見出し画像

週末に見た2本。『ドライブ・マイ・カー』/『JUNK HEAD』

※掲題の映画のネタバレを含みます※


①ドライブ・マイ・カー

金曜日に有休をとった。

もうこの先5月の半ばまで死ぬほど忙しいことが確定しており(まあ退職も確定しているんだけど☆)、ここでとらねば!と思ったため、

月曜からの自分にすべてを託し、金曜は友人を誘って話題の『ドライブ・マイ・カー』を見てきた。

村上春樹本は、じつはちゃんと読んだことがない。

「エッチな描写が多い」と聞いて、思春期真っ盛りの自分は母親の実家になぜかあった『ノルウェイの森』を鼻息荒く読んだのだが、なんんだか気色悪いな、性的な描写にあまり燃えないな、と感じてそれ以来開かなくなったのを覚えている。”世界のハルキ・ムラカミ”で抜こうとするな。

だが、アカデミー賞の話題作、いろいろな方が考察や感想をネットにアップしており、3時間静かな雰囲気の映画を家で配信サービスで見たら挫折するだろうな、とおもったので、ファーストデーに、映画館で見ることにしたのだ。

結論、3時間はあっというまで、それなりにハラハラドキドキした。

岡田将生さんの演じる”自分で自分をコントロールできない若手俳優”の演技が特に素晴らしく、こういう人リアルな演劇やの現場に絶対いるわ~~~!!!と一人でウケてしまった。

西島さん演じる主人公家福の、くたびれ感やどうしようもなさも大変良かった。家福が若年女性ドライバーにだけ徹底してタメ口を聞くのでそのたびにフェミ的にイラッとしたが、彼女とはキスしたりセックスに持ち込んだりしなくてそこは安心した。(劇場を出た時友人も同じことを言ってて笑った)

亡くなった娘と同じ年齢だからって、そいつはお前の娘じゃねえ!!とつっこみたかったけどまあ。。ね。。

余談だが、作品を愛しながら同時に批判することって、自分にとっては息を吸うのと同じくらい当たり前なんだけど(少なくとも周りはそんな人ばっか、オタクであることや文学部だったことも関係しているかな)、その時によって言ってること違くて矛盾してませんか?みたいに言われることもあり、ちょっと疲れる。

ここはサイコー!!だけどフェミニズム批評的にみるとここが最低、みたいなこと、普通にあるんだけどなあ。。

印象に残ったカットはルーフに並んだ2人の煙草を持った手と、リビングや稽古場やバックミラーなど、鏡をうまく使った演出。

大学に入って映画の見方を学ぶまでは、たぶんこの手の映画はセリフがない、情景だけを延々映したシーンで寝てたと思うんだけど、おかげさまで「ストーリーに頼らない映画の見方」が少し身についたので飽きずに最後まで見ることができた。

セックスの撮り方はねちっこく、男性目線乙wwって感じで私が『ノルウェイの森』を盗み読みして萎えた時の感覚が面白いくらいによみがえってきたので、あるいみ実写化に成功したのだろうね!笑

人に超おすすめはしないけど、いい映画でした。演劇やりたくなった。


②JUNK HEAD

「らんさんは変態だから絶対この映画好きだよ笑」、と顔なじみのバーテンダーさんや、信用できるサブカル系の友人に勧められており、でも世界観が理解できなさそうとか、ポスターが怖いとかでなかなか踏み出せなかったこの映画は、土曜の夜に自分の部屋で見た。

控えめにいっても最高だったので、記録しておく。

昔からストップモーションアニメが好きだ。

きっかけは「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」で、CG技術で今の時代どうとでもなるところを、膨大な年月と労力をかけてちょっとずつ動かしながら製作する作り手の「変態性」にとても惹かれるからだ。(※大賞賛です)

とはいえ、初めはあの世界観にうまくなじめず、ああ、思えば自分ってSF超苦手だったんじゃん、大丈夫か…と心配したが、あの白くて丸くて、つぶらな瞳の頭が主人公に与えられた時から(うわ…好き…!!)となった。

”なんて気持ち悪くて愛おしいんだろう”、の一言に尽きる、最高のアニメーション映画でした。字幕が現代の喋り言葉や、関西弁だったりしてじわじわくるのと、グロいシーンを「偽物だけども可能な限りしっかりグロく見せよう」という心意気が感じられた。

また、映画のでは謎の言語が飛び交っており、それを監督がやっているとエンドロールで知った時もひっくり返った。

CV:ほぼ全部俺 なんだ‥‥!!!

これは人を選んで激推ししたい映画だ。一日たってもひきずる。

かなり愛おしい。










この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?