給再開できる時間は異なります。

くらいのことを、単発ではなくスレッドの形式で伝えてもよかったのではないかと思います。

断水7日目④妊婦さんへの水の配布の再告知

断水7日目の8時半、給水開始時刻ちょうどに、なぜか断水6日目の昼過ぎに告知した内容に近い「妊婦さんへの水の配布」の再告知がなされます。

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同じ内容なのであればRTすればよいのに、少ない情報で、かつ給水開始時刻にこの内容を出したので、ますます市民は混乱、「出てないですけど」「給水開始時間になって、今さらこのお知らせ?遅い」「わびろ」などとイライラを募らせてたレスがたくさんつきはじめました。

断水7日目⑤妊婦さんへの水の配布の再告知

断水7日目朝9時過ぎ、8時半から給水開始しています、のお知らせがありました。

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しかしこの時点では本当に一部の地域しか水が出てきておらず、出ていない地域の人が見たら「自分を無視されている」と感じる内容だったかもしれません。「一滴も出てませんけど」など、ネガティブなレスが続きます。

断水7日目⑥給水所開設してます案内

断水7日目朝11時前、給水所も開設しています、のお知らせがありました。
これも朝まとめてご案内していたほうがよかったかもしれません。

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断水7日目⑦「水道水が足りない」案内

お昼過ぎになって、水道水が足りないので節水してほしいと案内がありました。節水は朝イチにお伝えすべき内容だったにもかかわらず、テレビでは「やっと水が出たから庭の草木に水やりしてます」というような報道もなされており、水が出ない人達から見るとストレスがたまったり、住民の分断を生んだのではのではないかと心配になりました。

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断水7日目⑧「にごり水」案内

午後3時、濁り水発生につき、節水を呼び掛ける発信がなされます。

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これに対し「まだ水が一滴も出てません」というTweetや、「節水とはどのくらいのことなのか?トイレも使ってはならないのか」「具体的にどのくらいなら使っていいのか示してほしい」といったTweetが散見されました。

この後も、多くの地域で飲用できない水の供給が続きます。

*「災害ではない」のに大規模断水が起こってしまうという未曽有の事態に関係各部署大混乱だったことは想像に難くないですが、実際に発信する前に、受け取る側が混乱しないか、もう少しシミュレーションされてもよかったのではないかと感じます。(広報も、平時に「想定」と「訓練」が必要かと思います)

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