すみれとエツオの映画レビュー

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ドキュメンタリーとフィクションが交差するトランスシネマ 『アンヘル69』 テオ・モントーヤ監督

山形国際ドキュメンタリー映画祭2023の「インターナショナル・コンペティション部門」で上映されたテオ・モントーヤ監督の「アンヘル69」。すみれとエツオが鑑賞直後の感想を語ります。 エツオ:今回は、歩きながら感想を話そう。いま見たばかりの『アンヘル69』について。 すみれ:私はすごく好きで、面白いと思ったね。 エツオ:何が良かったの? すみれ:この映画は「トランスシネマ」と言われているんだけど、「トランスする」ということを表現していて、性的な「トランスジェンダー」という

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      山形国際ドキュメンタリー映画祭2023の開催期間中に、山形駅前の広場で野外上映会が開かれました。森脇由二監督の『ブリング・ミンヨー・バック』。民謡を新しい解釈で演奏するラテン音楽のバンドを主人公にしたドキュメンタリー。上映直後の感想を、すみれとエツオが語り合います。 エツオ:僕らが山形に行った日(10月6日)の夜に見たのが『ブリング・ミンヨー・バック』。「民謡」をテーマにしたドキュメンタリーだった。 すみれ:これは山形ドキュメンタリー映画祭の主催ではなく、経産省が中心にな

      • アスペルガー症候群の娘と母の濃密な12年 『平行世界』 蕭美玲監督

        山形国際ドキュメンタリー映画祭2023の「アジア千波万波部門」で上映された蕭美玲(シャオ・メイリン)監督の「平行世界」。日本監督協会賞を受賞した力作。すみれとエツオが鑑賞直後の感想を語ります。 エツオ:どうだったかな。 すみれ:いやぁ、すごい。3時間の映画とは思えないほど、よくまとまってて、すごかった。いい映画だったと思う。強く人に勧められるし、どこかの映画館で上映されるんじゃないかな。 エツオ:これはどこかでかかるだろうね。 すみれ:上映後のQ&Aで監督が、自分の感

        • 雑踏の雰囲気だけを伝える不思議な映画 『ターミナル』 グスタボ・フォンタン監督

          山形国際ドキュメンタリー映画祭2023の「インターナショナル・コンペティション部門」で上映されたグスタボ・フォンタン監督の「ターミナル」。すみれとエツオが鑑賞直後の感想を語ります。 エツオ:「ターミナル」どうだった? すみれ:アルゼンチンのバスステーションの映画ね。 エツオ:そうそう。コルドバっていうのがバスの表示に出てきたけど、アルゼンチンのコルドバ州にあるバスターミナルが舞台だったね。 すみれ:でも、この映画、人の表情とか全然、映してないんだよね。映しているのは、

        ドキュメンタリーとフィクションが交差するトランスシネマ 『アンヘル69』 テオ・モントーヤ監督