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アルハイママの🎶ファソラファソ

アルツハイマーの母は、時々、チャチャチャチャチャという独り言が止まらなくなる。

どんなに観察していても、それがどういうタイミングで始まるのか、どういう状況だと止まらないのか、全然わからない。
タクシーに乗っているときや病院の待合室にいる時だと、わたしも人の目が気になったりするけれど、老人比率の多いこの田舎町は他人の目も優しい。

通院先の先生に、この症状を話したことはあるけれど、アルツハイマーの典型的な症状ではないようで、先生の関心も低く、特に問題視はされなかった。

実際に問題ではない。
それが聞こえると、離れたところにいても、家の中での母の現在地が分かるので、わたしにとっては意外と便利。ただ、ずっとそれを呟いているのは疲れないのかな?とは思う。

父は母に対して「何がチャチャチャなんだ?」と指摘したりするけれど、もちろん母は、自分がそれを呟いている認識がないので、「何のこと言っているのよ。おかしなこと言うね。」と父の方が返り討ちにあう。

チャチャチャにはアレンジがいろいろあって、ンチャチャだったり、ズチャチャだったり、フフフだったりするが、いつも音階は一緒で、ピアノでなぞってみたらファソラファソだった。

台所仕事をするときは、楽しいのかな?そのリズムがアップテンポになる。
包丁を持っているときは、「ゆっくりでいいよ」と声がけしないと、横にいるこちらが心配になる。

餃子包みはファソラファソととても相性が良いみたいだった。

こういう単純作業は頭より手が覚えているのだね、きっと

最近の母の様子は波があって、ぼーっとして色んなことが分からない日も増えてきた。それでも同じ形に、同じリズムで仕上がる餃子を見ると、まだ大丈夫。となんだか安心する。



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