ここに不審者が居ます。

告白すると、私、結構気持ち悪い人になっていて。

うっかり休日の公園やショッピングセンターなどに行くと、そこここに娘の思い出が転がっていて、耐えられなくなって、小さな声で「あ～～～～～　あ～～～～～～～」と変な唸り声出しながら歩いている。（帽子を目深にかぶり、眼鏡とマスクでカバーしてるからよほど近くでのぞき込まれない限りは大丈夫だと思うけれど）

母親と娘らしき組み合わせの人を見ると羨ましくて仕方ない。
嫉妬のような焼け付く感じの感情はないけれど、単純に「あ～……いいなぁ…」と思う。そしてまた微かな唸り声をあげながら泣く。

小さな子供連れを見ると「あ～……かわいいねぇ。でも、その子大きくなったら自殺しちゃうかもよ？」と思う。
これも強い感情は伴っていないけれど、こっちは若干の毒があるかも。
そしてまた泣く。

こんな感じで、一歩間違うと通報されかねないような不審者になるのでなるべく近所は出歩かなくなった。

娘のことを少しなら泣かずに話せるようになってはきたし、まだ一日数回は泣くけれど、以前のような激しい慟哭は少なくなった。
泣こうと思えば秒で泣けるけど。

一時はまるで宗教のように娘の痕跡をかき集めては、彼女の遺影の前で懺悔していたけれど、日々の中でそれもしなくなってきた。
うっすら頭の隅に、私がこうして苦しみ続けていればいつか娘がよみがえってくるんじゃないか、みたいな感情があったんだけれど、そういうのも薄れてきた。
娘を悼み続けること自体に疲れてきたのかもしれない。

そんな三回目の月命日です。

追記：あと、必要以上に周りの人間に「家族大事にしろよ～」って言いがちになった。