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田中隼磨というプロフェッショナルの言葉を聞いて。

凍てつく雨をものともせず、引退セレモニーのプログラムにはなかっただろうピッチからゴール裏まで上がって来てまでして直接自分の言葉を伝えに来てくれたのがちょうど目の前だったので撮れた動画。
後日の記者会見で自分の現役生活を振り返って語った
「サッカーに失礼のないように、サッカーに真摯に向き合ってきた」
そのサッカーの中には僕達サポーターだったり、運営に携わるボランティアといった直接は関わりのない層まできっと含まれていたんだと思う。
だから現役最後のこの日、ためらいなく言葉を伝えに来てくれたんだ。
山雅ファミリーの仲間として。

普段の練習から自分にまず厳しく、を徹底的に貫いてきたからこそ23年もの間プロサッカー選手として活躍し通したはゆさんの真っ直ぐな目線。
結果的に最後自分で「みんなが頑張れって言うからもう膝ボロボロ」と笑いにはしてたけど、極限を超えて身体を追い込んで、使い切ったんだろうな・・・
そういうはゆさんだから「選手たちを、クラブを甘やかさないで」という言葉のチョイスになったんだと思う。

さて、そこで僕達だ。
プロアスリートじゃない、観客の僕たちではあるけれど
J2への昇格がほぼ消えて迎えた最終節、天候も悪かったわりには8千人を超える観客が入っていたけど熱はあっただろうか?
ベストを尽くしてシーズン最後のホームゲームを、最後の勇姿を後押しする空気にできていただろうかね?
少なくとも僕は苛立ってました。周囲の緩さに。
ここで特定の誰かを責めるつもりはないけど「そこにいる」ってだけで満足してるのが残念でならなかったです、正直なところ。
プロチームを応援し続けているのを自負する「背番号12」たちならば、もっともっと試合中ピッチに熱を送り一緒に戦って欲しいです。

こういった言葉を書くと「先鋭化」だの「排除するのか」って揚げ足をとる方がいるのはもう承知で、それでもこれはほっとけないから書いてます。
だって前は俺たち、できてたからさ
それも昔の話じゃないよ?まだ記憶に新しいJ1にいた3年前、2019シーズンには絶対今より全然声量も熱気もあったんだから。
発声ができるようになって選手たちからは「感動してます」ってコメントが聞かれたけどこんなもんじゃねーよ俺らのアルウィンは、って思いが拭えません・・・

元々俺たちの山雅は、
大都市でもない、大企業母体のクラブでもない
地方都市にある喫茶店の常連客で作ったチームが発祥の純粋なアマクラブでさ、行政主導でもなくサッカー協会の目論見でもなく、
なんのあてもなく単独で、酔狂にもJリーグを目指し始めたことで徐々に周りを巻き込んで熱を帯びていったわけじゃないですか。
最初っから出来てたものじゃないんです。
いまサンアルで見えてるものの全てが集まってきた人たちがあーじゃねぇこーじゃねぇって言い合って作ってきたもので突然空から降ってきたもんじゃぁないんです。

サポーターの応援にしてもそう、ポケットに手突っ込んでボケっと突っ立ってたら、なんかだれかが上手くやってくれるなんてもんじゃぁないんですよ。
みんなで寄ってたかって作ってきたのが俺たちの応援なんですよ。
それを忘れて欲しくないなぁって。

話は変わりますが山雅って毎シーズン謎な四字熟語スローガン発表してきてたじゃないですか。
今年は原点回起で比較的わかりやすいな、とは思っていたけど相変わらずのプレゼン下手でオフィシャルサイトの説明見てもふんわり仕上げでよくわかんないんですが

我々山雅サポーターにとっての原点てなんだろう?って考えるとさっき書いたように地方都市の後発クラブとしての「反骨心」だったり「ハングリーさ」だと思うんですよ。

この世界、順番待ちしてたらいつまで掛かるか分りゃしねえ。
難儀はしたけど勝ち取るしか道は開けないから前のめりに、どうやったら勝てるのかを模索してスタンド全部を巻き込もうと工夫をしてきたんです。
やっぱり観客席からの熱気とそれに応える選手たちの対流があってこそサンアルは本物の聖地だと思います。

熱気の対流、をはっきりと思い出すのは
そう、松田直樹ですよね。
山雅に加入して試合に出たマツを初めて「ウチの選手」として応援した時に
『こんなに全方向にむき出しの感情出していいのか?』ってびっくりしました。選手としては勿論、一見の客までも惹きつけるプレーとパフォーマンスで気がついたら彼の動きに自然と目が行ってしまう。
よくぞ縁あってこの松本に来てくれたもんだ、と興奮しましたね。
それだけに早すぎる別れの喪失感も大きかった・・・
でもね、見ていた僕達サポーターも短い時間だったけどマツから感じた負けじ魂だったり目の前のサッカーをどっぷり楽しむ事を自分たちのものとして受け取って残してきた。
それをまたはゆさんが強い決意を持って体現してくれてきた。
最初っからずーーーっと現役生活最後まで。

そういうはゆさんの姿や発言を見聞きしてきたはずなのに、
俺ら凡人だから時間経つと忘れて「この程度でいいや」とかなっちゃうじゃないですか?応援活動にせよ実社会にせよ、ね。
恥ずかしながら今回の引退に関してまたそのハンパないプロ魂を垣間見れて、背筋が伸びた気持ちなんです。
間近で見てたサポーターとして、これは真似できないながらもなんかやらんと、と思いまして
久しぶりに文章として残そうと思った次第です。
下手くそだけど気持ちだけは込めました。

来シーズンからは田中隼磨のいない山雅になりますが、きっとはゆさんの想いのかけらを受け取った選手たちが頑張ってくれるはず!
それをスタンドの僕たちがどう後押しするのか、勝たせようとするのか。
無数の歴代の選手たち、無念の思いでチームを去った選手たち
そして松田直樹、田中隼磨。
彼らの想いのその先を繋げられるのは、現在の我々に懸かっているんです。

以上、殴り書きに近い状態での公開ですが、思いの丈を残させて頂きました。
最後まで読んでいただけた奇特な方、有難うございます!笑

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